Schaeffler AG 2012年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ)
  2012年
12月期
2011年
12月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 11,125 10,694 4.0 -
EBIT 1,413 1,689 (16.3) -
自動車部門
売上高 7,663 7,157 7.1 1)
EBIT 998 1,074 (7.1) -

要因
1) 自動車部門
-2012年、同部門売上高増加の要因としては、新規顧客のプロジェクトの開始、新製品の立ち上げおよび為替の影響が挙げられている。

-地域別では、売上はアジア市場 (前年比21.9%増)、北米市場 (同21.2%増) に牽引された。欧州市場 (1.7%) は微増、南米市場 (11.8%減) は減少となった。

受賞

-同社のエンジン部品およびデュアルマスフライホイールの品質が評価され、日産より「Global Quality Award」を受賞したと発表。なお、同社は2011年にも日産から「Global Innovation Award」を受賞している。これは、日産のフルハイブリッド車「Fuga」に採用されたLuK製のエンジン側分離クラッチが評価を受けたもの。(2012年8月1日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
  2012年12月期 2011年12月期 2010年12月期
全社 593 495 467

 

研究開発体制

-16の研究開発センターを含む40カ所を超える開発拠点を有し、約6,000名が新製品や新技術の開発に従事。
-2012年にドイツにおいて1,832件の特許を取得。
-同社とカールスルーエ大学 (KIT) は、共同研究プロジェクトに関する了解覚書 (MOU) を締結した。ハイブリッド駆動システムおよび電気駆動システムの研究・開発・早期製品化に向けて提携する。同社は、同大学のCampus EAST内に位置する研究室「Schaeffler E-Lab at the KIT」に従業員を派遣する計画。(2012年7月31日付プレスリリースより)

製品開発

センサー付戻り止め
-ギアのニュートラルを検知するセンサー付戻り止めを開発。ギアがドライブに入っているとそれを検知し、車載制御ユニットにその情報を送信する。このセンサーは従来の戻り止めと、上昇する力を測定するセンサーを組み合わせたもの。ギアシフトの際に起こる戻り止めの動きは、戻り止めのセンサーを用いることによりギアシフトユニット内で記録される。また、関連する信号は統合コネクターに送信される。この戻り止めは全てのシフトゲートにおいて、ギアシフトユニットをニュートラルに位置させるとともに、その位置を認識することが可能。同社は既に、アイドリングストップ製品向けに、このセンサー付戻り止めの量産を開始している。(2012年11月28日付プレスリリースより)

トランスミッション用セレクターハブ
-同社は、CO2削減計画の重要な要素として軽量化技術に注力。シート鋼製のトランスミッション用セレクターハブを新開発し、従来の焼結金属製のものに比べて最大25%の軽量化を実現した。また、従来のスチール製ギアシフトフォークに代わるアルミニウム製のハイブリッドギアシフトフォークを開発。コストのかか る改鋳や組立工程での複雑な再加工が不要で、このような構造の組み合わせにより軽量化および小型化が可能になった。このほかに、同社のi²シフトマスモ ジュールは、従来製品と比較して最大70%の軽量化を実現。慣性レベルは低いものの、ギアボックスを使用することでそのレベルを高めている。Schaefflerの新たな軽量コンセプトにより、トランスミッションの重量を最大1.2kg軽減することが可能になるという。(2012年8月7日付プレスリリースより)

サーマルマネジメントモジュール
-内燃エンジンの温度を最適化するサーマルマネジメントモジュールを開発した。燃料消費とCO2排出を最大4%削減するもの。車体の温度条件を正確に制御し、できるだけ早く最適温度を実現できるようにする。この制御が可能になるのは、エンジンやトランスミッション、ターボチャージャーの加熱など。また、このセンサー制御部品によりオルタネーター、ハイブリッドモジュール、バッテリーなどの温度制御を行うこともできる。(2012年1月9日付プレスリリースより)

設備投資

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
2012年12月期 2011年12月期 2010年12月期
全社 827 846 386
自動車部門 617 630 284

 

海外投資

<ロシア>
-ロシアのUlyanovskに新工場を建設すると発表した。敷地面積は22ヘクタールで、工業用および自動車用部品を生産する。投資額は約20億ルーブル (約49百万ユーロ)。今後5年間で450名の雇用創出を見込んでいる。2013年はじめに着工し、2014年初頭に生産を開始する計画。(2012年12月18日付プレスリリースより)