日本板硝子 (株) 2011年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2011年
3月期
2010年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 577,212 588,394 (1.9) -自動車用ガラス市場は僅かに残っていた各国政府による自動車買替支援制度が終了したことにより需要がやや軟化したものの、年間を通じて改善の基調を維持。
-東日本大震災の影響は全体としては比較的軽微であったが、自動車用ガラス事業において、部品の供給網が被害を受けたことにより顧客メーカーにおいて自動車生産が減産の傾向。
営業利益 14,352 (17,183) -
経常利益 7,730 (28,552) -
当期純利益 1,661 (41,313) -
自動車用ガラス事業
売上高 264,042 265,137 (0.4) -当社グループ全ての自動車用ガラス市場で需要が好調であったため増益。
営業利益 18,672 13,020
43.4

自動車用ガラス事業
<欧州>
-事業売上高の47%を占める。
-新車向け(OE)部門では数量の好調により、売上高が前年度に比べて大幅に増加、またこれにより営業利益が改善。

<日本>
-事業売上高の17%を占める。
-売上高は上半期に需要の改善効果があったが、政府による環境対応車購入の支援制度の終了並びに東日本大震災の影響により相殺。
-営業損益はコスト削減と効率改善効果の恩恵を受け改善。

<北米>
-事業売上高の21%を占める。
-新車向け(OE)部門の売上高は、販売数量の増加により前年度に比べて大きく増加。
-営業利益はコスト削減と効率改善効果の恩恵を受け改善。

<その他の地域>
-各地域において需要が好調に推移した結果、売上高及び営業利益とも前年度に比べて大幅に増加。

戦略的経営計画(SMP)

-同社は4日、2013年度を最終年度とする3カ年の戦略的経営計画(SMP)を策定したと発表した。売上高の年間平均成長率5%、営業利益率の倍増、ROE(自己資本利益率)10%台前半の実現などを 柱に据えて、新興国市場の拡大や環境対応型ガラス製品の需要に対応する商品群を拡充。また、研究開発における生産性の20%向上などに取り組み、設備投資額は有形固定資産償却費の120%を予定している。建築用ガラス、自動車用ガラス、機能性ガラスの各領域ごとに優先投資分野を設定した。自動車用ガラスについては、南米、東欧、メキシコを優先投資分野とする。 (2010年11月5日付日刊自動車新聞より)

>>>次年度業績予想(売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2011年3月期 2010年3月期 2009年3月期
全社 10,700
12,100 10,500
自動車用ガラス事業 4,000
4,300 3,200

研究開発体制

-兵庫県伊丹市の技術研究所で、自動車用ガラスの研究を行う。
-技術部門は、研究開発、グレージング・システム開発、グローバル・ツーリング開発の機能で構成。統合された技術部門により、画期的な新製品の開発や生産プロセスの効率化を図る。

研究開発活動

自動車用ガラス事業
-温室効果ガス削減に効果のある切替方式の調光ガラスや軽量ガラスといった「エコ・イノベーション」に対応した製品開発に重点。
-大量生産ラインでの全量自動欠品検出装置の開発・導入。

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2011年3月期 2010年3月期 2009年3月期
全社 31,900
15,700 42,100
自動車用ガラス事業  16,100 12,700 15,600

自動車用ガラス事業

-主としてイタリアとブラジルにおける技術向上と生産能力拡大のための投資。

-Pilkington Automotiveのポーランドにおける事業拡大計画を発表した。自動車用ガラスの新生産拠点をChmielowに建設する。新工場では、乗用車・トラック向けフロントガラス(合わせガラス)、サイド・リアガラス(強化ガラス)を生産。第1段階では、フロントガラスの生産量を年間170万枚増強する。 また、第2段階ではサイド・リアガラス生産能力を年間400-500万枚追加。第1段階の生産は2011年中盤以降に立ち上がり、第2段階は2012年中盤から2013年末にかけての生産開始を予定している。なお、総投資額は約100億円(350百万ポーランドズウォティ)の見込み。(2011年3月10日付プレスリリースより)

-2011年2月にブラジル Cacapava(サンパウロ)において、合わせ硝子の新製造ラインを開設した。新ラインによりブラジルでの同社グループの生産能力は50%増加し、年間約370万台分のフロントガラスが生産可能になる。2011年3月末までにフル稼働となる見込み。合わせ硝子製造ラインに加え、Cacapava工場では強化ガラス生産能力の拡張作業も進められている。追加される強化ガラス製造ラインは、2011年12月に操業開始の予定。フル稼働となるのは、2012年3月末を見込む。(2011年2月22日付プレスリリースより)

-2010年12月、メキシコ(メヒカリ)市における自動車用ガラスの生産能力を増強すると発表した。新車用(OEM)および補修用向けで、既存工場の近隣に拠点を新設する。新設備ではフロントガラス(合わせガラス)を生産する。拡張は2012年初に完了する予定で、これにより生産能力を30%増強する。増強後のフロントガラスの生産能力は年間250万台。今回の投資で約160人の雇用が創出される見込みとしている。国内および北、中、南米向けの輸出を見込む。(2010年12月9日付日刊自動車新聞より)

主な設備の新設

(2011年3月31日現在)
会社名/事業所名
所在地 設備の内容 投資予定
金額
(百万円)
着手 完了
Pilkington Brazil Ltda ブラジル 加工ガラス製造設備
2,500
2011年1月 2012年3月期第4四半期
Pilkington Automotive Poland SP. Zo. o. ポーランド 加工ガラス製造設備 5,900 2011年9月
2013年3月期第4四半期
日本板硝子(株)舞鶴事業所
日本(京都府) 加工ガラス製造設備 3,100 2010年1月 2011年8月