Beijing Hainachuan Automotive Parts Co., Ltd. [北京海納川汽車部件股份有限公司] 2012年12月期の動向

ハイライト

事業概要

-同社は北京市を本拠とするが、近年新たに中国南部での事業拡大を目指し、湖南省株洲市で新生産拠点の建設を開始した。近年は北京汽車グループ以外の国内自動車メーカーへの部品供給も増加している。
-また、部品のモジュール化事業にも注力している。
‐2011年12月期の同社売上高は、前年比94.76%増の156億元。

受注

-北京北歯有限公司 (Beijing Gear Works) は、米トラクターメーカーJohn Deere向けにスパイラルベベルギア新製品2種の供給を開始する。同社は既存の自動車部品市場でのシェアを維持すると同時に国際農機市場の開拓にも力を入れている。(2012年8月31日付けプレスリリースより)

-北京北歯有限公司 (Beijing Gear Works) は、同社が知的財産権を持つ軽型トランスミッション10,500台をロシアより受注した。このトランスミッションは同社がロシアの気候条件などを考慮し独自に開発したもので、オフロードなどの軽型車に適している。すでに累計3万台近くを輸出しており、ロシア側から好評を博している。(2012年8月10日付け各種リリースより)

-北京海納川汽車部件股份有限公司と江南模塑科技股份有限公司の合弁子会社「北京北汽模塑科技有限公司(Beijing Beiqi Mould & Plastic Technology Co., Ltd.)」は北京現代 (Beijing Hyundai) よりHS向けのバンパー、バッテリートレー、ドアシルなど20種の部品供給資格を得た。北京現代には以前からRC、MCC向け部品を供給しているが、今回は1級サプライヤーとして北京現代から高い評価を得た結果であり、今後の売上拡大が期待される。(2012年4月5日付けプレスリリースより)

-北京海納川汽車部件股份有限公司と江南模塑科技股份有限公司の合弁子会社「北京北汽模塑科技有限公司(Beijing Beiqi Mould & Plastic Technology Co., Ltd.)」は北京ベンツより204バンパーモジュールのシークエンス納入業務を受注した。サービスを提供する期間は2012年4月から8月までの間とし、その後はさらに全面的な提携に拡大する予定である。(2012年4月15日付けプレスリリースより)

合弁会社

-北京海納川汽車部件股份有限公司は2012年8月28日、北京光華栄昌汽車部件 (集団) 有限公司 (Beijing Goldrare Automobile Parts Co., Ltd.) と折半出資による合弁会社設立の契約書を結んだ。登録資本金は26百万元。建設場所は湖南省株洲市。海納川の株洲生産拠点の工場を利用して北京汽車の自主ブランド車向けに自動車シートを生産する。年産能力は15万セット。市場の状況により更に設備投資を行い生産能力を30万セットに拡大すると同時にシートフレームの生産も行う計画。(2012年8月29日付けプレスリリースより)

-Hellaと北京汽車 (BAIC) は、合弁に向けた契約を締結したと発表。2012年末までに合弁の実現を目指す。今回の提携では、BAIC傘下の北京海納川汽車部件 (BHAP) が、北京に位置するHellaの全額出資子会社Hella Beifang Automotive Lighting Co. Ltd. (HBL) の株式50%を取得し、合弁会社とすることを目的としている。これまでHBLは、商用車メーカー向けの照明・エレクトロニクス部品の生産に特化してきた。今回の提携により、Hellaの開発・生産能力を利用するとともに、乗用車用照明部品のフルサービスプロバイダーとして事業拡大を目指す計画。(2012年6月1日付プレスリリースより)

 

地域の拡大

北京工場

-北京海納川汽車部件股份有限公司と江南模塑科技股份有限公司の合弁子会社「北京北汽模塑科技有限公司 (Beijing Beiqi Mould & Plastic Technology Co., Ltd.)」は2012年9月12日、北京市大興区 (Daxing District) で新工場の稼働開始を祝う式典を行った。新工場は環境保護に配慮した水性吹付け塗装設備など最新の設備を備えている。(2012年11月7日付けプレスリリースより)

北京Benzの部品工業団地の建設

-北京海納川汽車部件股份有限公司 (海納川) は北京亦庄開発区 (Beijing Yizhuang Development Zone) に北京ベンツ向け自動車部品の生産拠点を建設する。2012年1月に同開発区と契約調印式を行った。北京ベンツは2015年までに 生産台数を40万台超とする計画で、その実現のために北京ベンツと北京海納川が共同で北京ベンツ亦庄工場の向かいに「北京ベンツ自動車部品産業パーク (BBAC Supplier Industrial Park)」を建設し、部品の現地化を促進する。部品メーカーの研究開発と輸送コストの大幅な削減が可能となる。北京江森汽車部件有限公司 (Beijing Johnson Controls Automotive Components Co., Ltd.)、北京李尓汽車電子電器有限公司 (Beijing Lear Automotive E&E Parts Co., Ltd.)、北京北汽模塑科技股分有限公司 (Beijing Beiqi Mould & Plastic Technology Co., Ltd.) など海納川の子会社各社がこの産業パークに入居することになっているほか、4、5社の部品メーカーが 海納川との提携の意向を示している。(2012年2月20日付けプレスリリースより)

 

北京汽車以外のメーカーとの提携

包頭北奔重型汽車

-同社傘下の延鋒偉世通や北京李爾 (Beijing Lear Automotive E&E Parts Co., Ltd.)、北汽興華 (Beijing Beiqi Xinghua Auto Springs Co., Ltd.)、海納川協衆 (Beijing Hainachuan Xiezhong Air-conditioning Co., Ltd.)などは北奔重汽 (Baotou North-Benz Heavy-Duty Truck Co., Ltd.)の部品メーカーとなった。そのうち、延鋒偉世通は北奔重汽に戦略的部品メーカーと指定された。同社は江淮汽車 (JAC Automobile)、FAW GM、Geely Volvo、長安汽車 (Changan Automobile) などの自動車メーカーと商談を行っており、製品は既に販売価格の決定や同期開発の段階に入ったとしている。(2012年1月30日付同社のリリース)

開発動向

開発成果

-同社は自動車メーカーと協力体制を敷き、ダッシュボードやリーフスプリング、トランスミッションシャフト、ステアリングシステム、コン トロールシステム、CD、ブレーキ、ワイヤーハーネス、シート、サンルーフ、エアコンなどの同時開発を進める。また、「部品+モジュール」の開発・納入方法でも、北汽股份 (SAIC Motor) や北汽新能源汽車 (Beiqi New Energy Co.,Ltd.) などと合意をしている。(2012年1月30日同社のリリース)

-2011年5月から2011年7月までに同社が研究・開発したモジュール化製品は北汽C70モデルに搭載された。初の試作車がラインオフした。

-同社はこれまで、北汽の自主ブランドモデルの開発とあわせて、7つの主要モジュールの開発を行ってきた。北京汽車が開発した自動車生産ラインと部品生産ラインをシームレスに統合。現在、同社はモジュール化製品に関してその他の自動車メーカーとの共同研究・開発の可能性を検討し ている。モジュール化された製品を主力事業にする計画。

-同社は北汽の自主乗用車ブランド、C70モデルの研究・開発チャンスを活用し、自動車フロント・リアサスペンションモジュールやコックピットモジュール、バンパーモジュール、タイヤモジュール、排気モジュール、フロントエンド冷却モジュールなどの製品に注力し、モジュール化の開発を開始する。同社傘下の北京亞太 (Beijing Asia-Pacific Chassis) や延鋒偉世通 (北京)、天納克 (北京)、北汽模塑、同社の北京子会社などもモジュールプロジェクトに参加。

設備投資

ホイールハブ生産工場の建設

-北京汽車集団は2012年12月18日、山東省泰安市泰山区で泰安啓程車輪製造有限公司 (Taian Qicheng Wheel Manufacturing Co., Ltd.) とホイールハブ生産拠点建設の契約書に調印した。