Nexteer Automotive Group Ltd. 2018年12月期の動向

業績

(単位:百万ドル)
  2018年
12月期
2017年
12月期
増減率
(%)
要因
売上高 3,912.2 3,878.0 0.9 1)
純利益 384.3 355.9 8.0 2)


要因
1) 売上高
-2018年12月期の売上高は、前年比0.9%増の3,912.2百万ドル。北米の売上高は3.6%増。ライトビークル生産の減少にも関わらず、2018年の新規プログラム、2017年からの持ち越し案件、フルサイズトラックの生産増による製品ラインミックスの組み合わせにより好調となった。アジア太平洋地域の売上高は、OEMの価格低下や顧客への値下げなどにより8.5%減少した。EMEAおよび南米地域においては、キャリーオーバープログラムと為替差益により、3.2%増となった。なお、生産量の減少により利益が一部相殺された。

2) 純利益
-2018年12月期の純利益は、前年比8.0%増の384.3百万ドル。増加の原因は主に顧客プログラムの立ち上げ成功、効率改善およびコスト削減、製品構成の改善などによるもの。

 

受注

-2018年に同社は北米で11件、アジア太平洋で11件の主要プログラムを立ち上げた。

<北米>
REPS (ラックアシスト式電動パワーステアリング):Ram 1500, Ford Ranger, GMC Sierra 1500, Chevrolet Silverado 1500, Chevrolet Blazer, Holden Acadia
ステアリングコラム: Ram 1500, Ford Ranger
中間シャフト: GMC Sierra 1500, Chevrolet Silverado 1500
ドライブライン製品: GMC Sierra 1500, Chevrolet Silverado 1500, Holden Acadia, Chevrolet Blazer


<アジア太平洋>
ステアリングコラム:Jeep Grand Commander
ドライブライン: Maruti-Suzuki Swift Dzire Tour, Nissan Micra
コラムアシスト式EPS: Buick Excelle, SGMW Rongguang, SGMW Baojun RS-5, Changan Ossan X70A, Changan Eado, Changan Yuxiang V3, Changan CS35 Plus, Changan Raeton CC

受賞

-Fordの「第20 World Excellence Award」で、2つのサプライヤー賞を受賞したと発表した。品質や納品、コスト、性能に重点を置いた「Aligned Business Framework」部門を受賞したほか、ステアリングギアを生産するメキシコEl Marquesにある工場が「銀賞」を受賞した。(2018523日付プレスリリースより)

-GMから2017年「Innovation Award」を受賞したと発表した。様々なレベルの自動運転で先進安全を実現する、同社の高可用電動パワーステアリング(EPS)が評価された。「Innovation Award」は、Nexteerを含めて4社が受賞している。(2018年4月30付プレスリリースより)

-2018年受賞したその他の賞:

  • SAIC-GM-Wuling Excellent Supplier Award (中国Liuzhou)
  • SAIC-GM-Wuling Excellent Supplier Award for Indonesian Subsidiary (インドネシア)
  • FCA-GAC Excellent Delivery Performance Supplier Award(中国)
  • GM Supplier Quality Excellence (インド)
  • Maruti Suzuki Superior Performance and Consistently Delivering High Quality Performance Award (インド)
  • Tata Agility Award
  • Nissan Best Innovative Idea award
  • PSA Platinum Supplier Status Certificate of Excellence (ポーランド)
  • FCA Commitment to Excellence in Management Aligned with Quality Principles award (ブラジル)

 

研究開発費

(単位:百万ドル)
  2018年12月期 2017年12月期 2016年12月期
全社 278.5 249.3 232.8
収益に占める割合 7.1% 6.4% 6.1%



研究開発拠点

研究開発拠点
2018年12月現在、グローバルテクニカルセンター1箇所、テクニカルセンター3箇所、カスタマーサービスセンター14箇所、ソフトウェアサービスセンター1箇所を保有。

-ソフトウェアへの戦略的投資を拡大し、インドにソフトウェアセンターを開設すると発表した。ソフトウェアセンター開設は、米国Saginaw、ポーランドTychy、中国・蘇州に続くもので、ソフトウェアの世界的な開発体制を構築するのが目的。自動車、特に安全が最重要視されるステアリングソフトウェアの役割は急激に拡大しており、同社のステアバイワイヤー (SbW) や電動パワーステアリング (EPS)においては、サイバーセキュリティを含め、セーフティクリティカルな役割を果たしている。同社が先進安全などの機能をステアリングに追加するに伴い、ソフトウェアも複雑化。初代スペースシャトルが必要としたコードが40万行だったのに対し、NexteerSbWには14.3百万行、EPSには4.3百万行のコードが必要という。(201849日付プレスリリースより)

-2018年、中国蘇州のテクニカルセンターの建設を継続。2019年第3四半期操業開始予定の同センターは、EPS設計、電子システム、ソフトウェアエンジニアリングの能力開発に使用される。

-ポーランドTychyのテクニカルセンターは2018年にフル稼働となった。従業員数は約200名。

製品開発

-完全自動運転車向け先進ステアリングシステム
-半自動 - 完全自動運転向けの先進ステアリングシステムを北米国際自動車ショー (NAIAS) で披露すると発表した。スイッチを押すかハンドルを握ると始動し、手動運転からレベル3以上の自動運転へと移行できる「Steering on Demand」システムや、自動運転中に方向転換した際にハンドルの回転を防止する「Quiet Wheel Steering」、手動・自動運転を支援するステアバイワイヤーシステムなどが出展される予定。(2018116日付 プレスリリースより)

設備投資

(単位:百万ドル)
  2018年12月期 2017年12月期 2016年12月期
全社 303.7 357.4 284.7



米国以外の投資

<モロッコ>
-モロッコのKenitraに工場を開設すると発表した。シングルピニオンアシストEPS (SPEPS)の生産からスタートし、将来的にはドライブラインシステムまで生産を拡大する計画。新工場の広さは18,000平方メートルで、同社のアフリカにおける初拠点となる。20183月末に起工式を行い、2019年に稼働を開始する予定。(2018222日付プレスリリースより)

<中国>
-2018年、Dongfeng Nexteerは武漢にシングルピニオンアシストEPSシステム生産施設の開設を発表した。同施設は2019年第2四半期までに稼働予定。

<メキシコ>
-2018年、メキシコQueretaroにドライブライン製品生産施設を開設。

<インド>
-インドでの新規事業獲得により、インド国内3番目の生産施設をChennaiに開設。EPSとドライブライン製品を生産する同工場は2019年第1四半期に生産開始。