Nexteer Automotive Group Ltd. 2014年12月期の動向

近年の動向

業績

(単位:百万ドル)
2014年
12月期
2013年
12月期
増減率
(%)
要因
売上高 2,978.1 2,386.8 24.8 1)
純利益 163.3 110.9 47.2 2)


要因
1) 売上高
-2014年12月期の売上高は、前年比24.8%増の2,978.1百万ドル。堅調な自動車市場を背景に、北米での需要が増加。2013年後半から2014年にかけての多数の新規プロジェクトの立ち上がりや、製品の増産効果も寄与。一部、ブラジルの自動車生産台数減少の影響により増加分が相殺。

2) 純利益
-2014年12月期の純利益は、前年比47.2%増の163.3百万ドル。製品保証引当金や資産計上した研究開発費の償却費用の増加による減益要因があったものの、売上高の増加やコスト低減施策が奏功し、増益となった。

合弁

-重慶長風機器有限責任公司 [Chongqing Changfeng] と新工場「重慶耐世特転向系統有限公司 [Chongqing Nexteering Systems, Ltd.]」の建設を開始したと発表。資本金は総額300百万元超 (約49百万ドル) で、折半出資により設立。第1段階では、面積8,000平方メートルの工場を建設し、10月に完成を予定している。新会社では、現地メーカー向けにコラム式電動パワーステアリングシステムを生産する。(2014年3月12日付プレスリリースより)

再編

グローバル本社設立計画
-米国ミシガン州のDetroit大都市圏にグローバル本社を設立すると発表。同州のSaginawに位置する既存拠点から2016年に移転する計画。新本社では、既存と新規雇用を含めて約150名の従業員が勤務する予定。同社のグローバルエンジニアリングセンターとSaginaw部門は引き続き既存拠点に残り、それぞれ技術革新および製造技術開発の中心拠点として機能する。(2015年2月2日付プレスリリースより)

メキシコのホース生産拠点を売却

-2013年6月、メキシコ・Sabinas Hidalgoに位置する油圧ホース生産拠点をNobel Automotiveに売却すると発表。同社はコア製品の電動パワーステアリングシステム (EPS) に注力していく。なお、全売上高に占めるSabinas Hidalgo拠点が占める割合は1.5%以下。(2013年6月28日付プレスリリースより)

受注
-2014年7月、神龍汽車 「東風標致 2008 (Dongfeng Peugeot 2008)」にEPSシステムを供給すると発表。(2014年7月9日付プレスリリースより)

-2014年1月、BMW 「i3」にシングルピニオン式EPSを供給すると発表。(2014年1月14日付プレスリリースより)

-2012年、Chrysler 「Dodge Ram 1500」の2013年モデルにEPS (12V電源使用) を供給すると発表。(2014年4月9日付プレスリリースより)

事業概況

-2012年5月、2012年12月期のドライブシャフト事業は、旺盛な需要を受けて2011年と比較して13%の伸びを見せたと発表。2011年のドライブシャフト事業の売上高は440百万ドル。2012年、グローバルで21のドライブシャフトに関するプロジェクトが立ち上がる。主な案件はGM 「Cadillac XTS」および「Chevrolet Malibu」の2013年モデル向けが含まれる。

ブラジル市場の見通し

-ブラジルにおいてグローバルOEMメーカーからEPSの大口受注を獲得しており、2018年までに同国における市場シェアは格段に増加する見通し。

研究開発費

(単位:百万ドル)
2014年12月期 2013年12月期 2012年12月期
全社 80.1 73.3 81.6

研究開発拠点

研究開発拠点

拠点数 所在地
システムエンジニアリングセンター 1 米国ミシガン州Saginaw
アプリケーションエンジニアリングセンター 5 米国ミシガン州Saginaw
フランス パリ
中国 凌雲、北京、蘇州
車両評価センター 3 米国ミシガン州Saginaw、Milford
米国アリゾナ州Casa Grande
カスタマーサービスセンター 11 米国ミシガン州Dearborn、Troy
ブラジル Porto Alegre
ドイツ Russelshelm、Munich
イタリア Torino
ポーランド Tychy、Gliwice
インド Bangalore
韓国 ソウル
オーストラリア Keysborough


-2012年、ハイブリッド車・電気自動車向け電動パワーステアリングシステム (EPS) の試験・検証用施設に12百万ドルを投資。主にEPSの騒音、振動に関する試験が行われる計画。(2012年11月19日付プレスリリースより)

研究開発体制

-2014年6月末時点、972名が研究開発に従事。

特許

-2014年12月末時点、米国内に603件、米国以外では414件の特許を保有。また、427件が特許出願中。

製品開発

トルクオーバーレイ付き電磁アシスト式ステアリグシステム
-2013年、トラック向けにトルクオーバーレイ付き電磁アシスト式ステアリグシステム「Magnasteer with Torque Overlay (MTO)」システムと「Smart Flow」油圧ポンプの2つの新製品を発表。MTOシステムは、電磁アクチュエーター付き油圧パワーステアリングギアと電子制御モジュールで構成。複数の車両システムからのデータを分析し、ステアリングの応答性や制御性を高めるもの。一方の「Smart Flow」は、エンジンの寄生損失を低減することで作動効率を向上させる。同社はすでに、2015年に発売予定の両製品に関して顧客を獲得しているという。(2013年10月31日付プレスリリースより)

電動パワーステアリング (EPS) システム向け電子アーキテクチャ
-2012年、電動パワーステアリング (EPS) システムの新たな電子アーキテクチャを開発。カスタマイズ可能な12V対応の単一プラットフォームで、超小型車から高級SUVまであらゆるタイプの乗用車に使用できる。この新しい電子アーキテクチャを実装したEPSの生産は、2013年に開始される予定。(2012年4月24日付プレスリリースより)

設備投資額

(単位:百万ドル)
2014年12月期 2013年12月期 2012年12月期
全社 172.5 184.5 172.4

海外投資

<ポーランド>
-2014年6月、ポーランドのTychyに電動パワーステアリングシステム (EPS) の生産工場を開設すると発表。2014年第2四半期に建設を開始し、2015年末から2016年初頭に完成する計画。ポーランドにおいて同社製品の評価が高く、 「Katowice特別経済区」が好立地にあること等を背景に同国2カ所目の拠点を構える。既存拠点のGliwice拠点と合わせた従業員数は約1,150名で、ステアリングシステムの生産量は3百万ユニットになる見通し。

<中国>
-2013年10月、蘇州市に工場およびエンジニアリングセンターを新設。新工場では、2015年からモジュールパワーパックの生産を開始する。エンジニアリングセンターでは現地向けに分析、振動・ハーシュネスを始めとした各種試験・分析、設計等を行なう。

国内投資

-2012年12月、米国ミシガン州のSaginawに位置するグローバル本社に70百万ドルを投じると発表。今回の投資は、大手北米自動車メーカーから12Vのラック式電動パワーステアリングシステムを新たに受注したことに伴うもの。2014年末までに、開発・生産・試験能力の向上に向けて投じられる予定。これにより、新たに325名の雇用を創出するとみられる。(2012年12月14日付プレスリリースより)

-2012年2月、米国ミシガン州Troyに、30,000平方メートル規模のカスタマーサービスセンターを新設すると発表。50名のエンジニアを雇用し、デトロイト近郊の自動車メーカーにEPSのサポートを行なう。開設は2012年4月を計画している。