(株) キリウ 2008年3月期-2010年3月期の動向

ハイライト

近年の動向

国内動向

-2009年、ブレーキローターなどの材料である鋳造素材の国内生産を見直す。本社工場(足利市)およびキリウ山形(山形県舟形市)で生産している鋳造素材の一部をキリウ大分(大分県宇佐市)に移管する。キリウ大分の月産量は今夏が1千トン 規模だったが、2009年内には移管によって2倍の2千トンに引き上げる計画。(2009年9月16日付日刊自動車新聞より)

会社設立

-2007年12月、大分県宇佐市にブレーキディスクなどの鋳造部品を製造する新会社「キリウ大分(仮称)」を設立すると発表した。2009年2月から稼働を開始し、生産能力は月産2万5千トンを見込んでいる。日産自動車九州工場向けの製品から納入を開始し、西日本地区の納入先への安定的供給を目指す。新会社は2008年3月に設立予定で同社が全額出資する。生産するのはブレーキディスク、ドラムなどを中心とした自動車用鋳造部品で、鋳造から機械加工までの一貫生産体制をとることにしている。工場の敷地面積は7万7192平方メートルで、従業員数は11年の時点で約100人を見込んでいる。初年度の投資額は約30億円。(2007年12月20日付日刊自動車新聞より)

合弁事業

-2007年12月、同社親会社の住友商事およびインドのHero Motors Limitedと自動車用鋳物部品の合弁生産に関する契約書を締結したと発表した。印ハリアナ州に拠点を設置、ブレーキのディスク、ドラムや足回り用のナックルなどの鋳造、機械加工を行う。日系や欧米メーカーの現地工場に供給し、2015年に55億円の売上高を目指す。合弁会社は「ムンジャル・キリウ」で、キリウと住商の出資比率は合計で33.4%。10年以降に年産200万台以上が見込まれる現地で早期に生産基盤を構築し、優位性に結びつける。スズキ、日産自動車、ルノー、ゼネラル・モーターズといった自動車メーカーや、ボッシュなどのブレーキシステムメーカーへの納入を見込む。(2007年12月14日付日刊自動車新聞より)

開発動向

研究開発活動

-2006年、ディスクブレーキの作動初期に発生するジャダー(異常振動)をゼロに抑えるブレーキローターの量産技術を開発した。新技術は、まず切削機の"剛性"を強化して、研磨工程だけでローター摺動面の厚みの変動量を従来の半分以下となる10ミクロン以下にとどめることを可能にした。その上で独自に開発した研磨手法によって変動量を5ミクロン以下に仕上げる。最新の高精度ハブに組み付ければ面振れ精度を10ミクロン以下にとどめられる。従来、こうした精度を確保するにはローターとハブを組み付けた後にローターを研磨することや「位相合わせ」が必要だった。新技術は、基本となる切削精度の改善でこうした手間を解消し、精度向上と量産化を両立した。(2006年6月30日付日刊自動車新聞より)

設備投資

海外投資

<中国>
-中国合弁拠点の六和桐生機械(KLC、広州市)で四輪車用ブレーキのディスクローター、ドラムを増産する。2500トン級の鋳造設備を一基増設して能力を2倍に引き上げる。また、2009年10月末までには機械加工設備を追加する計画。主要納入先の日産自動車が現地で合弁生産している乗用車の販売が計画 以上に推移しており増産対応が必要になった。さらに地場メーカーおよび欧州メーカー現地工場の新規受注が見込めるため、素材を含み生産体制を増強する。(2009年9月2日付日刊自動車新聞より)