日本プラスト (株) 2015年3月期の動向

ハイライト

業績

 (単位:百万円)
  2015年
3月期
2014年
3月期
増減率
(%)
要因
売上高 123,325 116,756 5.6 -国内得意先の減産はあったものの、北米得意先の増産影響および為替換算による売上高の増加影響などにより、増収。
営業利益 2,915 1,480 97.0 -増収の影響に加え、合理化効果、有形固定資産の減価償却方法の変更および第2四半期連結会計期間から新連結会計システムの導入により、同社と連結子会社との間におけるロイヤリティの授受に係る期間が一時的に増加したことにより、増益。
経常利益 3,156 1,632 93.4
当期純利益 2,388 1,052 127.0
製品別売上高
-ハンドル (ステアリングホイール) 23,007 20,930 9.9 -
-エアバッグ 46,051 48,842 (5.7) -
-樹脂製品 54,230 46,943 15.5 -
-その他 35 41 (14.6) -

コストの見直し

-同社はステアリングホイール、エアバッグ、樹脂部品の全製品で大幅なコストダウンに着手した。社長直轄のプロジェクトチーム「グローバルコストリダクションチーム」 (GCR) で2014年度から3年間かけ、製品のコストを抜本的に見直す。グローバルでの競争激化を背景に、自動車メーカーからの価格引き下げ要求は従来にも増して厳しくなっている。生産面での改善を中心としたこれまでの手法に加え、仕様の見直しにも踏み込み、自動車メーカーに提案する。 (2014年8月21日付日刊自動車新聞より)

拡販活動

ハンドル (ステアリングホイール) ・エアバッグ
-2極化に対応した商品の提案を行っている。

  • 北米を中心とした安全法規強化に対応した高性能要求
  • 新興国需要獲得のための低価格要求

樹脂製品
-軽量化、リサイクル化をテーマにした薄肉商品、金属・ガラスからの樹脂代替商品の提案を行っている。

2016年3月期の見通し

(単位:百万円)
  2016年3月期
(予測)
2015年3月期
(実績)
増減
(%)
売上高 129,000 123,325 4.6
営業利益 3,100 2,915 6.3
経常利益 2,700 3,156 (14.4)
当期純利益 1,700 2,388 (28.8)
製品別売上高
-ハンドル (ステアリングホイール) 23,430 23,007 1.8
-エアバッグ 43,809 46,051 (4.9)
-樹脂製品 61,740 54,230 13.8
-その他 21 35 (4.0)

-国内は減産となるも、北米および中国で増産となり、増収となる予定。
-安全部品は減収となるものの、樹脂製品は増収となる予定。

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

研究開発費

 (単位:百万円)
2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
安全部品部門 1,232 1,168 855
樹脂部品部門 646 525 468
合計 1,879 1,694 1,324

研究開発体制

-日本ではテクニカルセンター (静岡県) の先行開発部、安全開発部、内外装開発部、実験部、新機種技術部が、北米ではNeaton Auto Products Manufacturing Inc.の開発センターが主体。2013年からは中国の開発拠点を加え、グローバルで研究開発を行っている。

研究開発活動

安全部品部門
<ハンドル (ステアリングホイール) 製品>
-軽量化を軸にヒーターグリップや制振機構による機能性と操作性の向上、新規加飾工法による高品位製品の開発を推進している。
-エアバッグとのセット開発による安全性能の向上に従事。

<助手席・側面衝突対応エアバッグモジュール製品>
-新たな安全法規制に対応する乗員保護性能を実現している。
-環境に配慮した有機溶剤の低減を推進。

ウレタンリサイクル技術
-帯広畜産大学と共同開発したウレタンリサイクル技術の量産用での利用を、2015年度にも自動車メーカーに提案する。主力製品であるハンドル用の材料としての再利用を目指し、早期に自動車メーカーの承認を得たい考えだ。同技術は微生物を使ってウレタン廃棄物をリサイクルしやすい状態にする技術で、ハンドル材料としての再利用のほか、その特性を生かした様々な用途での利用を見込んでいる。材料費の削減につなげるほか、吸音材などの製品化も視野に入れている。 (2015年3月17日付日刊自動車新聞より)

樹脂部品部門
<外装樹脂製品>
-超薄肉射出成形技術や合わせ品質向上技術 (ガラスとのリップ一体嵌合構造) を用いたフェンダープロテクター、カウルトップカバーを開発した。
-中空成形技術によるホイールレゾネーターの製品化を実現。走行時のロードノイズ低減に寄与する。

<内装樹脂製品>
-薄型・多機能ベンチレーターの開発を実施。
-コンソール、グローブボックス等の利便性の向上を実現。
-各部パネルへの多彩な加飾技術を、工法開発との連携により、製品化まで推進。

設備投資額

 (単位:百万円)
2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
日本 2,507 1,817 1,861
北米 2,197 2,521 2,181
中国 2,198 2,088 1,003
東南アジア 955 253 312
合計 7,859 6,681 5,358


-2015年3月期は、主にモデルチェンジに対応した設備に投資。
-2016年3月期の設備投資額は7,534百万円を計画。

設備の新設計画

 (2015年3月31日現在)
事業所名 所在地 設備内容 投資予定額
(百万円)
着手
年月
完了予定
年月
富士工場 静岡県
富士宮市
安全部品および樹脂部品の生産設備 433 2015年4月 2016年3月
伊勢崎工場 群馬県
伊勢崎市
安全部品および樹脂部品の生産設備 1,571 2015年4月 2016年3月
九州工場 福岡県
築上郡
安全部品および樹脂部品の生産設備 142 2015年4月 2016年3月
テクニカルセンター 静岡県
富士宮市
安全部品および樹脂部品の試験研究用設備 407 2015年4月 2016年3月
Neaton Auto Products Manufacturing Inc. 米国
オハイオ州
安全部品および樹脂部品の生産設備 995 2016年1月 2016年12月
武漢富拉司特汽車零部件有限公司
[Nihon Plast (Wuhan) Co., Ltd.]
中国
湖北省
安全部品および樹脂部品の生産設備 957 2016年1月 2016年12月
中山富拉司特工業有限公司
[Nihon Plast (Zhongshan) Co.,Ltd.]
中国
広東省
安全部品および樹脂部品の生産設備 889 2016年1月 2016年12月