Mann+Hummel 2008年12月期の動向

ハイライト

業績 (単位:百万ユーロ)
2008年12月期 2007年12月期 増減率(%) 要因
グループ全体
売上高 1,825 1,750 4.3 1)
EBIT 65 92 (29.3) -
自動車OEM部門
売上高 808 815 (0.8) 2)

要因
1)
-名目上の売上上昇率は4.3%で1,825百万ユーロを計上。為替変動分などを除く上昇率は7.8%で1,888百万ユーロ。全体営業実績は3.4%の上昇。その他の営業収入は前年に比べ19.5%上昇し49百万ユーロ。増収の主たる要因はWoodbridge市(米国バージニア州)のUNIVERSAL DYNAMICS, INCを売却したこと、為替差益によるもの。見越費用の放棄分が減少したことは負の要因。

2)
-前年度に確立したOESビジネスの2008年度上半期も引き続き好調を持続。しかし年度後半になると景気の減速と顧客サイドが在庫の適正化を集中的に図ったことによりマイナス成長となる。大打撃を受けた商用車市場では見込みを下回る年度売上実績を記録したが、乗用車市場の売上は2008年度も前年を上回ることができた。

-年後半の市場悪化にも拘わらず、Tier1を含むOEMのビジネスが拡大。特にSCRシステム向けの尿素フィルターの受注が寄与した。


企業買収
-2008年8月、韓国の合弁企業で自動車用フィルターの大手メーカーDongwoo社を買収。新会社MANN+HUMMEL Dongwoo社を設立し韓国の取引先との直接関係の強化を狙うと同時に韓国メーカーの中国、インド、米国、東欧などの海外拠点への拡販を図る。


新会社設立
-同社にとって中国4番目の拠点となる新会社を上海市嘉定区に設立を発表。新会社では、主に、OEM/アフターマーケット向けの自動車用フィルターシステムおよびフィルターを生産する。2009年1月に着工し、2010年1月までに稼動を開始する予定。この新拠点は、また、同社の中国本社としての機能を備え、アジアでのR&Dセンターも兼ねる。(2008年8月21日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発体制
-2008年末現在、約3,200件の特許を国の内外で登録済み。
-2008年度は、各地の取引先に対するエンジニアリング事業の規模拡張に注力。中でも、インドと日本における開発活動を拡大化していく。新しい設計開発管理システムの認可を4か所の生産工場に与えた。


製品開発
全般
-製品効率の向上、軽量化、再生エネルギー源の活用などを通じてCO2排気ガスの削減に焦点を置いた複数のプロジェクトに取り込む。燃焼エンジンを例にとると、小容量のターボエンジン部品、代替燃料用の製品互換性、電気自動車用の最初となるフィルター製品の開発などがあげられる。製造工程においては、新規に開発した速度の速い工法とリサイクル樹脂などの採用で省エネに注視している。

新型空燃セパレーター
-差し込み留め金付き新型空燃分離ボックスをコンプレッサー用に開発。エネルギー消費量が低いことが利点で資源活用にもっとも効果がありコンプレッサーのCO2排気ガスを削減する。フィルターの圧力ロスに関するパラメーターの機能を改善することでこの効能が得られている。補修部品市場でも好評となっているコピー防止対策が施されていることとフィルターの耐用年数の延長などによりこの製品は顧客サイドにもそのメリットを提供。

ProVent
-クランクケースの換気部分に、小型エンジンに適した製品を追加することによってProVent製品を補完している。現在この製品には5タイプのサイズが用意されており、20kWから3000kWまでのあらゆる領域のディーゼルエンジンをカバー。

フィルター関連
-2008年の主たる目標をスタンダード製品数の拡張に設定。力点をおいて開発を進めた製品はプレフィルターとメインフローフエルヘッド。更に、補修部品市場と取引先を念頭に入れた製品開発と燃料プレフィルターの生産がアジアとロシア市場でそれぞれの地域の開発部署との協働で確立された。

設備投資

設備投資額 (単位:百万ユーロ)
2008年12月期 2007年12月期 2006年12月期
合計 93 73 67

-2008年、最大の拠点であるドイツのMarklkofen工場とメキシコと中国の生産拠点を中心として各施設のインフラの確立と最適化を目的とした設備投資を実施。各国の事業部署を全面的に分析した結果同社がかつてない設備投資金額を計上した国はドイツ、中国、ブラジル、フランスの4カ国。


海外投資
-2008年11月、インドネシア、台湾、ベトナム、マレーシア、フィリピンのそれぞれの国に代表事務所を設置。各地での顧客優先主義のメッセージを打ち出すことが設立理由。

-米ミシガン州Portage工場への設備投資計画を含め、今後数年をかけて、開発・生産拠点を拡充、北米フィルター事業の強化を図る方針。Portage工場およびSouth Bend工場では、2007年、3つの新規供給プログラムをスタート。2008年には、新たに4つの新規プログラムを立ち上げ、米国国内および海外のOEM顧客に供給する予定。同社は先頃、Bosch Groupと連携し、ArvinMeritorからPurolatorフィルター事業を買収、北米での液体フィルターシステム事業拡大を加速。さらに、NAFTA市場向け事業の強化策として、メキシコQueretaroに新工場を建設。Queretaro工場の開設により、北米におけるフィルター生産能力を増強、OEM/アフターマーケット向けフィルター事業強化を目指す考え。(2008年4月17日付プレスリリースより)