ZF Group (China) [ZF Group (中国事業)] 2010年12月期の動向

ハイライト

<事業概況>

-VWとともに同社も中国市場に進出。1994年より、中国で各事業を展開。

-2010年度、中国での売上高が同期比44%増の13億2千4百万ユーロに達し。売上の部品別構成はシャシー、78%、同期比44%増;ドライブライン、20%、26%増;その他部品、2%となる。売上の搭載車種別は6トン以上商用車、19%;乗用車及び6トン以下商用車、73%;工程車及び特殊車、8%となる。

-2010年11月、上海に中国本部を立ち上げ、中国をアジア太平洋地区から切り離し、本社直属の単独区域とする。ZFは現在世界各国に120余りの生産拠点と 6つのR&Dセンターを擁しているが、その内20を超える拠点が中国にあり、R&Dセンターも上海に置かれている。中国市場の売上はZF全体売上の20%以上に上っており、さらに大きな成長が見込めることからアジア太平洋地区から切り離すこととなった。幹部職はアジア太平洋地区から人材を 抜擢する予定。(2010年11月1日付各種リリースより)

各製品分野ごとの動向

ドライブライン
受注
-中国の商用車メーカー北汽福田汽車(Beiqi Foton Motor)にマニュアルトランスミッション「5S 400」を供給すると発表。小型トラック「Aumark」に標準装備として採用されたもの。2010年4月から浙江省杭州(Hangzhou)工場で生産を開始する。また「Auman」トラック向けには、ZF Lenksysteme GmbH製のベーンポンプおよび商用車用ステアリングシステム「Servocom 8098」を納入する。(2010年5月12日付プレスリリースより)

-中国の商用車メーカー北汽福田汽車(Beiqi Foton Motor)との、中国での戦略的提携を拡大する。新たなプロジェクトとして、ZFの6速トランスミッション「Ecolite」を中国国内で生産し、 Fotonが新たに投入する小型商用車に供給する計画。両社は2008年9月から中国向け製品の開発で提携しており、既にZFのマニュアルトランスミッション「5S 400」がFotonのトラック「Aumark」に標準装備として採用されている。(2010年9月22日付プレスリリースより)

-中国の東風商用車公司(Dongfeng Commercial Vehicle Company:DFCV)との間で、新たな協業契約を締結した。今後、ZFは自動制御式マニュアルトランスミッション「AS Tronic」やインターダーをDFCVに供給する計画。両社は2006年から提携関係にあり、現在ZFは中国国内で生産したマニュアルトランスミッショ ンをDFCVに納入している。(2010年9月24日付プレスリリースより)

-中国市場向けのマニュアルトランスミッションの量産を開始。シティバスへの受注が増え、特に上海万博用バスの受注が同社の売上に大きく寄与。(2010年度アニュアルレポートより)

上海采埃孚変速器、ATの生産が増加

-2010年、上海采埃孚変速器有限公司(ZF Transmission Shanghai Co., Ltd.)の5速・6速ATの生産実績は前年同期比8%増の10万基となった。 (2010年度アニュアルレポートより)


合弁事業
-2010年8月6日、重慶機電控股(集団)公司(略称CQME)と商用車用トランスミッションの合弁会社設立の契約に調印した。合弁相手とな るのはCQME傘下の大手トランスミッションメーカー、綦江歯輪伝動有限公司(Qijiang Gear Transmission Co., Ltd.)。

ステアリング(ZF Lenksysteme)
中国重汽集団(CNHTC)からステアリング受注
-ZF Group (中国事業)の子会社「采埃孚商用車転向機(山東)有限公司(ZF Commercial Vehicle Steering (Shandong) Co., Ltd.)」は2010年12月17日、中国重汽集団(China National Heavy Duty Truck Group)と5年間の部品供給に関する戦略的提携の合意書を結んだ。これにより同社は今後中国重汽集団の新シリーズ向けのステアリングの開発と供給を担 う。(2010年12月24日付各種リリースより)

パワートレイン・サスペンション (ZF Sachs)
新合弁会社の設立に合意
-包頭北奔重型汽車有限公司(Baotou Beiben Heavy-Duty Truck Co., Ltd. 略称 Beiben)と内モンゴル自治区包頭市に大型トラック用リアサスペンションシステム生産の合弁会社の設立で合意。それによると、2年以 内にBeibenは次世代の大型トラックを中国市場に投入し、ZFは中国でリアサスペンションシステムの生産を開始する。BeibenはZFが供給する鋼板バネ式また空気バネ式リアサスペンションシステムを搭載した欧州基準に適合する大型トラックを生産する。また両社はキャブサスペンションやシャシー 技術など将来提携が可能な分野についても意見交換を行った。(2010年10月13日付各種リリースより)

開発動向

研究開発体制

-上海のアジア本部及びR&Dセンターが2010年6月8日から正式に業務を開始した。本部オフィスビルの広さは6千平方メートル。R&Dセンターは4千平方メートル。将来第2期工事としてさらに2万平方メートル拡張する計画。現在の従業員数は合計250名で、今後は500名まで増員する。このうちR&Dセンターのスタッフは100名で、2013年までにこれを300名まで増員する予定。(2010年6月プレースリリースより)