ZF Group (China)[ZF Group (中国事業)] 2017年12月期の動向

親会社の2017年度実績

-ZFグループは2017年における売上高が364億ユーロで、売上高に対する研究開発費比率は約6%の22.3億ユーロとなった。従業員数は約146,148人。

受注

-ZFは、中国におけるレベル3の自動運転実現に向け、中国の奇瑞汽車と提携したと発表した。ZFは、奇瑞汽車をはじめとする中国OEMと積極的に提携し、車載AIProAI」を供給していく意向。ZFNvidia、中国の百度 (Baidu) の自動運転分野での提携により、レベル3までの自動運転を実現する「ProAI」を用いたディープラーニングのアルゴリズムが、量産車に初めて搭載される予定。(2018116日付プレスリリースより)

-ZFは上汽大通汽車有限公司[SAIC MAXUS Automotive Co., Ltd.]と戦略的提携協定書を締結した。ZFは上汽大通の最先進モデルに最新の8速オートマチックトランスミッション8HP50を提供する。トランスミッション以外にもシャシー部品、ショックアブソーバー、パワートレイン、ベルトドライブ式ステアリングシステム、電動パーキングブレーキ (EPB)などで提携することになっている。(2017年7月31日付け各種リリースより)

-ZFは、北汽福田汽車の長距離トラック「Auman EST-A」にTraXon オートマチックトランスミッションを供給すると発表した。TraXonは、ドイツFriedrichshafenで生産された後、北汽福田汽車の北京工場に直接納入される。ZFはまた、AIRTRACエアスプリング・リアアクスルを北汽福田汽車の重型トラックに供給する。AIRTRACは、積み荷や道路表面へのダメージ防止と運転時の快適性向上に貢献。北汽福田汽車へは初めての供給となり、中国で生産して納入する。 (2017327日付プレスリリースより)

新会社

-安徽合力股份有限公司[Anhui Heli Co.,Ltd.]は2018年2月9日、ZF中国と合弁会社采埃孚合力伝動技術(合肥)有限公司[ZF Heli Transmission Technology (Hefei) Co., Ltd.](仮称)を設立すると発表した。合弁会社の登録資本金は2億元で、ZF Chinaが1.02億元を出資し、51%の株式を保有する。安徽合力は0.98億元を出資し、49%の株式を保有する。合弁会社は貨物運搬設備のアクスルとトランスミッションの研究開発(中国市場に特化)、生産を行う。2018年第4四半期に工場をリースし試生産を開始する。2021年には新工場を建設し、全面的な量産態勢に入る。2022年までに売上高約7.8億元(税は含まず)、利益約50百万元、アクスル生産量11.3万台を達成するとしている。(2018年2月9日付け会社公告より)

-ZF と北京海納川汽車部件股份有限公司[Beijing Hainachuan Automotive Parts Co., Ltd.] は2017年9月13日、了解覚書(MOU)に調印した。両社は合弁会社を設立し、中国市場向けに電気自動車部品を生産することで合意した。(2017年9月15日付け各種リリースより)

新工場

-ZF TRWは2017年12月13日、張家港経済技術開発区と投資協定書を結んだ。同社は張家港生産拠点で電動パワーステアリングシステム生産設備建設第2期工事を行う。総投資額は90百万米ドル。登録資本金を約30百万米ドル増資し、新たに66,666平方メートルの工業用地を取得する。2018年5月着工、2019年稼働開始の予定。ZF張家港拠点は第1期建設でブレーキコントロールシステムと乗員安全システム生産ラインを整備し、これまで1.5億米ドルを投じて来た。2015年11月に正式に稼働を開始。2016年の売上高は1.2億米ドルだった。2017年の売上高は3.2億米ドルを超える見込み。2020年までに売上高9.1億米ドルを実現させる計画。(2017年12月14日付け各種リリースより)

-2017年9月2日、福田采埃孚(Foton-ZF)ハイエンド自動トランスミッションプロジェクトの着工式が浙江省嘉興(Jiaxing, Zhejiang) で行われた。このプロジェクトの総投資額は50億元。敷地面積は約253,000平方メートル。軽型商用車用トランスミッション、重型商用車用トランスミッションなど、ハイエンド知能化トランスミッションを生産する。福田汽車集団とZFは、福田采埃孚軽型自動変速箱(嘉興)有限公司[Foton-ZF Light Automation Transmission (Jiaxing) Co., Ltd.] と采埃孚福田自動変速箱(嘉興)有限公司[ZF-Foton Automation Transmission (Jiaxing) Co., Ltd.]を設立。福田采埃孚は主に軽型商用車用トランスミッションを、采埃孚福田は主に重型商用車用トランスミッションを生産する。軽型商用車用プロジェクトは2019年1月1日に生産開始、年産能力は16万台を見込む。その後第2期建設を行い、2020年1月1日生産開始、年産能力32万台を目指す。重型商用車用プロジェクトは2019年1月1日に生産開始、年産能力は重型商用車用トランスミッション11.5万台とリターダー2万台を見込む。その後第2期建設を行い、2022年1月1日生産開始、年産能力は重型商用車用トランスミッション19万台とリターダー4万台を目指す。(2017年9月4日付け各種リリースより)

戦略的事業提携

-2018年1月16日、浙江双環伝動機械股份有限公司[Zhejiang Shuanghuan Driveline Co., Ltd.]は、全額出資子会社双環伝動(嘉興)精密製造有限公司[Shuanghuan Driveline (Jiaxing) Precision Manufacturing Co., Ltd.]が上海采埃孚変速器有限公司[ZF Transmissions Shanghai Co., Ltd.]と、8HP50(8AT自動トランスミッション)ギア部品の量産供給に関する合意書を結んだと発表した。8AT自動トランスミッションはZFのトランスミッション主力製品。8HPシリーズはBMW Xシリーズ、Audi Qシリーズ、Jaguar Land Rover Range Roverシリーズ、Maserati、Porsche Cayenneなどハイエンドモデルに搭載されている。8HPトランスミッションには13種、23個のギアが用いられており、双環伝動(嘉興)はそのうちの10種、20個のギアを供給する。今回のトランスミッション年間生産台数はさしあたって21万台が見込まれている。(2018年1月17日付け会社公告より)

-2017年9月13日、ZFと百度(Baidu)は新たな戦略的提携の合意書を結んだ。両社は中国市場をターゲットに自動運転、コネクテッドカー、モビリティサービスなどの分野で提携する。ZFは百度の人工知能、ビッグデータ、クラウドソリューション及び高精度地図技術などを利用し、ワンストップの自動運転ソリューションを開発する。(2017年9月14日付け各種リリースより)

受賞

-先ごろ中国杭州で開かれた広汽乗用車第9回サプライヤー大会において、ZFグループは広州汽車集団乗用車有限公司[Guangzhou Automobile Group Motor Co., Ltd.]の優秀品質サプライヤー賞を受賞した。(2018年1月15日付け各種リリースより)

上海エンジニアリングセンターを拡張

-ZFは、中国市場の更なる成長を見込み、上海のエンジニアリングセンターを拡張したと発表した。松江区の既存施設に50百万ユーロを投資して54,000平方メートルに拡張した。同センターでは、2022年までの今後5年間で600名のエンジニアを新規雇用し、現在の約2倍となる1,000名に増員する計画。同センターではドライブラインおよびシャシーシステム技術を開発する。松江区の施設は、同社のアジア市場向けアクティブ/パッシブセーフティ技術に焦点を当てた安亭鎮技術センターに近接している。(2017418日付プレスリリースより)