愛知機械工業株式会社 2006年度の動向

ハイライト

業績 (単位:百万円)
- 2007年3月期 2006年3月期 増減率(%) 要因
売上高 106,477 123,000 (13.4) -
経常利益 4,658 5,522 (15.7) -
当期純利益 614 1,720 (64.3) -

製品別売上高
<エンジン>
-日産国内向け「ティーダ」、「マーチ」、「キューブ」の販売が前年度と比較して落ち込んだことに加え、欧州向け「アルメーラ」搭載分が減少したことなどにより、47,500百万円(前年度比17.6%減)。

<マニュアルトランスミッション>
-日産欧州向け「アルメーラ」、北米向け「アルティマ」搭載分が減少したことなどにより、22,900百万円(前年度比10.5%減)。

<自動車部分品>
-36,000百万円(前年度比9.3%減)。

コスト削減
08年度までの中期経営計画の間に投入する小型車用新型エンジンのコスト削減目標を従来型比30%減に設定した。筆頭株主の日産自動車がサプライヤー各社に要望する削減率を上回る水準となる。最近の小型車開発では、グローバル展開や国内での軽自動車との競合をにらんだコストの達成が重要になっている。愛知機械はコストを引き下げながら燃費、動力性能とフィーリングを高めた新型エンジンを実現して、日産の小型車販売の支援に結びつける。開発するのは1・5リットル級未満でリッターカークラス向けガソリンエンジン。コスト削減では設計改善のほか、コスト競争力の高い地域で生産される部品の本格調達を検討する。生産については、専用ラインを開設して最新の生産技術を導入、効率を引き上げる。(2006年7月11日付日刊自動車新聞より)

生産体制
日産自動車の車両組み立て計画に完全にリンクしてエンジン生産機種を柔軟に調整する「同期生産」への対応を強化する。物流を中心にロスの削減を徹底し、これまでモデルラインで3日だった生産から納入までのリードタイムを、07年度中に2・5日へ短縮する。同時に、現中期経営計画の最終年となる08年度までにノウハウを水平展開し、すべてのエンジン生産ラインでモデルライン同様の効率を確保する計画だ。これにより、日産グループに対する支援力を向上させるとともに、利益率の向上に結びつける。(2007年1月11日付日刊自動車新聞より)

開発動向

研究開発費 (単位:百万円)
  2007年3月期 2006年3月期 2005年3月期
自動車関連事業 96 34 36

製品開発体制
製品化に必要な企画・設計・試作実験までを一貫して行える体制を整え、開発には、デジタルモックアップ、シミュレーション、データ解析などに最新のコンピュータシステムをフル活用し、クリーンでエコノミーな高性能エンジン、小型・軽量マニュアルトランスミッションをはじめとする先進的な製品開発を実現。

研究開発成果
エンジン
・日産「ティーダ」、「ノート」、「ウイングロード」、「キューブ」などに搭載されている直列4気筒エンジン「HR15DE」の燃費向上型を2006年12月に生産開始。同エンジンは、CVTとの組み合わせにより「2010年度燃費基準+20%」を達成している。
マニュアルトランスミッション
・より快適な操作感を実現したFF車用マニュアルトランスミッション「F52A」を2006年6月に生産開始。同マニュアルトランスミッションは、日産欧州向け「エクストレイル」、「キャッシュカイ」、北米向け「アルティマ」、「セントラ」などに搭載。

■「HR15DE」 >>>画像1画像2画像3
・日常最も使用される状況での燃費と加速性能の両立を目指して開発され、「中低速トルク」、「燃費」、「静粛性」、「軽量・コンパクト」をクラストップの高次元で実現。
・燃焼室内ガス流動の強化などにより、燃焼期間を短縮し熱効率を向上。
・新しいシリンダーボア加工法の採用とクランクおよびカムの軸受け部を鏡面状に仕上げるなど世界最高レベルの摩擦低減技術の採用。
・エンジンを構成する部品中、以下の9点が内製加工部品 >>> ロッカーカバー、ウォータアウトレット、カムシャフト、シリンダヘッド、シリンダブロック、コンロッド、クランクシャフト、フロントカバー、オイルパン (2006年人とくるまのテクノロジー展より)

設備投資

設備投資費 (単位:百万円)
  2007年3月期 2006年3月期 2005年3月期
自動車関連事業 7,400 8,900 8,700


- 主に納入先のエンジン及びマニュアルトランスミッションのモデルチェンジに関連した自動車ユニット・部分品製造用設備の合理化・更新投資で7,100百万円(エンジン部門2,700百万円、マニュアルトランスミッション部門4,400百万円)。


設備の新設
2008年3月期は、納入先のエンジン及びマニュアルトランスミッションのモデルチェンジに関連した自動車ユニット・部分品製造用設備を中心に7,000百万円の設備投資を計画。