GKNドライブラインジャパン (株) 2014年12月期までの動向

事業方針

-GKNドライブラインジャパンは、等速ジョイント (CVJ) の国内シェアを2019年までに現状の15%から20%まで引き上げる。英GKNグループが2011年にジェイテクトとのCVJ販売子会社の合弁を解消したことにより、日産自動車以外の自動車メーカーへの供給を開始している。燃費性能を高める高付加価値品の提案やグローバルシェアの高さを武器に新規受注を拡大し、目標の必達につなげる。 (2014年6月25日付日刊自動車新聞より)

-2014年、等速ジョイント (CVJ) の生産能力を2015年末をめどに現状比で4割増やす方針。名古屋事業所 (名古屋市港区) に新たに生産ラインを設けるとともに、CVJの主力工場である栃木工場 (栃木市) では機械加工などの設備投資を行う。CVJ生産能力は今後2年程度で年間420万本となる。トランスファーを生産する名古屋事業所では三菱自動車 「Outlander PHEV」 用変速機の能増投資も行う。総投資額は40億円程度となる見通し。(2014年2月17日付日刊自動車新聞より)

-ジェイテクトは、2011年7月1日付で等速ジョイントの販売子会社を吸収合併すると発表。経営資源を集約することにより、同事業の強化につなげる。吸収合併するのはジーケーエヌ・ジェイテクト(愛知県刈谷市)。同社は光洋精工と合併してジェイテクトとなる前の旧豊田工機が1999年に英国のGKNグループとの合弁で設立した。出資比率はGKNグループが49%、ジェイテクトが51%だったが、4月1日付で合弁を解消し、ジェイテクトの完全子会社となっていた。 (2011年5月31日付日刊自動車新聞より)

-2010年、燃費向上に効果の高い新世代等速ジョイント「SX」の採用提案活動を強化する。SXはジョイント部に発生する摩擦を大幅に減らしたタイプで「従来型から置き換えるだけで燃費がコンマ数%程度改善する」(同社) 特徴を持つ。欧米系自動車メーカーでの採用事例が増えている状況を追い風に、日系自動車メーカーに採用を促す。(2010年12月14日付日刊自動車新聞より)

-2008年、三菱自動車向け専用の駆動ユニット生産拠点である名古屋工場 (名古屋市) で、他の日系メーカー向けおよび中国、韓国への輸出用ユニットを生産する。2009年をめどに開始する計画。国内ではこれまで、三菱自以外の自動車メーカー向けの同ユニットは栃木工場だけで生産していた。しかし各社からの新規受注にめどがついたため、供給体制の最適化には国内拠点の生産分担の見直しが必要と判断した。輸出向けユニットの生産は、英GKNグループが中国・上海に新設した駆動ユニット工場のマザー機能を培うことがねらいとする。(2008年11月28日付日刊自動車新聞より)

事業再編

-2011年4月1日付で、GKN Driveline Asia Pacificと統合すると発表。なお、この統合によるGKNドライブラインジャパンの社名・所在地に変更はないという。(2011年3月31日付プレスリリースより)

-2010年1月、国内生産再編の一環として栃木工場への統合を計画する宇都宮工場の閉鎖スケジュールをまとめた。2010年から2年をかけて宇都宮工場の主要設備を栃木工場に移し、その完了に合わせて閉鎖する。宇都宮工場の300人のスタッフは全員、栃木工場に移転する予定。(2010年1月25日付日刊自動車新聞より)

-2009年、日本法人4社を2010年1月1日付で統合し新会社「GKNドライブラインジャパン」を設立すると発表。新会社の設立は、ドライブシャフトや駆動力配分システムといった製品分野ごとに分かれていた4社を一体化し開発力、技術力を強化することがねらい。統合されるのはGKNドライブライントルクテクノロジー、ジーケーエヌ・ジャパン、ジーケーエヌドライブライン宇都宮、ビスコドライブジャパン。新会社はテストコースを置く栃木県栃木市の拠点を本社とする。資本金は76億6,300万円、従業員数1,400人の体制でスタートする。(2009年12月4日付日刊自動車新聞より)

主な受注

-2009年、日本と中国で4WD車用ユニットの生産相互補完を開始する。2011年秋から、日本の栃木工場 (栃木県栃木市) で生産する小型4WD商用車向けの駆動力配分機構を中国・華晨汽車に供給する。規模は年間3万台分の見通し。合わせて中国の上海工場で生産するディファレンシャルユニットを日本に輸入、近く日産自動車に納入する。海外向けの大型4WD車 「Patrol」 に搭載される予定。こうした役割分担によって金型などの生産資材の重複投資を解消するとともに、量産効果を引き出し競争力を高める。(2009年9月15日付日刊自動車新聞より)

-2007年、中国最大の独立系自動車メーカーである奇瑞汽車 (Chery) から、パワートランスファーユニット (PTU) の供給プログラムを受注。Chery向けに開発したPTUは、Cheryが2009年に発売を開始するSUV車搭載用で、GKN Drivelineが上海 (康橋) に建設した新工場で組立を行う。付属部品の大半は現地で調達するが、ハイポイドギヤセットは日本の名古屋工場で別途生産する。PTUは、トルク配分を適正に制御するFFベースの4WD車用トランスファーケース (フルタイ、オンデマンド式)。(2007年8月7日付プレスリリースより)

研究開発拠点

名称 所在地
本社・栃木工場 栃木県栃木市
名古屋事業所・名古屋工場 愛知県名古屋市
大光寺事業所 栃木県栃木市
試験場 栃木県栃木市
豊田オフィス 愛知県豊田市

 

研究開発体制

-GKNドライブラインジャパンは、車両への適合開発を行うエンジニアを今後5年で現状から2割増員する。新規受注の拡大をにらみ、国内での適合開発に加えて新興国の生産拠点などでの対応力を底上げするのが狙い。英GKNグループでは、11年のジェイテクトとの等速ジョイント (CVJ) 販売子会社の合弁を解消以降、日産自動車以外の自動車メーカーへの供給を拡大している。また、電子制御AWDシステムや電動車両向けトランスミッションなど駆動系部品の開発も強化しており、日系自動車メーカーからの受注を積極的に増やしたい考えだ。このため現在50人在籍する適合開発スタッフを60人程度まで拡大。国内での適合開発力の強化に加えて、海外生産拠点での対応力も高めていく。 (2014年9月2日付日刊自動車新聞より)

各種データ

従業員数

  2015年4月末 2014年4月末 2013年4月末 2012年4月末 2011年12月末
合計 1,390 1,390 1,210 1,228 N/A

 

売上高

(単位:百万円)
  2014年
12月期
2013年
12月期
2012年
12月期
2011年
12月期
2010年
12月期
売上高 55,400 56,400 57,000 60,000 58,000