(株) ヨロズ 2018年3月期の動向

業績

(単位:百万円)
2018年
3月期
2017年
3月期
増減率
(%)
要因
売上高 171,536 167,723 2.3 -日本における新車効果による部品売上の増加や金型・設備売上の増加および中国での生産の増加が米国やメキシコ、タイやインドネシアでの生産の減少を上回ったため増収。
営業利益 6,029 6,327 (4.7) -米国テネシー拠点では収益改善が進んだものの、アラバマ新拠点での立ち上げ費用の発生やメキシコでの償却負担増加、ブラジル、インドネシアでの収益悪化などにより減益。
経常利益 5,648 6,265 (9.9)
親会社株主に帰属する当期純利益 2,717 3,980 (31.7) -米国における法人税率の引き下げ決定に伴う税効果の影響により減益。



新中期経営計画 「Yorozu Spiral-up Plan 2020」

-中期経営計画「Yorozu Spiral-up Plan 2017」の結果を踏まえ、第2期目(2019年3月期~2021年3月期)となる中期経営計画を2018年5月に策定・公表した。
-連結売上1,800億円、連結営業利益率5%を目標とする。

<主な取り組み>
1) 収益力の強化

  • 米国アラバマ州に設立したヨロズオートモーティブアラバマ(YAA)やメキシコでの設備投資の回収と、投資採算性評価の強化と管理を通じたキャッシュフロー経営を進める
  • 機能軸・事業軸管理にプロジェクト収益管理を加えた経営管理の強化を行う
  • YAAに導入した組立無人化ラインや周辺設備である無人搬送車などの「ものづくりの革新技術」を他の生産拠点にも拡大する
  • ものづくり機能であるヨロズグローバルテクニカルセンター(YGTC)と生産設備、金型の生産会社であるヨロズエンジニアリング(YE)による開発初期段階からのサイマル活動の強化により、新車の生産コストと設備投資の低減を推進

2) 製品力・開発力の向上

  • 軽量化のため超ハイテン鋼板の利用技術開発や樹脂材料・炭素繊維強化プラスチックおよびアルミとの複合構造の開発を推進する
  • 日本のヨロズエンジニアリングやヨロズエンジニアリングシステムズタイランドを拡張・能力増強し、グループとして競争力を強化する
  • 顧客のニーズに基づき開発された製品を、顧客・製品・地域の3つの軸の観点から積極的に拡販する

3) 企業力の充実

  • 人財育成・組織の見直し・ESG経営の三点を重点方策とする

受注

-2018年3月期の主な受注案件

納入先 納入地域 納入モデル 納入部品
日産 日本 「Leaf」 リアアクスルビーム
メキシコ 「QX50」 フロントメンバー、リアメンバー、リアサスペンションリンク
中国 「Navara」 フロントアッパースリンク、フロントロアーリンク
ルノー ブラジル 「Kwid」 フロントメンバー、リアアクスルビーム、トランスバースリンク
「Duster」 リアアクスルビーム
ホンダ 日本 「N-BOX」 リアアクスルビーム、フロントアーム
米国 「Odessey」 リアサブフレーム、アーム

受賞

-2018年3月期上期の主な受賞案件

表彰企業 受賞拠点 受賞名
トヨタ自動車東日本 ヨロズ本社 品質感謝状
北米日産 YMEX リージョナル品質賞
東風日産 G-YBM リージョナル品質賞
日産車体 ヨロズ本社 開発貢献賞
ホンダブラジル YAB 新車開発優秀賞
いすゞ ヨロズ本社 品質達成賞


>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

研究開発費

(単位:百万円)
2018年3月期 2017年3月期 2016年3月期
全社 9,435 8,677 6,163



研究開発拠点

-中期経営計画における、製品力・開発力の更なる強化に向けて、開発中枢である「YOROZUグローバルテクニカルセンター (YGTC) 」(栃木県小山市) にて、新製品開発活動を推進。

製品開発

軽量サスペンションの開発
-ホンダN-BOXのリアサスペンションで、材料を440MPaから590Mpaへ変更し板厚をダウンさせるとともにプラズマテーラード工法により軽量化を実現。

軽量サスペンションリンクの開発
-ルノー向けサスペンションリンクにおいて、3部品を溶接していた現行品を溶接なしの1部品化することにより従来の1.65kgを1.4kgに軽量化。開発は完了し量産を準備中。

技術援助契約

(2018年3月31日現在)
相手方の名称 国籍 契約品目 期間
Auto Chassis International S.N.C. (ACI) フランス サスペンション部品 2005年5月1日 -
対象となる乗用車の生産終了まで
DK Austech Co., Ltd 韓国 サスペンション部品 2012年12月1日 -
対象となる部品の生産終了まで
JBM Auto Limited (JBM) インド サスペンション部品 2012年9月1日 -
7年間
JBM Auto Limited (JBM) インド サスペンション部品 2013年7月22日 -
7年間
JBM Auto Limited (JBM) インド サスペンション部品 2014年4月2日 -
7年間
Jay Bharat Maruti Ltd. (JBML) インド サスペンション部品 2015年9月1日 -
7年間
DK Austech Co., Ltd 韓国 サスペンション部品 2016年1月1日 -
対象となる部品の生産終了まで
JBM Auto Limited (JBM) インド サスペンション部品 2016年4月1日 -
7年間



設備投資額

(単位:百万円)
2018年3月期 2017年3月期 2016年3月期
全社 20,013 24,643 15,500


2017年3月期の主な設備投資

  • 日本: 新車展開やYEの拡張、ツーリング設備増強などで4,939百万円
  • 米州: 新車展開及びYAA新拠点投資やYMEXの増強投資などで8,138百万円
  • アジア: 新車展開及びW-YBMの増強投資などで6,936百万円


-2019年3月期の設備投資額は、20,100百万円を予定。

海外投資

-110百万ドルを投じて米アラバマ州Jasperに工場を開設したと発表した。新工場ではホンダ、トヨタ、日産向けにプレス金属サスペンション部品を製造する。2020年のフル稼働時に従業員は300名に達する見込み。また、Jasper市ではHuntsvilleのマツダとトヨタの合弁工場近くにサプライヤーの生産工場を新設する準備を進めている。(2018328日付 Alabama Department of Commerceプレスリリースより)

-米国生産拠点に自動化ラインを8月にも本格導入する。AGV(無人搬送車)やロボットなどを、構内の部品供給や塗装工程に導入して省人化を推進、生産の効率化を図る。米国は人件費が上昇しており、米国経済が順調なこともあって労働者の確保も困難になっている。自動化設備を積極的に導入して将来的には米国生産拠点の全工程の半分程度を自動化にする予定だ。米国生産子会社のヨロズオートモーティブアラバマ(YAA)は当初計画を1年以上前倒し、2017年からプレス生産を開始した。今後、最新の自動化設備を積極的に導入していく。(2018年2月9日付日刊自動車新聞より)

設備の新設計画

(2018年3月31日現在)
事業所名 設備の内容 投資予定額
(百万円)
着手 完了予定
貸与 (ヨロズ栃木) 新車展開用設備 188 2018年2月 2018年11月
貸与 (ヨロズ大分) 新車展開用設備 822 2016年8月 2019年1月
貸与 (庄内ヨロズ、ヨロズエンジニアリング) 新車展開用設備 145 2018年5月 2020年1月
ヨロズ大分 工場建屋 1,370 2017年6月 2018年9月
プレス他生産設備 1,596 2017年6月 2018年9月
Yorozu Automotive Tennessee, Inc. 新車展開用設備 1,117 2018年5月 2018年9月
Yorozu Automotive Alabama, Inc. 新車展開用設備 2,553 2017年8月 2018年8月
Yorozu Mexicana S.A. de C.V. 既存生産設備増強 174 2018年12月 2020年2月
新車展開用設備 949 2018年9月 2019年4月
Yorozu Automotive do Brasil Ltda. 新車展開用設備 568 2017年9月 2018年8月
Yorozu (Thailand) Co.,Ltd. 新車展開用設備 282 2018年1月 2018年12月
広州萬宝井汽車部件有限公司
[Yorozu Bao Mit Automotive Co.,Ltd.]
新車展開用設備 2,229 2017年5月 2018年12月
武漢萬宝井汽車部件有限公司
[Wuhan Yorozu Bao Mit Automotive Co., Ltd.]
塗装設備 278 2016年3月 2018年10月
新車展開用設備 4,242 2016年12月 2018年12月
Yorozu JBM Automotive Tamil Nadu Private Ltd. 新車展開用設備 244 2018年4月 2019年1月