Mann+Hummel 2009年12月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万ユーロ) |
2009年12月期 | 2008年12月期 | 増減率(%) | 要因 | |
グループ全体 | ||||
売上高 | 1,671.7 | 1,825.1 | (8.4) | 1) |
EBIT | 23 | 65 | (64.6) | - |
自動車OEM部門 | ||||
売上高 | 713.8 | 808.5 | (11.7) | 2) |
産業用・アフターマーケット用フィルターエレメント、システム部門 | ||||
売上高 | 946.1 | 978.2 | (3.3) | 3) |
要因
1)
-売上高は、8.4%減の1,672百万ユーロ。為替の影響を除くと7.5%減の1,689百万ユーロ。業績の合計は7.3%減。その他の営業利益は前年と比べわずかに減少した。
2)
-自動車OEM部門の売上高は、自動車メーカーの減産により前年の水準を下回った。特に第1四半期、個々の顧客への売上高が計画より80%減少。通期では 乗用車の生産を中心に状況はかなり安定。これは下半期、かなり大きな売上の伸びに反映された。年間の全体の売上高は、前年と比べ約12%の減少。
-中国、インド、ブラジルでの事業は好調を記録。売上高は、新製品の発売により前年と比べ大幅に増加した。厳しい受注状況にもかかわらず、コンプレッサー 遮断弁や各種独自の燃料フィルターなど市場に新製品を投入。エアインテーク分野でも音響制御製品やエアクリーナー、エアフィルターシステムが生産された。
3)
-OES(Original equipment suppliers)事業では年初、乗用車や商用車部門の顧客からの需要が引き続き縮小。しかしながら年央には乗用車部門で市場の需要が安定、顕著な改善 が見られた。商用車部門でも売上の増加が見られたが、需要は市場の状況により前年と比べ下回ったままとなった。
-2009年、Tier1への売上高は商用車生産の落ち込みにより急落。年央からこの部門は安定したが、落ち込みを埋めるまでには至らなかった。しかしながら、2010年にはわずかな成長を見込んでいる。
受注
-2009年のプレスリリースによる主な受注は以下の通り。メーカー・モデル | 搭載部品 |
BMW | オールプラスチック製オイルフィルターモジュール |
日産 Cabstar | エアインテークシステム |
日産 Atleon | エアインテークシステム |
日産 Civilian | エアインテークシステム |
Renault(トラック向け) | エアインテークシステム |
Jaguar Land Rover | コンプレッサー用シャットオフバルブ |
トヨタ Yaris | エアフローメーター付きフィルターモジュール |
トヨタ IQ | エアフローメーター付きフィルターモジュール |
海外事業
<インド>-2009年5月、インド市場で商用車用エアインテークシステムの発売を開始。Tata World Truckに最初のほぼ完全樹脂製大型車用エアインテークシステムを製造。ろ過効率、耐久性、機能性が向上したこのシステムは、Tumkur工場で製造されている。
-2009年8月、Boschとの合弁会社MHB Filter India Private Ltd.がインドNalagarhに2番目の工場を開設。
>>>詳細は、設備投資へ
<韓国>
-2009年7月、アジア戦略により買収したDongwooの残りの株式を2008年8月に取得。2009年7月31日付で韓国にある Mann+Hummel Korea LimitedとMann+Hummel Dongwoo Co. Ltd.の2社を統合。拠点整理のため、7月にソウルPyeongchonに新オフィスをリース、YonginとSeoul Auto Galleryは閉鎖された。
リストラクチュアリング
-2009年売上高の大幅減に対応するため、ドイツLudwigsburg拠点の自動車OE部門で人員を削減する。2012年末までに合計で約330人を 段階的に解雇する。なお、現在の同拠点における従業員数は約1,800人。(2009年11月18日付プレスリリースより)開発動向
研究開発体制
-研究開発費は、売上高の約4%。顧客の特別な要望や将来のテーマに取り組むため700名以上が開発に従事。研究開発活動
-2009年5月、新ディーゼル微粒子フィルター部門を設置。産業エンジン部門の副次的活動として自動車OEアプリケーション用セラミックディーゼル微粒 子フィルターをMarklkofenとLudwigsburg拠点で開発・製造した。これらのフィルターの製造方法として新技術CCP(ceramic coated paper)を発表。従来の押出方法と比べ、すす粒子の貯蔵容量の改善、低排気背圧、フィルターボディの設計の際の融通性が高められた。2009年12 月、パイロットプラントが開設されたが、最初のディーゼル微粒子フィルターのパイロット生産は現在、延期されている。製品開発
-2009年2月、最初の完全樹脂製オイルフィルターモジュール発売から5年後、第2世代が市場に投入された。これらのモジュールは最初、BMW直列6気 筒ディーゼルエンジン用に製造。多くの機能の統合により従来のダイキャストアルミハウジング付きオイルフィルターモジュールより大幅に軽量化・コストダウ ンが進んだ。-開発パートナーとエアドライボックスを開発。水と油の分離が効率化され、耐久性に優れた製品を発売。また、新世代選択触媒還元システム用尿素フィルターも開発。2010年初頭に生産開始予定。
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万ユーロ) |
2009年12月期 | 2008年12月期 | 2007年12月期 | |
合計 | 62 | 93 | 73 |
-2009年最大の投資プロジェクトは、中国での新生産拠点やドイツMarklkofen、Ludwigsburg、ブラジル、スペインでの工場設立。
海外投資
<インド>-2009年8月、Boschとの合弁会社MHB Filter India Private Ltd.がインドDelhiから北西に約300KmのNalagarhに2番目の工場を開設。2009年、1.7百万個のフィルターが製造された。 2010年からは年産14百万個が可能になる。