日本板硝子 (株) 2013年3月期の動向

ハイライト

業績

 (単位:百万円)
  2013年
3月期
2012年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 521,346 552,223 (5.6) -
営業利益 (17,258) 4,386 -
当期純利益 (31,939) (1,749) -
自動車用ガラス事業
売上高 245,022 251,229 (2.5) -
営業利益 4,755 5,123 (7.2) -

事業概況

自動車用ガラス事業
-主に欧州における乗用車販売台数が過去15年あまりの間で最低水準となり、数量が大幅に減少したため、売上高は減少。しかし、その影響は2011年3月の東日本大震災の影響を前年で受けていた日本および北米の好調な需要により一部は軽減。

<欧州>
-事業売上高の43%を占める。
-新車向け (OE) 部門では、売上高と営業利益は、需要の低迷により前年比で減少。補修用 (AGR) 部門の業績は、需要減少の影響が利益率の高い品種の売上比率の増加によって相殺され、前年と同水準。

<日本>
-事業売上高の19%を占める。
-OE部門の売上高および営業利益ともに前年比で増加。AGR部門の売上高および営業利益は前年と同様の水準。

<北米>
-事業売上高の23%を占める。
-OE部門の売上高は数量の増加に伴い前年より改善。しかしながら、利益水準は依然として低調。AGR部門の売上高と営業利益は市場の需要の低下により減少。

<その他の地域>
-現地通貨ベースでの売上高は前年並み。利益水準はわずかに改善したものの、依然として低水準。

受注

-PSAの新型3気筒EBエンジンのカム駆動に同社グループの高強度グラスコードを使用したタイミングベルトが採用されたと発表。Peugeot 「208」 をはじめ搭載車種は今後拡大する見込み。この高強度グラスコードを使用したタイミングベルトは、FordのEcoBoostエンジンやVolkswagenの「MQB」プラットフォームに組み込まれるエンジンにも採用されている。このうち、Fordでは「Fiesta」と「Focus」に搭載され、今後は「Mondeo」にも展開される予定。Volkswagenでは「Polo」、「Golf」、「Jetta」などに使用されている。(2013年1月9日付プレスリリースより)

リストラクチュアリング

-米国のFMC Wyoming Corporationにおける同社保有株式 (出資比率6.25%) すべてをFMC Corporationに譲渡すると発表。売却金額は80百万ドル (約76億円)。同社はガラス原料であるソーダ灰の供給源確保の一方策として1995年にFMC Wyomingに出資している。 (2013年3月28日付プレスリリースより)

-2013年1月3日より、英国のCowley Hill拠点においてフロートガラス生産窯1基を休止すると発表。休止期間は3ヶ月の予定で、その間はホットホールド状態の形態をとる。 (2012年12月14日付プレスリリースより)

-欧州の自動車用ガラスの2工場を2013年末までに閉鎖すると発表。閉鎖するのは新車・補修用自動車ガラスの加工を行うフィンランドのウロヤルヴィ工場と、強化ガラスの製造設備を持つスウェーデンのウーリァ工場で、欧州の急速な景気後退に伴う自動車の需要減少に対応。閉鎖費用は約3100万ユーロで、このうち現金支出は約1700万ユーロとしている。閉鎖実施の増益効果は、年間約1400万ユーロ (約14億円) と見込んでいる。 (2012年10月27日付日刊自動車新聞より)


2014年3月期の見通し

 (単位:億円)
  2014年3月期
(見通し)
2013年3月期
(実績)
増減
(%)
売上高 6,000 5,213 15.1
営業利益 30 (173) -
当期純利益 (200) (319) -

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

 (単位:百万円)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
全社 7,300 8,000 10,700
自動車用ガラス事業 2,800 3,300 4,000

研究開発活動

自動車用ガラス事業
-フロントガラス製造用の最新型プレス・ベンディング炉を含め、ポーランドの新工場に関連した開発を実施。
-欧州の自動車サンルーフ用調光ガラス"Sundym Select"、日本のスーパーUVカットコーティングなどの新商品の生産能力の拡大や改善に注力。

設備投資

設備投資額

 (単位:百万円)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
全社 26,000 34,700 31,900
自動車用ガラス事業 13,500 18,800  16,100

自動車用ガラス事業

-主にポーランドにおける新拠点での投資。

国内投資

-紫外線を約99%カットするSuper UV cutガラスの国内生産能力を現状の2倍に増強すると発表。稼動は2013年11月を予定している。この製品は、自動車のフロントガラスに使用され、トヨ タの「Alphard」や「Estima」などに標準採用されている。 (2013年6月13日付プレスリリースより)

海外投資

- 英国St Helensに位置するNGF Europeのグラスコード工場に4百万ポンド (約5億円) を投じると発表。ガラス繊維フィラメントの製造に関連するグラスコードの一次加工を行う紡糸炉 を新たに設置する。また、これに伴い従業員24名を増員する計画。新設備の設置により同拠点は、日本以外で初めて高強度グラスコードの一貫生産を行う工場 となる。新たな生産ラインは2013年6月に稼動する予定。 (2012年9月3日付プレスリリースより)