Hyundai Dymos, Inc. [現代ダイモス (株)] 2015年12月期の動向

近年のハイライト

業績 (単独)

(単位:百万ウォン)
2015年
12月期
2014年
12月期
増減率
(%)
備考
売上高 3,199,821 2,550,729 25.4%

-

営業利益 110,114 57,260 92.3% -
当期純利益 71,656 32,904 117.8% -

事業計画

同社は2004年10月にシート事業を開始して以来、累計売上高が2兆ウォンを突破したと発表した。同社は韓国国内のみならず、中国、チェコ、インド、ブラジ ル、メキシコにシートの生産拠点を展開するほか、Hyundai Mseat Co., Ltd.の買収などを通じて同事業を強化してきた。なお、同社はシート事業とパワートレイン事業の両軸を通じて、2020年までに年間売上高10兆ウォン 達成を目指している。 (2015年12月2日付プレスリリースより)



買収

現代WIAの手動変速機 (MT) 事業を322億4,300万ウォンで買収すると発表した。今回の取引を通じて、現代ダイモスは変速機事業の売上増に繋げる一方、現代WIAはパワートレイ ンや工作機械等の主力事業に注力していく。 (2015年11月30日付プレスリリースより)



会社設立

中国の河北省滄州 (Cangzhou) 市に新会社を設立した。同拠点では2016年10月よりシートを生産し、現代自動車「Verna」後継モデル年間22万台、「Tucson」年間8万台に 供給する。また、現代ダイモスは2015年6月に重慶市に新会社を設立。2016年11月より現代自動車の準中型および小型車を対象に年間30万台分の シートを生産する計画。(2015年6月1日付プレスリリースより)



受注

中国の長安汽車から後輪駆動車用アクスルを受注した。契約期間は2020年までで、合計60万台分を納入する。また、2015年6月には上海汽車との間 で、後輪駆動車用6速マニュアルトランスミッションを供給する契約を締結した。2017年から2026年まで合計60万台分を納入する。これらの契約を含 め、同社は2015年1~6月期に総額7,200億ウォン規模の受注を獲得している。なお、同社の売上高に占める海外完成車メーカー向けの売上高は現在 7%程度だが、この比率を2020年には21%まで引き上げる計画。(2015年7月20日付プレスリリースより)



受賞

中国子会社である岱摩斯汽車伝動系統 (日照) [Dymos Powertrain System (Rizhao)] は、上汽大通汽車から技術賞を受賞した。同社は2015年上半期に上汽大通からサプライヤーに選定されており、2017年には後輪駆動車用6速MTの量産 を計画している。(2016年3月21日付プレスリリースより)



研究開発体制

拠点 所在地 概要
韓国
東灘 (Dongtan)
シート研究センター
京畿道
華城 (Hwaseong) 市
-2007年3月に完成
華城 (Hwaseong)
パワートレイン研究センター
京畿道
華城 (Hwaseong) 市
-現代自動車グループのHyundai WIA、現代パワーテックとの3社による統合研究所
-2007年1月に完成
米国
Dymos of America ミシガン州
Farmington Hills
-シートの研究開発

研究開発費 (単独)

(単位:百万ウォン)
2015年12月期 2014年12月期 2013年12月期
金額 82,100 78,400 57,700
対売上高比率 3.7% 4.0% 3.6%

近年の研究開発実績

-Inzi Controlsと共同で、空気圧調整式のコンフォートシートシステムを開発したと発表した。現代ダイモスは韓国市場において、2017年度に同製品の売上高540億ウォン以上を見込んでいる。(2015年9月22日付プレスリリースより)

-現代自動車と共同で、アクティブヘッドレストの開発に成功した。この製品は、追突された際にヘッドレストが瞬時に前方向へ6~6.5cm移動し、頭部の過度な後傾を防止して頸部への負担を軽減する。車載センサーが事故を検知すると、これをヘッドレストに伝達し、0.06秒以内にメカニズムが作動するようになっている。(2014年5月14日付プレスリリースより)

対象製品 主な開発内容
トランスミッション -乗用車用DCT、ハイブリッドバス用AMT
-小型、中型、大型バスおよびトラック用手動変速機
アクスル -乗用車用アクスル開発
現代 「Genesis」後継モデル (DH)
現代 「Equus」後継モデル (VI)
現代 「Genesis Coupe」後継モデル (VK)

-SUV用アクスル開発
起亜 「Mohave」 後継モデル (UM)
現代 「Tucson」 後継モデル (TL)
現代 「中国市場向け小型SUV」(GC)

-商用アクスル開発
現代 「Grand Starex」 (TQ)
現代 「Porter」 (HR)

-小型、中型、大型バスおよびトラック用アクスル
-双龍車向けアクスル、海外輸出用アクスル開発
トランスファーケース -SUV用電子制御式トランスファーケース
シート -乗用車用シート開発(量産モデル)
現代「Sonata」後継モデル
現代「Genesis」後継モデル
現代「Equus」
現代「Grandeur」
起亜「K9」

-乗用車用シート開発(新規開発モデル)
現代「Equus」後継モデル
現代「i20」後継モデル

国内投資

-忠清南道の瑞山 (Seosan) 第2工場が完成し、2014年6月より7速デュアルクラッチトランスミッション (DCT) の量産を開始した。生産能力は年間30万台。この7速DCTは現代自動車「Sonata」(LF型) にオプションとして採用される。(2014年6月17日付プレスリリースより)

海外投資

<スロバキア>
-2014年7月、スロバキアに「Hyundai Dymos Slovakia s.r.o.」を設立。自動車部品の製造を行う。

<米国>
-米国ジョージア州West Pointに位置するシート生産拠点のHyundai Dymos Georgia, LLCが量産を開始したと発表。生産能力は年間15万台分。同拠点で製造するシートはKia Motors Manufacturing Georgia (KMMG) で生産する起亜 「Sorento」などに搭載される。(2014年11月17日付プレスリリースより)

<中国>
-中国子会社の四川現代岱摩斯汽車系統有限公司 [Sichuan Hyundai Dymos Automotive System Co. Ltd.] の工場が完成し、2014年4月より商用車用パワートレイン製品の量産を開始したと発表。年間生産能力は変速機2万台、フロントアクスル5.2万本、リア アクスル5万本。これらの部品は四川省資陽 (Ziyang) 市に位置する四川現代汽車有限公司に納入される。(2014年4月30日付プレスリリースより)