Exide Technologies 2014年3月期の動向

業績

(単位:百万ドル)
2014年
3月期
2013年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 2,855.4 2,971.7 (3.9) 1)
営業利益 (9.0) (53.4) - 2)
セグメント別売上高
北米輸送機器 760.4 879.8 (13.6) 3)
欧州/その他地域輸送機器 930.0 927.0 0.3 4)


要因
1) 売上高
-2014年3月期の売上高は、前年比3.9%減。為替差益が発生したが、需要の減少および失注が響き売上が減少。

2) 営業利益
-2014年3月期の営業利益は9.0百万ドルの営業損失。前年より44.4百万ドルの赤字幅縮小。主な要因は、事業再編コストの減少、利益率の低い契約の終了、製品価格の上昇が挙げられる。

3) 北米輸送機器 売上高
-2014年3月期の売上高は、前年比13.6%減。利益率の低い契約の終了、および鉛のリサイクル事業の縮小が売上高を押し下げた。

4) 欧州/その他地域輸送機器 売上高
-2014年3月期の売上高は、前年比0.3%増。OEMメーカー向けの売上増加および鉛価格の価格転嫁等が奏功したものの、オーストラリア事業の売却が増加分を相殺したことで前年比で微増となった。

連邦破産法第11条から脱却

-2015年3月、事業再編計画がデラウェア連邦破産裁判所に承認され、同年4月に非公開会社として連邦破産第11条からの脱却を果たした。再建計画により、同社は約600百万ドルの債務を削減した。(2015年4月30日付プレスリリースより)

-デラウェア連邦破産裁判所へ連邦破産法11条に基づく会社更生手続きの適用を申請したと発表した。今回の申請は、GNB Industrialを含む米国事業を対象としており、国外の事業は含まれていない。会社更生期間中も引き続きグローバルで事業を行う計画。なお、同社はDIPファイナンス (再建企業向け融資) として金融機関および投資家から5億ドルを調達している。(2013年6月10日付プレスリリースより)

事業再編

-2015年3月、カリフォルニア中部地区の米連邦検事局 (USAO) との非訴追協定に基づき、米国のカリフォルニア州Vernonにある鉛酸バッテリーのリサイクル工場を完全閉鎖すると発表。同社はVernon工場に係る有害廃棄物の不法投棄、保管、出荷、搬送等の一連の刑事責任から免れることになった。2015年3月27日に予定されている審問において、同社は破産裁判所にこの合意の承認とVernon工場閉鎖の許可を申請する。同時に、連邦破産法11条に基づく会社更生手続きに関しても確認を求める予定。(2015年3月12日付プレスリリースより)

研究開発体制

-米国ジョージア州Milton、ドイツ Budingen、スペイン Azuqueca、イタリア Romano di Lombardia拠点で研究開発を実施。

特許・商標

-約243件の商標を保有し、また他社に約20件のグローバルな商標使用を許諾。(2014年3月末時点)

-現在、全世界で343件以上の特許および出願中特許を保有。(2014年3月末時点)

技術提携
-米マサチューセッツ州Cambridgeのナノテクノロジー企業NanoTerra、アイダホ大学、サバンナリバー国立研究所と技術提携を締結。

製品開発

炭素添加使用バッテリー
-従来製品に比べて最大1.5倍の速度で充電ができる新型バッテリー「Premium Carbon Boost」を発表。「Carbon Boost」は当初、自社のスタート・ストップシステム用AGMバッテリーおよびEFBバッテリー向けに開発されたもの。従来製品では負極板に硫酸塩が堆積物することで、再充電を妨げていた。新型バッテリーでは独自の炭素添加剤により、堆積物の溶融を早めることで充電受け入れ性能の向上と充電時間の大幅な短縮を実現した。(2014年9月4日付プレスリリースより)

スタート・ストップシステム用バッテリー新製品
-スタート・ストップシステム用バッテリーの新製品ラインを開発。吸着ガラスマット方式の新型AGMバッテリーは、標準的な従来のバッテリーに比べて4倍のサイクル寿命、1.2倍の出力、3倍の充電受け入れ性能を備えている。また、同社のエンハンスドフラッド型の新型EFBバッテリーでも同様の性能向上を実現したという。(2014年8月22日付プレスリリースより)

デュアルバッテリーシステム

-トラック用のデュアルバッテリーシステムを開発。従来のシステムでは、2個の液入バッテリーでエンジンの始動および車載用電化製品への電力供給を行っていた。新たに開発したデュアルバッテリーシステムは、エンジン始動用に2個のAGMバッテリー、電化製品用に2個のGELバッテリーを使用する。AGMバッテリーは、エンジンを始動する際に動力を供給し、エンジン動作中は充電もしくはスイッチが切られる。エンジンを切ると、代わりにGELバッテリーが電力の供給を行う。これにより、AGMバッテリーはフル充電の状態で次のエンジン始動を行うことができるという。このシステムでは、標準的な液入バッテリーと同じ大きさを維持しながら、軽量化を実現し、エンジン始動時の信頼性も向上させた。すでにScaniaのトラック「Streamliner」に搭載されており、今後も採用が拡大するとみられる。(2013年6月13日付プレスリリースより)

設備投資額

(単位:百万ドル)
2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
北米輸送機器 N/A 27.7 32.1
欧州/その他地域輸送機器 33.2 36.3
米州産業動力 4.1 9.3
欧州/その他地域産業動力 12.9 16.1
コーポレート 3.8 7.6
合計 81.8 101.5


-2014年3月期、アイドリングストップ車およびマイクロハイブリッド車の増加を受け、先進バッテリー用の生産能力増強に引き続き投資。

各種データ

従業員数

  2015年3月期 2014年3月末 2013年3月末
米州 N/A 3,455 3,924
欧州/その他地域 5,531 5,704
合計 8,986 9,628

 

部門別売上構成

(単位:百万ドル)

 

2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
北米輸送機器 N/A 760.4 879.8
欧州/その他地域輸送機器 930.0 927.0
米州産業動力 365.6 368.4
欧州/その他地域産業動力 799.4 796.5
合計 2,855.4 2,971.7

 

地域別売上構成

(単位:百万ドル)

 

2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
米国 N/A 1,126.0 1,248.2
フランス 190.1 190.7
ドイツ 393.3 382.5
イタリア 236.4 217.4
スペイン 263.6 238.2
ポーランド 114.4 105.8
その他 531.6 588.8
合計 2,855.4 2,971.7

>>>財務データ