アイシン精機 (株) 2017年3月期の動向

業績

(単位:百万円)
2017年
3月期
2016年
3月期
増減率 (%) 要因
売上高 3,564,306 3,243,178 9.9 -新車販売台数の増加
営業利益 190,825 176,435 8.2 -売上増、原価改善など収益体質の強化活動の成果
経常利益 214,005 186,887 14.5
親会社株主に帰属する当期純利益 123,474 96,974 27.3
アイシン精機グループ
売上高 1,353,101 1,181,240 14.5

-車体部品の販売が世界的に好調
-シロキ工業の完全子会社化

営業利益 80,593 70,888 13.7 -売上増、原価改善など収益体質の強化活動の成果

アイシングループの事業再編

-マニュアルトランスミッション、制御ブレーキ、車体部品の3事業を再編する。

  • マニュアルトランスミッション事業: トヨタの開発・生産機能を、アイシンAIに集約
  • 制御ブレーキ事業: トヨタ、デンソー、アイシン精機の開発・生産機能を、アドヴィックスに集約
  • 車体部品事業: アイシン精機がシロキ工業を完全子会社化


経営統合
アート金属にピストン事業を移管

-2017年3月、経営統合することで合意しているアート金属にピストン事業を移管することで合意。アイシン精機からアート金属にピストン事業を移管することで、両社の技術力、顧客基盤、海外拠点などをフルに活用するとともに、重複している機能を集約して事業競争力を強化する。(2017年3月25日付日刊自動車新聞より)

-2017年2月、アート金属工業の発行済み株式883万5千株を取得し、従来の保有株式と併せて議決権ベースで出資比率を65%に引き上げたと発表した。両社は2016年4月に経営統合することで基本合意し、アイシン精機による過半数出資と経営統合を検討してきた。アート金属はピストン製造大手で15年の売り上げベースでの世界シェア3位。4位のアイシンと合計すると17%となり、首位の独マーレ(26%)、2位の米フェデラルモーグル(18%)に接近する。(2017年2月3日付日刊自動車新聞より)

組織の再編
バーチャルカンパニー(VC)体制の発足
-2017年2月、グループ会社と共同で4月1日に発足するバーチャルカンパニー(VC)体制の詳細を発表した。事業軸で四つのカンパニーをグループ横断的に設置し、連携して研究開発や事業展開していく。カンパニーの責任者として4人のプレジデントを任命した。「パワートレインVC」に尾崎和久アイシン精機取締役・専務役員(6月にアイシン・エィ・ダブリュ社長に就任)、「走行安全VC」に小木曽聡アドヴィックス社長、「車体VC」に西川昌宏アイシン精機専務役員、「情報・電子VC」に植中裕史アイシン精機専務役員がそれぞれ就く。(2017年2月25日付日刊自動車新聞より)

2018年3月期の見通し

(単位:億円)
2018年3月期
(予想)
2017年3月期
(実績)
増減
(%)
売上高 36,700 35,626 3.0
営業利益 2,300 2,286 0.6
親会社株主に帰属する当期純利益 1,160 1,266 (8.4)

地域別売上高見通し

(単位:億円)
2018年3月期
(予想)
2017年3月期
(実績)
増減
(%)
日本 22,020 20,731 6.2
北米 5,380 5,680 (5.3)
欧州 2,950 3,099 (4.8)
中国 3,680 3,607 2.0
アジア他 2,670 2,506 6.5


>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

研究開発費

(単位:億円)
2017年3月期 2016年3月期 2015年3月期
アイシン精機グループ 720 689 670
アイシンAWグループ 692 658 554
アドヴィックスグループ 180 193 190
アイシン高丘グループ 12 12 14
その他 71 73 62
合計 1,677 1,626 1,491

設備投資額

(単位:百万円)
2017年3月期 2016年3月期 2015年3月期
アイシン精機グループ 102,805 105,570 107,262
アイシン高丘グループ 15,781 23,077 21,190
アイシンAWグループ 72,319 123,236 78,820
アドヴィックスグループ 39,771 23,730 25,800
その他 13,378 19,996 15,552
消去 (6,607) (1,422) (809)
合計 237,449 294,188 247,816


-2017年3月期、主に得意先のモデルチェンジに対応した新商品・改良商品の生産および新技術・新商品等の研究開発のため2,374億円の設備投資を行った。

国内投資

-西尾工場の敷地内にAT用トランスミッションケースを製造するアルミダイカストの新工場を建設し、2017年4月に生産開始すると発表した。投資額は建屋、設備を含め111億4千万円。子会社アイシン・エィ・ダブリュがATを増産するのに対応する。既存の西尾ダイカスト工場はAT用ケース、エンジン用クランクケースなどを生産しており、年産能力は10万トン。新設するダイカスト工場の建屋の面積は1万1500平方メートルで、年産能力は1万3千トンとなる。(2016年5月27日付日刊自動車新聞より)

海外投資

<米国>
-米国子会社Aisin USA Manufacturingは、99.9百万ドル超を投じてインディアナ州のSeymourにおける生産拠点を拡張すると発表した。2018年末までに新たに最大100名の新規雇用を創出する。Aisin USA Manufacturingでは、ドアフレーム部品やラッチシステム、シートおよびトリムモールディングなどを生産しており、2016年中に改修工事を開始する計画。ホンダ 「Odyssey」、Chevrolet 「Traverse」、トヨタ 「Highlander」、「Camry」、「Avalon」、「Corolla」、「RAV4」、Lexusなどのモデル向けに製品を納入している。(2016年8月23日付Indiana Economic Developmentの発表より)

設備の新設計画

(2017年3月31日現在)
投資予定額
(百万円)
主な設備投資の内容
アイシン精機グループ 135,500 ボディ関連製造設備、エンジン関連製造設備等
アイシン高丘グループ 18,300 鋳造設備等
アイシンAWグループ 81,000 ドライブトレイン関連製造設備等
アドヴィックスグループ 22,000 ブレーキおよびシャシー関連製造設備等
その他 11,100 ドライブトレイン関連製造設備等
消去 (7,900) -
合計 260,000 -


-2018年3月期の設備投資予定額は、前年比11.7%増の2,600億円。得意先のモデルチェンジに対応した新商品・改良商品への投資および新技術・新商品等の研究開発が主な内容。