TRW Group (China) [TRW Group (中国事業)] 2011年12月期の動向

ハイライト

事業概況

- 2011年、天合集団公司の売上高は162億米ドル。そのうち、TRW中国は10%を占め、16.2億ドルとなった。中国政府がインフレを防ぐために自動車市場の拡大を抑制することにより、中国市場での生産量の成長速度は遅くなったが、TRWは中国での生産量が増加し2010年を上回った。消費ニーズが強いことが主な原因と見られる。(2011年同社の年鑑より)

- TRWは2011年から2012年にかけて、生産拠点の開設・拡張を行うと発表した。対象となる投資先は、フランスBrest・英国Peterleeのドライバーアシストシステム(DAS)工場、中国・ポーランド・英国のステアリング工場、ドイツKoblenzの先進ブレーキシステム工場。また、新拠点として中国の湖北省武漢(Wuhan)に乗員安全システム・ブレーキ工場、中国の山東省青島(Qingdao)にアフターマーケット向けフリクション部品工場、メキシコQueretaroにスリップコントロールシステム工場を開設する計画。さらに同社は、ポーランドのCzechowiceに新サテライト工場を開設し、電動パワーステアリングの生産を拡大中。スロバキアでは精密モーター工場の生産能力を増強している。このほか、中国の上海市安亭(Anting)の電動パワーステアリング・ブレーキ工場、江蘇省南京(Nanjing)のブレーキの合弁会社、四川省成都(Chengdu)の乗員安全システムの合弁会社、浙江省寧波(Ningbo)のファスナー工場でも生産拡張を行う予定。 (2011年9月13日付けプレスリリースより)

- 上海天合は2011年度通年売上高が同期比8.2%増で13.41億元となった。そのうち、シートベルトの産量は同期比11.8%増の722.34万件である。エアバッグは同期比8.5%増での223.8万件である。(同社のプレスリリースより)

- 米TRWオートモーティブは年内に新たに5工場を建設し、2012年末までに中国での売上げを現在の倍増となる20億ドル以上まで引き上げる計画であると発表した。(2011年4月22日付け各種リリースより)

<製品別概要>

セーフティシステム

- TRWは、長城汽車(Great Wall Motors)と戦略的提携契約を締結した。現在供給しているエアバッグコントローラー・ABS・その他関連部品をベースに、アクティブ/パッシブセーフティシステム分野における共同研究開発のレベルアップを図る。両社は、2008年に提携を開始。TRWはまず、長城汽車の「Ling Ao」向けにエアコンベント関連部品を供給した。2009年からは「Haval SUV」、「Voleex C30」をはじめとするモデルに、エアバッグコントローラー、リアブレーキキャリパーなどセーフティ部品を納入している。また両社は現在、低燃費の電動パワーステアリングシステムを共同で開発中。さらに、エンジンバルブやリアブレーキキャリパーなどに関しては、試作品の開発段階に入っている。(2011年9月27日付けプレスリリースより)

ブレーキ関連

電動パーキングブレーキ(EPB)の生産を拡大
- 米TRWオートモーティブは2011年上海モーターショーで、中国において電動パーキングブレーキ(EPB)の生産を拡大すると表明した。同社は2007年に中国でEPBキャリパーの生産を開始し、これまで200万個以上を中国の顧客に供給している。また最近新たに中国系自動車メーカー2社と2012年から の供給契約を結んだ。(2011年4月20日付け各種リリースより)

ステアリングシステム

- 同社は、中国国内自動車メーカーから電動パワーステアリング(EPS)の受注を複数獲得したと発表。2012年に供給開始となる予定。同社はまずコラムドライブEPSシステムを4社に納入する。ESPの生産は、同社の中国・安亭(Anting)工場で2011年中に開始。生産能力は年間45万ユニットを計画している。同社は今後2年間で、EPSに加えてエアバッグインフレーターや横滑り防止装置(ESC)などについても、現地生産能力を拡大してい く。(2011年1月10日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発施設
- TRWアジア太平洋地域テクニカルセンター

名称 設立年 業容
天合汽車研発(上海)有限公司 2004年7月

- アジア太平洋地域の生産拠点および顧客に対する技術サポート。
- 黒龍江省黒河に冬季走行試験場を保有。


- 同社は、2013年に中国で技術センターを開設すると発表。上海市安亭(Anting)に建設される同センターの面積は32,000平方メートル。 1,000名以上の技術者が勤務する見込み。同社の全製品群に関して、研究開発、エンジニアリング設計・アプリケーション、試験・検証を行う。同センター は2011年秋から建設が開始され、運営開始は2013年の予定。(2011年4月19日付プレスリリースより)
- 同社の中国技術センターが同社の世界の拠点の中で最大の技術センターの一つであり、急速に成長している中国市場の要求に応える体制を整えている。(2011年同社の年鑑より)

設備投資

- 米TRWオートモーティブは年内に新たに5工場を建設し、2012年末までに中国での売上げを現在の倍増となる20億米ドル以上まで引き上げる計画であると発表した。(2011年4月22日付け各種リリースより)

- 同社は青島のハイテク開発区に2,000万米ドルを投じて自動車セキュリティシステムの生産工場を新たに建設することで同区と投資意向書を結んだ。 2011年4月に着工する予定。フル稼働後は2,500万米ドルの売り上げを見込んでいる。(2011年2月21日付各種プレスリリースより)