カヤバ工業株式会社 2009年3月期の動向
ハイライト
業績 | ( 単位:百万円 ) |
- | 2009年 3月期 |
2008年 3月期 |
増減率 (%) |
主な要因 |
全社 | ||||
売上高 | 329,262 | 387,080 | (14.9) | 主力の自動車、建設機械向け製品が下期に急激に落ち込んだことが大きく影響して減収。 |
営業利益 | 49 | 18,271 | (99.7) | 上期での原材料価格の上昇や下期に入っての急激な売上高の減少に固定費圧縮が追い付かず減益。 |
経常利益 | (1,395) | 17,643 | - | 円高に伴う為替差損の発生もあり減益。 |
純利益 | (5,229) | 8,397 | - | 海外子会社においてリストラ費用や固定資産減損の特別損失もあり損失計上。 |
油圧製品 | ||||
売上高 | 317,707 | 374,428 | 15.1 | 下記を参照。 |
営業利益 | 6,391 | 23,812 | 73.2 | - |
四輪車用油圧製品の業績
<油圧緩衝器>
・上期は国内生産の増加、欧州での拡販もあり好調に推移。
・下期に入ると全世界に拡大した自動車販売の不振による大幅な在庫調整により、日本も含めほとんどの地域で生産数が大きく減少。この影響を受けて、売上高は123,300百万円(前期比
15.7%減)。
<油圧機器>
・パワーステアリング製品を主とする四輪車用は、上期は電動パワーステアリングやCVT(無断変速機)用油圧ポンプの増加もあり堅調に推移。
・下期では自動車の大幅な減産の影響を受けて、売上高は38,000百万円(前期比 19.6%減)。
開発動向
研究開発体制
研究開発活動
油圧緩衝器
-車両のフラットな乗心地と操縦安定性を両立させる相互連携ショックアブソーバーシステム(REAS)の心臓部となる減衰バルブ付きアキュムレータをKYB Suspensions Europe, S.A.(連結子会社)とともに開発。ショックアブソーバを含めたシステムとしてプジョー・シトロエン(PSA Peugeot Citoren)に納入。
基盤技術
<共同研究>
-国立長野工業高等専門学校と「電動パワーステアリング用ウォームギヤに関する設計理論解析法の研究」を実施。
-東京大学とトヨタ自動車と共同の「電磁力を使ったサスペンションのエネルギー収支を考慮した四輪連携制御の研究」は、所期の成果が得られたため終了。
自動車関連の技術供与契約 (2009年3月31日現在)
名称 | 所在地 | 研究内容 |
基盤技術研究所 | 神奈川県 相模原市 |
油圧機器、自動車機器などに関する基礎研究と新製品・新技術の開発 |
生産技術研究所 | 岐阜県 可児市 |
性能向上、低コスト化等の商品力向上のための開発 |
研究開発費 | ( 単位:百万円 ) |
- | 2009年3月期 | 2008年3月期 | 2007年3月期 |
油圧製品 | 3,268 | 3,264 | 3,636 |
油圧緩衝器
-車両のフラットな乗心地と操縦安定性を両立させる相互連携ショックアブソーバーシステム(REAS)の心臓部となる減衰バルブ付きアキュムレータをKYB Suspensions Europe, S.A.(連結子会社)とともに開発。ショックアブソーバを含めたシステムとしてプジョー・シトロエン(PSA Peugeot Citoren)に納入。
基盤技術
<共同研究>
-国立長野工業高等専門学校と「電動パワーステアリング用ウォームギヤに関する設計理論解析法の研究」を実施。
-東京大学とトヨタ自動車と共同の「電磁力を使ったサスペンションのエネルギー収支を考慮した四輪連携制御の研究」は、所期の成果が得られたため終了。
自動車関連の技術供与契約 (2009年3月31日現在)
契約先 (国名) |
契約対象 | 契約内容 | 契約期間 | ||||||
Kayaba-UMW Malaysia Sdn. Bdn. (マレーシア) |
-自動車用ショックアブソーバ -二輪車用フロントフォーク -オイルクッションユニット |
|
1993年10月13日 ~ 2010年10月12日 |
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P. T. Kayaba Indonesia (インドネシア) |
-自動車用ショックアブソーバ -二輪車用フロントフォーク -オイルクッションユニット |
|
1994年3月18日 ~ 2010年1月31日 |
||||||
KYB (Thailand) Co., Ltd. (タイ) |
-自動車用ショックアブソーバ -二輪車用フロントフォーク -オイルクッションユニット |
|
1996年2月1日 ~ 2010年1月31日 |
||||||
KYB Manufacturing North America, Inc. (米国) |
-自動車用ショックアブソーバ |
|
2001年10月1日 ~ 2009年9月30日 |
||||||
KYB Steering Spain, S.A. (スペイン) |
-自動車用油圧機器 |
|
2004年1月1日 ~ 2011年12月31日 |
||||||
KYB Suspensions Europe, S.A. (スペイン) |
-自動車用ショックアブソーバ |
|
2004年10月1日 ~ 2009年9月30日 |
設備投資
設備投資額 | ( 単位:百万円 ) |
- | 2009年3月期 | 2008年3月期 | 2007年3月期 |
全社 | 24,968 | 23,564 | 19,735 |
油圧製品 | 24,327 | 23,243 | 19,336 |
-岐阜県に自動車・二輪車用サスペンションやステアリング機器の開発や実験を行うテストコースを建設する。専用テストコースを活用し、サスペンションやステアリング機器の信頼性と製品開発力の向上や開発業務を効率化させ、開発期間の短縮化を図るのが狙い。今月から着工して2010年4月の完成を目指す。テストコースは、岐阜県美濃加茂市と同川辺町にまたがる59万5千平方メートルの敷地に建設する。総投資額は約27億円。(2008年8月5日付日刊自動車新聞より)
-米国工場でショックアブソーバー(緩衝器)の構成部品を内製化する。これまで外注していたブラケット類を自社での生産に切り替え、外注コストと物流費などを軽減する。このためのプレス機導入などに数千万円規模の設備投資を行う。外注部品の内製化を進めるのは1986年に設立したKYB Manufacturing North America, Inc.(インディアナ州フランクリン)。緩衝器の下部を車軸側に結合するナックルブラケットや、ABSセンサーなどと緩衝器をつなぐハーネスブラケットなどの接合部品。(2009年2月4日付日刊自動車新聞より)