ユニプレス (株) 2015年3月期の動向
業績 |
(単位:百万円) |
2015年 3月期 |
2014年 3月期 |
増減率 (%) |
備考 | |
売上高 | 308,739 | 289,491 | 6.6 | 1) |
営業利益 | 17,796 | 15,435 | 15.3 | 2) |
経常利益 | 18,363 | 17,518 | 4.8 | - |
当期純利益 | 7,207 | 8,208 | (12.2) | - |
要因
1) 売上高
-北米における増産や円安等により売上高は前年比6.6%増加。
2) 営業利益
-UPS (ユニプレス生産システム) 活動を柱とした合理化効果のほか、北米における増産対応費用の削減等により営業利益は前年比15.3%増加。
事業概況
<日本>
-国内における得意先の生産の減少に伴い、売上高は前年比12.0%減の100,981百万円、セグメント利益(営業利益)は同29.1%減の7,092百万円。
<北米>
-得意先の増産に加え、為替効果等により、売上高は前年比40.4%増の104,141百万円、増産対応費用の削減等により、セグメント損益(営業損益)の赤字幅は218百万円に縮小。
<欧州>
-為替効果により、売上高は前年比8.4%増の34,926百万円、セグメント利益は同55.3%増の3,403百万円。
<アジア>
-為替効果等により、売上高は前年比0.6%増の68,690百万円となったが、タイ等の地域における経済成長の鈍化や得意先の生産減少等により、セグメント利益は同13.8%減の7,308百万円。
資本業務提携
-新日鐵住金との資本業務提携を発表。これにより、新日鐵住金はユニプレスが保有する自己株式5.57% (265万株) を第三者割当により2015年5月29日付で取得する。取得額は約65.6億円。新日鐵住金の出資比率は10.89%から16.46%となる。両社はこれまで、自動車の車体骨格部品への超ハイテン材の適用に関する技術開発などで提携を行ってきたが、さらに取り組みを強化していく意向。(2015年5月14日付プレスリリースより)
事業譲受
-八千代工業の米国連結子会社Yachiyo Manufacturing of Alabama (YMA) より板金事業を譲り受けることに関して、資産売買契約書を締結すると発表。譲受日は2014年10月1日の予定。また、ユニプレスは同事業を運営する子会社Unipres Alabamaを設立した。2014年10月に操業を開始する予定で、従業員数は約230名。工場敷地は156,000平方メートル、建屋面積は18,000平方メートル。2015年度の売上高は60億円を見込んでいる。(2014年8月5日付プレスリリースより)
グローバル拠点
<中国>
-トランスミッション関連の部品を生産・販売している中国子会社のユニプレス精密広州で、2016年度までに年間売上高を現在の約70億円から100億円以上に拡大する。同子会社は、ジヤトコやアイシン・エィ・ダブリュの現地工場にクラッチパックやサンギア、クラッチドラムなど自動変速機用の部品を供給している。今回、トルクコンバーターを初めて受注したことで、売り上げの大幅な増加が見込める環境となった。同部品だけで15年度に約10億円、16年度には20億円を超える販売を計画している。(2014年5月28日付日刊自動車新聞より)
-2014年1月に大連に襄陽東昇機械有限公司との合弁会社ユニプレス東昇大連を設立、現在、量産開始を準備中。2015年8月に日産の大連新工場向けに量産開始予定。
<ロシア>
-2014年1月にサンクトペテルブルクの日産サプライヤーパーク内にユニプレスロシアを設立。2015年6月に日産向けに骨格部品の生産を開始する予定だったが、ロシア経済の激変による自動車販売の低迷により操業開始時期を延期 (開始時期は未定)。
<メキシコ>
-2014年7月にユニプレスメキシコにトランスミッション部品工場を開設。2015年7月よりプレスからの一貫生産を開始する予定。納入先はジヤトコなど。
拡販
ルノー・日産 コモンモジュールファミリー Cセグメント
-受注車種は日産 「X-Trail」、「Qashqai」、「Rogue」、Renault 「Kadjar」 (欧州向け)。Renault 「Kadjar」用部品はRenaultのスペインPalencia工場に納入開始。今後はRenaultの中国武漢工場にも納入予定。
トランスミッション部品事業
-積極的な拡販活動によりグローバルで売上拡大を図る。拡販目標は以下の通り。
地域 | 既存取引先 | 新規拡販先 |
日本 | ジヤトコ、マツダ、NSKワーナー、スバル、アイシンAW | ホンダ |
中国 | ジヤトコ、アイシンAW | ホンダ、BorgWarner |
メキシコ | ジヤトコ | ホンダ、アイシンAW、BorgWarner |
樹脂事業
-拡大する軽自動車市場をターゲットにした積極的な拡販活動により事業拡大を図る。
-軽自動車向けプロテクターフェンダの受注実績
OEM | モデル | 納入開始 |
ダイハツ | Be-go | 2009 |
スズキ | Alto | 2009 |
スズキ | Lapin | 2010 |
日産 | Dayz | 2013 |
三菱自 | eK Wagon | 2013 |
日産 | Dayz Roox | 2014 |
三菱自 | eK Space | 2014 |
ホンダ | S660 | 2015 |
中期経営計画 (2016年3月期 - 2018年3月期) |
(単位:百万円) |
2015年3月期 (実績) |
2016年3月期 (計画) |
2017年3月期 (計画) |
2018年3月期 (計画) |
|
売上高 | 308,739 | 304,000 | 320,000 | 330,000 |
2016年3月期の見通し |
(単位:百万円) |
2016年3月期 (予想) |
2015年3月期 (実績) |
増減 (%) |
|
売上高 | 304,000 | 308,739 | (1.5) |
営業利益 | 21,000 | 17,796 | 18.0 |
経常利益 | 20,000 | 18,363 | 8.9 |
当期純利益 | 10,000 | 7,207 | 38.8 |
-売上高は日本の台数減等によりほぼ横ばい。
-営業利益は米州の改善により増益。
>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2015年3月期 | 2014年3月期 | 2013年3月期 | |
全社 | 3,400 | 3,200 | 3,000 |
研究開発活動
-2015年3月31日現在、研究開発に携わる人数は306名。
-2015年3月31日現在、産業財産権を105件保有。
<製品開発>
-製品の強度・剛性の最適化
-製品の小型・軽量化
-プレス技術を応用した製品の設計
-開発期間の短縮化
<材料開発>
-高強度鋼板
-高剛性樹脂材料
-軽量化樹脂材料
<工法開発>
-高強度鋼板プレス加工法
-ホットプレス工法
-金属精密塑性加工法
-軽合金材料のプレス工法
-軽合金材料の溶接工法
-高強度パイプ加工法
-高強度樹脂プレス加工法
-樹脂複合成形加工法
新型日産「Murano」の衝突安全性能向上の技術提案
-車体構造の再設計によりエンジンコンパートメント部での衝突エネルギー吸収力の向上を図る。成形性、衝突性能の解析を行い、客先に形状提案し、採用。さらに、超ハイテン材 (1.2GPa材) を採用することでキャビン強度を高めつつ、軽量化を実現。
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2015年3月期 | 2014年3月期 | 2013年3月期 | |
全社 | 27,300 | 29,900 | 24,400 |
-地域別投資額
日本: 得意先のモデルチェンジに対応するための自動車用部品の生産用設備の更新を主な目的として、6,900百万円。
北米: 得意先のモデルチェンジと増産に対応するための自動車用部品の生産用設備の更新を主な目的として、12,400百万円。
欧州: 得意先のモデルチェンジに対応するための自動車用部品の生産用設備の更新を主な目的として、1,600百万円。
アジア: 得意先のモデルチェンジに対応するための自動車用部品の生産用設備の更新および中国における新会社設立を主な目的として、6,200百万円。
-2016年3月期の設備投資は、25,000百万円を予定。前年より2,300百万円減少するものの、生産能力の増強により引き続き高水準を維持。
海外投資
<英国>
-2016年1月に英子会社のユニプレスイギリスでプレス機2台を追加導入する。ルノーや露アフトワズからの新規受注を背景としたもの。主要顧客の日産自動車がルノーと進めているモジュール化戦略「CMF(コモン・モジュール・ファミリー)」により、今後も受注の増加が予想される欧州域内での生産対応を狙いとしている。(2014年11月25日付日刊自動車新聞より)
設備の新設計画 |
(2015年3月31日現在) |
会社名・事業所名 (所在地) |
設備内容 | 投資予定金額 (百万円) |
着手 | 完了予定 |
同社 本社および事業所 (神奈川県横浜市、静岡県富士市、神奈川県大和市) |
職場環境整備および危機管理強化他 | 3,900 | 2015年 4月 |
2016年 3月 |
同社 栃木工場 (栃木県真岡市・小山市、神奈川県横須賀市) |
生産体制強化およびモデルチェンジによる生産設備更新他 | 1,400 | 2015年 4月 |
2016年 3月 |
同社 富士工場 (静岡県富士市・富士宮市) |
生産体制強化およびモデルチェンジによる生産設備更新 | 1,600 | 2015年 4月 |
2016年 3月 |
ユニプレス九州 (株) 本社および工場 (福岡県京都郡) |
生産体制強化およびモデルチェンジによる生産設備更新 | 1,600 | 2015年 4月 |
2016年 3月 |
Unipres U.S.A., Inc. 本社および工場 (米国) |
生産体制強化およびモデルチェンジによる生産設備更新 | 1,900 | 2015年 4月 |
2016年 3月 |
Unipres Southeast U.S.A., Inc. (米国) |
生産体制強化およびモデルチェンジによる生産設備更新 | 700 | 2015年 4月 |
2016年 3月 |
Unpres Alabama, Inc. (米国) |
生産体制強化およびモデルチェンジによる生産設備更新 | 500 | 2015年 4月 |
2015年 4月 |
Unipres Mexicana, S.A. de C.V. 本社および工場 (メキシコ) |
トランスミッション部品事業を含む生産体制強化およびモデルチェンジによる生産設備更新 | 3,300 | 2015年 1月 |
2015年 12月 |
Unipres (UK) Limited 本社および工場 (英国) |
生産体制強化およびモデルチェンジによる生産設備更新 | 4,300 | 2015年 1月 |
2015年 12月 |
ユニプレス広州 [Unipres Guangzhou Corporation] 本社および工場 (中国) |
生産体制強化およびモデルチェンジによる生産設備更新 | 1,500 | 2015年 1月 |
2015年 12月 |
ユニプレス鄭州 [Unipres Zhengzhou Corporation] 本社および工場 (中国) |
生産体制強化およびモデルチェンジによる生産設備更新 | 1,300 | 2015年 1月 |
2015年 12月 |
ユニプレス精密広州 [Unipres Precision Guangzhou Corporation] 本社および工場 (中国) |
生産体制強化およびモデルチェンジによる生産設備更新 | 2,300 | 2015年 1月 |
2015年 12月 |