日本板硝子株式会社 2009年3月期の動向

ハイライト

業績 ( 単位:百万円 )
  2009年
3月期
2008年
3月期
増減率
(%)
主な要因
全社
売上高 739,365 865,587 (14.6) -上半期は市場は比較的堅調に推移したが、下半期に急激に落ち込み減収減益。
営業利益 1,908 46,462 (95.9)
経常利益 (12,259) 30,437 -
当期純利益 (28,392) 50,416 -
自動車用ガラス事業
売上高 299,096 364,818 (18.0) -下記を参照のこと。
営業利益 1,292 23,939 (94.6)


自動車用ガラス事業

<欧州>
-当事業売上高の51%を占めた。
-売上高は、08年度下半期に自動車メーカーによる需要が大幅に減少したことで、07年度を下回った。補修用は、新車向け(OE)ほどの需要減退は見られなかった。
-営業利益も07年度と比べて悪化。これは、特に、新車向け(OE)部門における下半期の販売数量減少が著しく、売上高の減少が生産能力とコストの調整を上回る速度で進行したことによる。

<北米>
-当事業売上高の21%を占めた。
-補修用は売上高及び営業利益とも前年度並みとなったものの、新車向け(OE)部門の売上高は下半期で加速した市場需要低迷の影響を受け、前年度対比減収。
-年間を通じた燃料コストの増加及びフロート窯修繕関連費用の影響とも相まった。

<日本>
-当事業売上高の16%を占めた。
-営業利益は、効率改善で第3四半期までは増加したが、第4四半期で自動車メーカーが国内外の販売台数減少に対応すべく生産台数を削減したことで需要が急速に減少。結果として売上高、営業利益ともに深刻な栄養を受けた。

<その他の地域>
-先進国と比べ、景気減速の影響が少なく、売上高は比較的堅調を維持したものの、08年度下半期には成長率が急速に落ち込んだ。

事業再編

-子会社ピルキントン社の自動車用ガラス加工工場であるアイゼンエルツ工場(オーストリア)を閉鎖すると発表。(2008年11月27日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費 ( 単位:百万円 )
  2009年3月期 2008年3月期 2007年3月期
全社 10,500 15,500 13,660
自動車用ガラス事業 3,200 5,200 3,519

研究開発体制

-兵庫県伊丹市の技術研究所で、自動車用ガラスの研究を行う。
-自動車用ガラス事業においては、Pilkingtonの研究開発組織と一体化し、効率的な運営を目指す。


研究開発活動 (自動車用ガラス事業)


-技術部門は、研究開発、グレージング・システム開発、新型モデル導入、新生産プロセス導入及びエンジニアリングの各機能から構成。

-最大の研究開発プロジェクトは、引き続き、広い面積と複雑な形状を持ったフロントガラスや乗用車の開口部分をより増加させるようなルーフ・グレージングの技術の開発。この研究開発作業は、カーメーカーとの密接な協業のもとに実施。カーメーカーも既にこれらの技術を取り入れた新車モデルを市場に投入し始めている。

-大量生産ラインにおける100%の精度を持つ自動欠点検出プロセスの開発と導入。

-自動車サイド用ガラスの製造プロセスの開発。

設備投資

設備投資額 ( 単位:百万円 )
  2009年3月期 2008年3月期 2007年3月期
全社 42,100 47,700 52,454
自動車用ガラス事業 15,600 21,200 20,878

自動車用ガラス事業

海外投資

-米国での板ガラス製造用フロート窯の定期修繕、イタリアや南米における工程改善のための設備投資,、インドでの自動車用ガラス工場の新設投資を実施。

-ブラジルでの自動車用フロントガラスの生産能力を大幅に拡大。サンパウロ州カサパバ工場の隣接地に新たに生産ラインを建設すると発表。2010年初めに稼働を開始し、生産能力をさらに年間100万枚以上増加する計画。新規生産ラインは、傘下のピルキントン社が運営。投資総額は約43百万ユーロ(約72億円)。(2008年8月7日付プレスリリースより)