河西工業 (株) 2013年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2013年
3月期
2012年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 146,348 122,478 19.5 1)
営業利益 3,333 6,290 (47.0) -
経常利益 3,996 6,012 (33.5) -
当期純利益 1,358 4,221 (67.8) -

要因
1) 売上高
<日本>
-国内での自動車販売は回復傾向にあったが、中国市場での日本車販売減の影響も受け、前年比7.8%の減少。

<北米>
-主要得意先の新車投入と堅調な米国経済もあり、前年比50.6%の増加。

<欧州>
-主要得意先の堅調な販売動向から、前年比31.7%の増加。

<アジア>
-主要得意先の中国・ASEAN地域での販売が堅調に推移し、前年比31.0%の増加。

買収

<英国>
-英国で自動車用内装部品の製造・販売を手掛ける連結子会社R-TEK (本社=タイン・アンド・ウィア州) の全株式を取得すると発表した。R-TEKに折半出資する英レイデル社 (現Visteon) より保有するR-TEK株式の売却の申し出があったためで、8月末をめどに株式を譲り受ける予定。河西工業では、R-TEKの完全子会社により、英国での事業基盤を強化し、自動車メーカーの欧州市場での成長戦略や生産量拡大に対応していく。(2012年7月27日付日刊自動車新聞より)

合弁事業

<日本>
-同社とGrupo Antolinは、河西工業本社内 (神奈川県高座郡) に折半出資による合弁会社「アントリン カサイ インターナショナル株式会社 (Antolin Kasai International Co., Ltd.)」を設立すると発表した。資本金は900万円 (約73,000ユーロ) で、主に日産向け自動車内装部品の受注および製造支援を行う予定。 (2013年3月8日付プレスリリースより)

<インド>
-同社がGrupo Antolinと設立したインド合弁会社「ANTOLIN KASAI TEK Chennai Private Limited」の開所式を行ったと発表。この折半出資による合弁会社の資本金は700百万ルピー (約12億円)。主にRenault-Nissan向け自動車内装部品の製造・販売を行う。2014年度の売上高は、659百万ルピー (約11.3億円) を見込んでいる。(2013年3月8日付プレスリリースより)

<マレーシア>
-マレーシアのテック・シー・プラスチック (TSP) 社と合弁で同国に生産会社「河西テック・シー (マレーシア)」を設立することで合意し、合弁契約に調印したと発表した。日系メーカーの生産拠点を中心に内装部品を納める。同社は2007年にTSPとタイで合弁会社を設立し、09年にはインドネシアのTSP傘下の生産拠点に出資している。今後、マレーシアで日系メーカーの生産が増えることに対応し、合弁会社を新たに設立することにした。新会社はTSPの既存工場と設備を分割して保有し、TSPが75%、河西工業が25%を出資する。TSPはマレーシアで自動車部品の製造、販売を行っている企業で、オリエンタルホールディングスグループが約60%を出資している。(2012年4月28日付日刊自動車新聞より)

中期経営計画

-2012~14年度 (2013年3月期から2015年3月期) の中期経営計画「アクション210」を策定した。14年度に売上高1,600億円 (11年度実績1,224億円)、営業利益率8% (同5.1%) を目指す。中国、東南アジア、メキシコなど新興国での売り上げを伸ばすとともに、業務効率の一層の向上を目指す。新中計では海外で売り上げを伸ばす一方、業務効率2倍、売上高、利益率目標の必達を目指す。14年度の地域別売上高比率は、海外での売り上げ拡大により日本が11年度の47.7%から33%に低下する。中国・東南アジアは9.6%から17%、北米・南米は35.2%から44%に上昇する。また、欧州は7.5%から6%に低下する。北米・南米地域では、メキシコでの生産を大幅に増やす。(2012年5月28日付日刊自動車新聞より)

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

 

2014年3月期の見通し

(単位:百万円)
  2014年3月期
(予測)
2013年3月期
(実績)
増減率
(%)
売上高 160,000 146,348 9.3
営業利益 6,000 3,333 80.0
経常利益 6,000 3,996 50.2
当期純利益 3,000 1,358 120.9

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
全社 824 879 570

-研究開発費用はすべて日本に投資。

研究開発体制

-研究開発は、同社の先行・製品工法開発部を中心に実施。
-顧客開発を現地化するために、2014年3月期に、米国開発センターおよび中国開発センターを設立予定。

研究開発活動

軽量化
-ドア、ピラー、天井、トランクトリム等すべての部品において軽量化が最重要開発テーマ。高品質、軽量、低コストを両立できるような製品開発を推進している。

安全性
-車室内の側面衝突安全性に寄与するエネルギー吸収部品を、同社独自の設計構造とすることで、高性能を低コストの射出成形部品で実現し、量産車に採用された。

地球環境保全
-VOC (揮発性有機化学物質) の削減のため、粘着材、水溶性接着剤、ホットメルト等への変更、塗装から樹脂基材へ着色剤の練り込み等の代替工法への変更や各種材料の脱VOCを推進。
-樹脂部品への植物由来樹脂 (ポリ乳酸) の適用や塩化ビニール材のTPO (オレフィン系熱可塑性エラストマー)、TPU (ウレタン系熱可塑性エラストマー) への代替を推進。

車内快適性
-内装部品の防音性能の更なる向上を狙い、四駆シャシーダイナモを用いた実車実験、残響室等を用いた材料実験を踏まえ、音響理論やCAEを駆使して高性能な製品設計を実施。
-快適な車室内温度環境を目指し、天井内装品等の断熱性能の向上開発を実施。

魅力&便利商品
-ドア表皮やドアウエストオーナメントに代表されるような加飾部品、さわり心地の良い表面処理など美しく、やわらかく、しっとりしたドア内装品、擦り傷の目立ちにくい樹脂を用いたピラーやトランク・ルームの開発を推進。

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
日本 3,121 2,697 -
北米 6,843 1,942 -
欧州 647 291 -
アジア 1,820 1,166 -
合計 12,433 6,097 4,463

国内投資

自動組み立てラインの導入
-ドアトリムの自動組み立てラインを日産自動車の栃木工場 (栃木県上三川町) 内に2013年にも設置する。溶着、ビス止めなどの組み立て工程を完全ロボット化するとともに、金型の自動交換機能をつけることで前後左右の4枚のドアトリム全てを一つのラインで生産できるようにした。日本を手始めに米国、英国などの先進国の生産拠点に順次導入する。自動化ラインの導入により先進国の生産拠点の労務費負担を軽減するとともに、品質や生産スピードを安定化して競争力を高める。(2012年12月26日付日刊自動車新聞より)

海外投資

<メキシコ>
-メキシコの製造子会社「カサイメキカーナ」の第2工場を建設すると発表した。現地の顧客ニーズと今後の一層の需要拡大に対応する。新工場は現地子会社が位置するグアナファト州レオン市内に建設、2014年1月に自動車用内装部品の量産を開始する予定。15年に従業員300人で約30億円の売上げを見込む。新工場の建屋面積は1万3,565平方メートルで、3,460万ドル (約27億円) を投資する。(2012年9月26日付日刊自動車新聞より)

設備の新設計画

(2013年3月31日現在)
会社名
事業所名/
所在地
設備の内容 投資予定額
(百万円)
着手 完了
予定日
本社工場
(神奈川県寒川町)
自動車内装部品組立設備、金型、治工具等 4,217 2013年
04月
2014年
03月
三重河西 (株)
(三重県津市)
自動車内装部品組立設備、治工具等 304 2013年
04月
2014年
03月
群馬河西 (株)
(群馬県明和町)
自動車内装部品組立設備、治工具等 322 2013年
04月
2014年
03月
九州河西 (株)
(大分県宇佐市)
自動車内装部品組立設備、治工具等 92 2013年
04月
2014年
03月
M-TEK Inc.
(米国テネシー州)
自動車内装部品組立設備、治工具等 1,522 2013年
04月
2014年
03月
Kasai Mexicana S.A. de C. V.
(メキシコ グァナファト州)
自動車内装部品組立設備、治工具等 1,086 2013年
04月
2014年
03月
R-TEK Ltd.
(英国タイン&ウェア郡)
自動車内装部品組立設備、治工具等 89 2013年
04月
2014年
03月
広州河西汽車内飾件 (有)
[Guangzhou Kasai Automotive Interior Trim Parts Co., Ltd.]
(中国広州市)
自動車内装部品組立設備、治工具等 811 2013年
04月
2014年
03月
PT. Oriental Manufacturing Indonesia
(インドネシア 西ジャワ州)
工場用土地、建物、自動車内装部品組立設備、治工具等 509 2013年
04月
2014年
03月