(株) パイオラックス 2011年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2011年
3月期
2010年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 44,852 38,232 17.3 -
営業利益 4,893 2,536 92.9 -
経常利益 5,628 3,260 72.6 -
当期純利益 3,544 1,980 78.9 -
自動車関連事業
売上高 42,351 35,386 19.6 -アジアを中心とした新興国需要の増加に対して積極的なグローバル拡販を推進したため。
営業利益 5,325 2,734 94.7 -

会社設立

-メキシコに子会社を設立すると発表した。これまで米国法人が運営していたメキシコ工場を現地法人として独立させる。取引先である日系自動車メーカーがメキシコで生産体制を拡充していることなどから、現地の事業体制を強化するのが狙い。今年10月に新会社である「パイオラックス・メキシカーナ」をメキシコ・ヌエボレオン州アポダカ市に設立する。資本金は4千万ペソで、パイオラックス本体が60%、米国法人のパイオラックスコーポレーションが40%を出資する。売上高は2011年度に約1千万ドルを見込む。(2010年4月28日付日刊自動車新聞より)

-2011年4月までに上海 と天津に営業拠点を新設する。同社は現在中国南部に工場と営業拠点を展開。今年から奇瑞汽車と長城汽車の現地メーカー2社との取引を開始した。こうした状 況を受けて新たに営業拠点を立ち上げることにより、北部、中部の完成車メーカーとの取引拡大を狙う。中国市場での事業を積極的に推進していくことで14年 に売上高を現状の2倍強にあたる50億円まで引き上げていく。上海には今月、11年4月に天津に営業拠点を設置する。 (2010年12月15日付日刊自動車新聞より)

受注

-電気自動車のバッテリーのターミナル部品やインバーターに使用する「リアクタンスコイル」やモーターに使用する「バスリング」と呼ばれる部品を開発し、日産自動車が今年末から発売する「リーフ」向けに採用された(2010年6月23日付日刊自動車新聞より)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2011年3月期 2010年3月期 2009年3月期
全社 588
642 515
自動車関連 353
347 396

研究開発体制

-設計部、各SBUの開発グループ、および子会社の(株)パイオラックスメディカルデバイスの開発部門により推進。

研究開発拠点

横浜テクニカルセンター 神奈川県横浜市

研究開発活動

精密ばね関連
-変速機、エンジン補器等に用いられるコイルばね等の廉価材材料開発。
-応力や拳動等の解析技術を駆使した最適設計により、変速機ユニットの小型・軽量化・低コスト化に寄与する製品の量産化。
-変速機ユニットへの組付け作業を容易にした複合ばねの開発拡大。
-客先組立工場との連携を密に取り、客先組立工場の意見と当社製品の最適形状を盛り込んだ商品の開発。
-国内カーメーカー等との開発拡大と共に、新興国のカーメーカーとの新たな開発・量産化の拡大。

工業用ファスナー関連
-原価低減、作業性改善、品質向上等の課題を解決する為、薄板から厚板まで使用出来る製品、取付け力の低減等による車体への組付作業を容易にした製品、高強度な締結機能を有する製品、廃車後の車体解体作業の作業性向上を考慮した製品などの開発。
-環境問題へ対応した燃費改善のための軽量化取り組み。
-利便性を向上させた内装部品のネットフック等の開発。

小型ユニット関連
-グローブボックスにおいては、ロックハンドルの機構部の樹脂化、サイドロックの開発、ソフトオープンさせるためのダンパーの開発。

燃料系関連
-樹脂タンク用バルブとしてロールオーバーバルブ、インレットチェックバルブを中心として性能向上、コスト低減を狙った開発。
-金属タンク用バルブとしては、コスト低減を狙った標準部品や複合機能部品の開発。
-燃料供給ユニット関係の部品は、2輪車が燃料噴射装置の搭載を増加させているための需要拡大に伴い、採用が増加。
-環境問題に対しては、代替燃料に対応した製品、ハイブリッドに対応した製品を拡大。

その他
-EV(電気自動車)やHEV(ハイブリッド車)向け部品について、銅材料や難燃性樹脂材料を用いてバッテリーやモータ関連の構成部品が採用された。
-環境問題に対して、欧州廃車指令、欧州ROHS(ロース)規制の管理を継続するとともに、日本自動車工業会の環境負荷物質に関する自主規制(車室内VOCの規制等)に対応した活動を推進。欧州REACH規則に対応する取り組みでは、欧州拠点との連携を図って進めている。

技術導入契約

(2011年3月31日現在)

相手先 契約品目 契約内容 契約期間
Norma Germany GmbH
(ドイツ)
自動車用燃料給油関連部品 特許実施許諾 1995年9月18日から2000年8月17日まで
以後1年毎の契約更新
Norma Germany GmbH
(ドイツ)
樹脂製燃料タンク関連部品 特許実施許諾 上記本契約に追加
Norma Germany GmbH
(ドイツ)
樹脂製燃料タンク関連部品 特許実施許諾 2001年12月13日から2006年12月12日まで
以後1年毎の契約更新

技術供与

(2011年3月31日現在)

相手先 契約品目 契約内容 契約期間
三加産業股份有限公司
[Piolax of Taiwan Inc.(Taiwan)]
(台湾)
金属・樹脂ファスナー 製造技術
援助契約
1987年10月6日
から1992年10月5日まで
以後10年毎の契約更新
台湾厚木工業股份有限公司
[Taiwan Houmu Industrial Co., Ltd. (Taiwan)]
(台湾)
プレッシャースプリング、
トーションスプリング、
バルブスプリング
製造技術
援助契約
1978年11月1日
から1983年10月31日まで
以後5年毎の契約更新
Piolax Corp.
(米国)
自動車、電子工業などに使う
各種プラスチック精密クリップ、
各種精密スプリング、
関連組み立て部品等
ライセンス技術、
エンジニアリング、
及びマーケティング・
サービス契約
1993年4月1日から無期限
Piolax Ltd.
(英国)
自動車、電子工業などに使う
各種プラスチック精密クリップ、
各種精密スプリング、
関連組み立て部品等
ライセンス技術、
エンジニアリング、
及びマーケティング・
サービス契約
1995年8月8日から無期限
Piolax Co., Ltd.
(韓国)
自動車、電子工業などに使う
各種プラスチック精密クリップ、
各種精密スプリング、
関連組み立て部品等
ライセンス技術、
エンジニアリング、
及びマーケティング・
サービス契約
1996年6月20日
から2006年6月19日まで
以後1年毎の契約更新
Piolax (Thailand) Ltd.
(タイ)
自動車、電子工業などに使う
各種プラスチック精密クリップ、
各種精密スプリング、
関連組み立て部品等
ライセンス技術、
エンジニアリング、
及びマーケティング・
サービス契約
2000年8月10日から無期限
東莞百楽仕汽車精密配件有限公司
[Dongguan Piolax Co., Ltd. (China)]
(中国)
自動車、電子工業などに使う
各種プラスチック精密クリップ、
各種精密スプリング、
関連組み立て部品等
ライセンス技術、
エンジニアリング、
及びマーケティング・
サービス契約
2004年7月1日
から2014年6月30日まで
以後1年毎の契約更新

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2011年3月期 2010年3月期 2009年3月期
自動車関連 3,048
2,365 2,876

-国内関係で1,632百万円、海外関係で1,437百万円。

海外投資

<中国>
 -金属部品の受注量が増加していることを受け、中国・広東省にある第2工場の増床に着手する。さらに、上海、天津の2カ所にデポ(製品倉庫)を設置して、取引関係がある完成車メーカーに対する供給力の強化を図る。同社は、2012 年度に海外での売り上げ構成比を全体の30%まで引き上げていきたい考え。市場が急速に拡大する中国の体制を拡充していくことで、目標の達成に結びつける。 (2010年7月8日付日刊自動車新聞より)

<インド>
-インドでの現地生産を2011年度から開始する方針を固めた。これとともに、現在日本から供給している欧州市場向け製品を13年度以降に生産移管する。生産拠点は、現在販売会社のあるチェンナイ近郊に建設を計画している。年内に建設予定地を確定させ、11年 12月からの生産開始を目指す。現地生産拠点立ち上げに関する初期投資額は約1億円を見込む。手始めに日産自動車とホンダのインド拠点への供給を行い、その後欧州向け製品の供給拠点として成長させていく計画。こうした取り組みを推進していくことにより、インドをアジアにおける事業拠点の新たな柱として着実な事業展開を進めていく考えだ。(2010年6月14日付日刊自動車新聞より)

設備の新設(自動車関連)

(2011年3月31日現在)

会社名
事業所名
設備の内容 予定金額
総額
(百万円)
着手 完成予定 完成後の増加能力
同社 生産設備、金型他 1,682 2011年
4月
2012年
3月
更新・合理化が主で増加能力は軽微。
国内子会社 生産設備、金型他 420 2011年
4月
2012年
3月
更新・合理化が主で増加能力は軽微。
海外子会社 生産設備、金型他 2,394 2011年
1月
2011年
12月
多種目の生産であるため増加能力は不明。