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5. (株) ヨロズ 2015年3月期の動向

要因
1) 売上高
<日本>
-2015年3月期の売上高は前年比2.8%増加の52,988百万円。主要取引先の日産の「X-Trail」の増産、ホンダの「Fit」、「Vezel」の販売好調が寄与。

<米州>
-2015年3月期の売上高は前年比23.7%増加の64,581百万円。米国およびメキシコでの生産増加、円高是正による増収効果が寄与。

<アジア>
-2015年3月期の売上高は前年比0.1%増加の48,722百万円。タイでは販売台数が減少する一方、中国での生産増加、円高是正による増収効果が寄与。

新中期経営計画 「Yorozu Spiral-up Plan 2017」

-2015年3月、新中期経営計画 「Yorozu Spiral-up Plan 2017」 (計画年度：2015～2017年度) を策定。10年後の2024年度のあるべき姿として、サスペンションを一体システムとして性能開発から量産まで行う「サスペンションシステムメーカー」へと成長する。連結売上高を3,000億円と倍増させ、営業利益率を7%以上に引き上げる。その実現に向けた通過点として2017年度の業績目標を以下のように設定。

-新中期経営計画 「Yorozu Spiral-up Plan 2017」 の達成に向けた事業領域の3本柱
1) 製品力・開発力の更なる強化

• サスペンションシステム開発技術の構築：フロントサスペンション、リアサスペンションなどのモジュール開発力の構築
• 超軽量・高剛性・低価格ニーズへの対応：新素材・新構造・新工法の開発
• 開発シミュレーション技術の向上：バーチャル開発の推進
• YPW （ヨロズ生産方式）の革新：ダントツ品質と革新的原価低減

2) 世界の主要自動車メーカーへの販路拡大

• 日系OEMからの更なる受注拡大
• 欧米OEMへの販路拡大と新興国地場メーカーへのアプローチ：欧州事務所の設立
• グローバル供給体制の更なる強化：アライアンスを含めた供給拠点の検討、中国第3生産拠点の検討、米国第2生産拠点の検討

3) 多様性を尊重したグローバルマネジメントの強化

• ダイバーシティを尊重した採用と登用：将来の業容を見据えた人財確保と登用
• グローバル規模での人財交流と育成：キャリアプランに基づく教育計画の充実
• 機能別マトリックス組織の更なる強化：3Dマトリックス組織によるグローバルコミュニケーションの強化

欧州事務所

-欧州自動車メーカーからの受注拡大を目指し、2015年度から3年間の中期経営計画期間中に欧州事務所を開設する。中計では17年度の売上高を14年度の見通しの2割増に当たる1800億円に設定した。日系メーカーに加え、主要な欧州メーカーへの拡販により目標の達成につなげる。(2015年3月16日付日刊自動車新聞より)

新工場

<米国>
-米国に新工場を建設する。南部の州を候補として用地を選定し、2017年度の生産開始を目指す。米国では主要取引先の日産自動車が現地生産を拡大していく方針を示しており、テネシー州の既存工場の生産能力が不足する。他の日系自動車メーカーや欧州メーカーの工場もある南部地域に、プレスから組立までの一貫工場を新たに建設することにより、景気回復によって市場が拡大する米国での、新たなビジネスも取り込む。(2015年1月5日付日刊自動車新聞より)

受注

-2015年3月期の主な新規受注

受賞

-2014年の主な受賞案件

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

研究開発拠点

-栃木県小山市に開発・技術センター「ヨロズグローバルテクニカルセンター (YGTC) 」を稼働させ、取引先や報道関係者に公開。同センターの開設により技術開発体制を拡充し、開発から生産までの一貫体制による競争力強化への取り組みを一段と推進する。新テクニカルセンターは生産子会社、ヨロズ栃木の敷地内に11億円を投じて建設した。(2014年7月5日付日刊自動車新聞より)

検査治具

-3Dプリンターで検査治具の製作を始めた。これまでは金属の部品を組み合わせて作っていたが、3Dプリンターを使うことにより製作時間を84％短縮し、サイズもコンパクト化できた。材料を樹脂化したことで重量も95％軽減した。まずは新規の部品に導入し、その後、量産中の部品への適用も検討する。現状では熱を持った部品には使えないが、改良を施して溶接後の部品にも適用していきたいという。(2014年7月4日付日刊自動車新聞より)

製品開発

高剛性パイプビーム
-次世代自動車の車両性能向上に貢献する新構造・新工法のリアビームを開発中。鋼管をプレス成型し、熱処理により強化、引っ張り強さを440MPaから1,470MPaと約3倍に。

サスペンションメンバーの軽量化開発
-サスペンションメンバーの材料にハイテン材を採用することで20%以上の軽量化を図る。

開発シュミレーション技術の向上
-最新の解析システムを開発に取り込むことで開発精度の向上と開発期間の更なる短縮を図る。

2015年3月期の主な設備投資

• 日本： 新車展開、ヨロズテクニカルセンター (YGTC) の建設関連費用として1,808百万円
• 米州： 米国 (YAT) ・メキシコ (YMEX) での新車展開、メキシコ第2拠点 (YAGM)、ブラジル新拠点 (YAB) の建設で9,265百万円
• アジア： 新車展開およびタイ (YEST)・中国 (W-YBM) の増強投資で6,760百万円

海外投資

-中国、メキシコの工場に、加圧能力が3千トンの大型プレス機を導入する。2016、17年度に中国に2基、メキシコに1基を設置する。軽量で高強度の超高張力鋼板 (超ハイテン材) の採用がサスペンション部品でも広がることに対応し、プレス能力の増強ととともに、超ハイテン材を成形できる設備を海外拠点に広げる。3千トンプレス機は海外では米国で稼働しているが、中国とメキシコへの導入と同時に、米国にも最新機を増設する。(2015年3月27日付日刊自動車新聞より)

-新株発行や自己株式の処分などにより、最大79億8200万円を調達すると発表。公募増資により300万株の新株を発行し、自己株式処分により100万株の売り出しを行う。調達した資金は、米国、メキシコ、ブラジル、タイ、中国にある海外子会社の設備投資資金に充当する計画。(2014年8月18日付プレスリリースより)