日鍛バルブ株式会社 2006年度の動向
ハイライト
業績 | ( 単位:百万円 ) |
2007年3月期 | 2006年3月期 | 増減率 (%) | 要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 34,656 | 31,972 | 8.4% | 下記1)参照 |
営業利益 | 3,879 | 4,151 | (6.6%) | |
経常利益 | 4,335 | 4,374 | (0.9%) | |
純利益 | 2,273 | 2,076 | 9.5% | |
自動車用部品 | ||||
売上高 | 28,057 | 25,362 | 10.6% | 下記2)参照 |
営業利益 | 3,278 | 3,503 | (6.4%) |
要因
1)
同社グループの推進する継続的な設備効率改善活動、原価低減活動、拡販活動等諸施策の成果に加え、市場の需要の増加、為替の変動による本邦換算額の増加などが寄与し、売上高は増収を達成。
利益面に関しては、材料価格の高騰や工場施設の再整備を主とした減価償却費の増加等により営業利益が減益となったものの、営業外収益の増加などにより、当期純利益については増益となった。
2)
一部の製品では搭載車の販売不振などにより軟調となったが、全般的には海外市場を主とする需要の増加、アジア経済の景気拡大にともなう海外生産拠点の好調、拡販活動の成果などにより、前年度に引き続き堅調に推移し、売上高については増収。
製品別の業績
・四輪車用エンジンバルブは、一部の製品では受注機種搭載車の縮小にともなう減少があったが、海外向け新型車種製品の受注増加やディーゼル車用製品の堅調な受注、また、ガスエンジン用バルブが好調に推移したことなどにより増収。
・二輪車用エンジンバルブは、アジアの生産拠点における受注の伸長が原油高などにより一部で鈍化したものの、大型二輪車用チタンバルブの立ち上がりや拡販等による新機種の増加により増収。
・自動車用精密鍛造歯車は、搭載製品の機種拡大にともなう受注の増加により増収。
・バルブリフターは、海外生産拠点おける生産・販売は堅調に推移したものの、国内生産拠点においては原油高を主要因とする北米地域における同製品搭載車の販売不振や後継機種へのシフトなどにより受注数量が減少し減収。
・NT-VCPは、新機種の立ち上がりにより大幅な増収。
開発動向
研究開発費 | ( 単位:千円 ) |
- | 2007年3月期 | 2006年3月期 | 2005年3月期 |
全体 | 1,007,336 | 1,004,947 | 966,429 |
自動車用部品 | N.A | 452,674 | 449,955 |
主な研究開発活動
・内燃機関の性能向上に大きな影響を有する動弁系部品の高性能化と軽量化、並びに耐熱合金、新素材の開発も合わせて継続的に取組む
・自動車用駆動部品を主とした、精密鍛造部品の鍛造方法及び鍛造工法改善の開発
・排ガス規制及び燃費改善に対応するNT-VCP(電磁式連続カム位相可変機構)の高性能化、製造方法の改善
新製品
NT-VCP (Nittan New Technology Variable Cam Phaser)
世界で初めて電磁クラッチをヘリカル機構の制御に利用した、電磁式連続カム位相可変機構。
これまでカム位可変機構の主流であった油圧式では望めない広い制御範囲と早いレスポンスを実現。低速回転域から高いトルクを獲得し、スムーズな加減速を体感することができる。
また、格段にクリーンな排出ガスと大幅な燃費向上を達成。さらに、油圧式に比べ専用のポンプなどが不用で、低温からの可変制御が容易になった。
NT-VCPの特長
1. 電磁制御なので、回転数・作動温度などの影響が少ない。
2. 低速回転域でのトルク向上・燃費向上に効果を発揮
3. 広範囲な運転条件下で瞬時に最適なバルブタイミングが得られる。
4. 油圧式に比べ、専用のポンプやポンプの容量アップなどは必要としない。
開発中の製品
ULV (Ultra Light Valve)
エンジンの軽量化ニーズに応えるため、ULV(ウルトラライトバルブ)の開発に取り組んでいる。
従来の製法の発想を転換し、新工法により成型した次世代のエンジンバルブ。
極限の軽量化により動弁系のフリクション及びNVHの低減とバルブ温度の冷却効率を高める。
ライセンス契約・技術援助契約等(2007年3月現在)
相手会社名 | 国名 | 契約内容 | 契約期間 |
EATON社 | 米国 | 小型エンジンバルブに関するライセンス契約 | 1996.9.1~2010.12.31 |
EATON社 | 米国 | 油圧式バルブリフターに関するライセンス契約 | 1996.9.1~2010.12.31 |
EATON EST SPA | イタリア | 一定地域内における自動車用エンジンバルブの販売および生産技術の支援に関する契約 | 1993.10.23から 契約に定める期日まで |
P.T.フェデラルニッタンインダストリーズ | インドネシア | 小型エンジンバルブに関するライセンス契約 | 2005.6.1から 5年間 |
新和精密(株) | 韓国 | 油圧式バルブリフターに関するライセンス契約 | 2005.8.1から 5年間 |
ニッタンタイランドCo. Ltd. | タイ | 小型エンジンバルブに関する技術援助契約 | 2003.1.1から 10年間 |
EATON社 | 米国 | 電磁式連続位相可変機構(NT-VCP)に関するライセンス契約 | 2000.12.18~2007.12.9 |
新和精密(株) | 韓国 | メカニカルタペットに関するライセンス契約 | 2002.12.5から 10年間 |
設備投資
設備投資費 | ( 単位:百万円 ) |
- | 2007年3月期 | 2006年3月期 | 2005年3月期 |
全体 | 3,647 | 4,777 | 2,037 |
自動車用部品事業 | 2,633 | 4,223 | 1,645 |
自動車用部品事業の投資内訳(2007年3月期) |
( 単位:百万円 ) |
会社 | 投資額 | 投資内容 |
日鍛バルブ | 1,912 | エンジンバルブ製造設備の更新・合理化 |
P.T.フェデラルニッタンインダストリーズ (インドネシア) |
342 | エンジンバルブ製造設備の増設等 |
新和精密(株)(韓国) | 316 | バルブリフター製造設備の増設等 |
設備の新設計画(自動車部品事業)
事業所 | 設備の内容 |
投資額 (百万円) |
着手 | 完了予定 |
完成後の 増加能力 |
日鍛バルブ(株) | |||||
本社工場 (神奈川県秦野市) |
エンジンバルブ NT-VCP他 生産設備 |
1,287 | 2007.04 | 2008.03 | 合理化、更新が主な目的であり、生産能力については大きな影響なし。 |
山陽工場 (山口県山陽小野田市) |
エンジンバルブ バルブリフター 生産設備 |
1,019 | 2007.04 | 2008.03 | |
本社工場 (神奈川県秦野市) |
エンジンバルブ 歯車他 生産設備 |
694 | 2007.04 | 2008.03 | |
ニッタンタイランドCo.,Ltd | |||||
本社工場 (タイ) |
エンジンバルブ製造設備 | 286 | 2007.01 | 2007.12 | 合理化、更新が主な目的であり、生産能力については大きな影響なし。 |
新和精密(株) | |||||
本社工場 (韓国大邱市) |
バルブリフター製造設備 | 269 | 2008.01 | 2008.12 | 生産能力 10%増 |