(株) 東海理化電機製作所 (東海理化) 2011年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2011年
3月期
2010年
3月期
増減率(%) 要因
全社
売上高 327,622
331,014 (1.0) -
営業利益 18,906 18,032 4.8 -
経常利益 20,058 20,372 (1.5)
当期純利益 5,234 12,603 (58.5)
自動車用部品事業
売上高 321,077 324,438 (1.0) -

新会社設立

-インドネシアにスイッチ・セキュリティー製品を生産する新会社を設立すると発表した。インドネシアでは初、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域としては5番目の拠点となる。5月に設立し10月から操業を開始する予定。売上高は2012年で1000億ルピア(約9億円)を見込む。設立するのは「トウカイリカインドネシア」で資本金は29億ルピア(約2700万円)。同社と豊田通商の現地法人が出資する。出資比率は東海理化が90%、豊田通商インドネシアが10%。社長には中川雅詞東海理化総合企画部主査が就任する。工場は25億ルピア(約2300万円)を投じてジャワ州ブカシ県の工業団地に建設する。延べ床面積は約1千平方メートル。従業員数は12年時点で約20人を予定する。(2011年2月18日付日刊自動車新聞より)

事業再編

-同社は、2010年10月1日付で北米子会社Quality Safety Systems Company (カナダオンタリオ州)を北米事業統括会社TRAM, Inc. (米国ミシガン州)の100%子会社とすると発表した。QSSはシートベルト、シートベルト用樹脂部品を生産している。なお、この変更に伴い、2010年10月1日付で「Quality Safety Systems Company」の社名を「TRQSS, Inc.」に変更する予定。(2010年5月7日付プレスリリースより)

海外動向

-同社はフィリピンにある現地工場を輸出の拠点として活用する。現地通貨ペソの為替レートが米国ドルに対して安定しているメリットを生かし、対米輸出を拡大する。トヨタ自動車が工場新設を決めた米ミシシッピー向けにも、スイッチ類を輸出する。フィリピンは国内での自動車生産量が少ないため、同社の現地工場も従来から輸出比率が高かったが、今後も輸出関連事業の拡大により同工場の操業安定化を図る。東海理化のフィリピン工場は、1995年に設立したTRP(ラグーナ州)。同社はトヨタの車両組立工場、トヨタ・モーター・フィリピン(略称TMP)に部品を供給するために設けた。現在、レバーコンビネーションスイッチやパワーウインド関連部品などを生産している。今後、こうした対米輸出の拡大に加え、他のアジア各国にある工場の能力を補完する拠点としてTRPの活用法を検討し、輸出関連事業を拡大する考えだ。(2010年7月23日付日刊自動車新聞より)

>>>次年度業績予想(売上、営業利益等)


2012年3月期の見通し

(単位:百万円)
  2012年3月期 予想
2011年3月期 実績 増減率(%)
売上高 314,000
327,622
(4.2)
営業利益 10,700 18,906 (43.4)
経常利益 11,900 20,058 (40.7)
当期純利益 7,500 5,234 43.3

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2011年3月期 2010年3月期 2009年3月期
全社 16,969
16,607 17,907

-種々の自動車用スイッチとそれらを発展させた入力装置、キーロックに電子技術を適用したセキュリティシステム製品、シートベルトやミラーなどセイフティシステム製品などを重点に、魅力ある新製品開発及び要素技術開発実施。

研究開発の成果

スイッチ関連
-今後多機能化に伴い拡大展開が予想される手元で多種の操作が出来るスイッチなどのHMI製品を継続的に開発。

セキュリティシステム関連
-スマートキーシステムの拡大やプリウスに代表されるバイワイヤタイプのシフトレバーを他社に先駆けて量産化。
-新興国向けに低コストと品質を両立させたリモートキーを開発し量産化。

工法
-各製品への加飾表面処理として量産している「3Dドライ転写工法」を応用し、今まで表現することが難しかった木目の新規柄の実現に成功。
-今後は他の工法では表現が困難である金属調・凹凸柄などを実現させ、デザイン自由度の拡大による内装の質感向上を目指した開発を推進。
 

主な技術導入契約

(2011年3月31日現在)

契約会社名 相手方の名称 国名 契約内容 契約期間
(株)東海理化 TOTOフロンティアリサーチ(株) 日本 自動車用親水ミラーに関する特許実施承諾契約 1999.08.01 - 2014.07.31
(株)東海理化クリエイト 日本 ステアリングホイールに模様を転写する転写装置に関する特許実施権の承諾 2008.01.01 -
2013.12.31
トヨタ自動車(株) 日本 電子キーシステムに関する特許実施権の許諾 2009.04.01 -
該当特許権の終了日
Magna Mirrors of America Inc. 米国 自動車用ミラーに関する特許実施権の許諾 2000.04.07 -
該当特許権の終了日
Autoliv Development AB スウェーデン 自動車用シートベルトに関する特許実施権の許諾 2007.12.01 -
該当特許権の終了日
TRW Vehicle Safety Systems Inc. 米国 自動車用シートベルトに関する特許実施権の許諾 2008.01.01 -
該当特許権の終了日
SMR Patents S.a.r.l ルクセンブルク 自動車用ミラーに関する特許実施権の許諾 2009.01.01 -
該当特許権の終了日
Thai Seat Belt Co., Ltd.
(タイ)
トヨタ紡織(株) 日本 自動車用シートベルトに関するノウハウ、特許実施権の許諾 1994.06.02 - 2012.06.01
TAC Manufacturing, Inc.
(米国)
(株)ミロクテクノウッド 日本 自動車用ステアリングホイールに関する特許実施権の許諾 2002.06.05 -
個々の生産開始日から5年後又は該当特許権の終了日のいずれか遅い方の日
自動車用シフトレバーのノブに関するノウハウの許諾 2005.05.23 -
個々の生産開始日から3年後の日

 

主な技術援助契約

(2011年3月31日現在)

相手方の名称 国名 契約内容 契約期間
芦森工業(株) 日本 自動車用シートベルトに関する特許実施権の許諾 2007.02.02 -
該当特許権の終了日
自動車用シートベルトに関する海外特許実施権の許諾 2007.02.02 -
該当特許権の終了日
(株)新昌電機
[Shinchang Electrics Co., Ltd.]
韓国 自動車用スイッチ及びステアリングロックに関するノウハウ、特許実施権の許諾 1978.09.02 -
2011.12.31
自動車用スイッチに関するノウハウ、特許実施権の許諾 2001.04.02 -
技術資料提供から10年後又は該当特許権の終了日のいずれか遅い方の日
自動車用ステアリングロック及びスロットに関するノウハウ、特許実施権の許諾 2006.02.21 -
締結日から10年後又は該当特許権の終了日のいずれか遅い方の日
Thai Seat Belt Co., Ltd. タイ 自動車用シートベルトに関するノウハウ、特許実施権の許諾 1994.06.02 -
2012.06.01
TRP, Inc. フィリピン 自動車用スイッチに関するノウハウ、特許実施権の許諾 1996.03.05 -
2012.03.04
TAC Manufacturing, Inc. 米国 自動車用ステアリングホイール、キーセット及びシフトレバーに関するノウハウ、特許実施権の許諾 1998.01.01 -
2011.12.31
TRIN, Inc. 米国 自動車用スイッチに関するノウハウ、特許実施権の許諾 1998.01.01 -
2011.12.31
TRMI, Inc. 米国 自動車用スイッチ及びキーセットに関するノウハウ、特許実施権の許諾 1998.01.01 -
2011.12.31
(株)三松
[Samsong Industries, Ltd.]
韓国 自動車用シートベルトに関するノウハウ、特許実施権の許諾 1998.04.01 -
該当特許権の終了日
2003.11.19 -
締結日の10年後の日又は該当特許権の終了日のいずれか遅い方の日
2004.02.17 -
締結日の10年後の日又は該当特許権の終了日のいずれか遅い方の日
Tokai Rika (Thailand) Co., Ltd. タイ 自動車用キーセットに関するノウハウ、特許実施権の許諾 2000.03.01 -
2012.02.28
TRCZ s.r.o チェコ 自動車用スイッチ及びシートベルトに関するノウハウ、特許実施権の許諾 2003.04.29 -
2012.04.28
Mindarika Private Limited インド 自動車用スイッチに関するノウハウ、特許実施権の許諾 2003.10.03 -
2013.10.02
自動車用ミラーアッシー・アウタリアビューに関するノウハウ、特許実施権の許諾 2006.03.22 -
2016.03.21
理嘉工業(株)
[Rica Auto Parts Co,. Ltd.]
台湾 チャイルドシートに関するノウハウ、特許実施権の許諾 2004.04.01 -
締結日の10年後の日又は該当特許権の終了日のいずれか遅い方の日
自動車用スイッチ及びキーセットに関するノウハウ、特許実施権の許諾 2005.01.01 -
2011.12.31
TRQSS, Inc. カナダ 自動車用シートベルトに関するノウハウ、特許実施権の許諾 2005.01.01 -
2011.12.31
天津東海理化汽車部件有限公司
[Tianjin Tokairika Automotive Parts Co,. Ltd.]
中国 自動車用スイッチに関するノウハウ、特許実施権の許諾

2005.01.01 -

2014.12.31

無錫理昌科技有限公司
[Wuxi Risho Technology Co., Ltd.]
中国 自動車用シートベルトに関するノウハウ、特許実施権の許諾

2005.01.01 -

2011.12.31

佛山東海理化汽車部件有限公司
[Foshan Tokairika Automotive Parts Co,. Ltd.]
中国 自動車用スイッチ、キーセット及びシフトレバーに関するノウハウ、特許実施権の許諾

2006.08.01 -

2016.07.31

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2011年3月期 2010年3月期 2009年3月期
全社 11,707
11,122 15,852


-新製品切換えに対応した生産設備等に加え、新興国への対応として中国での工場の増設、インドでの新工場の操業開始に投資。

-同社は2010年7月、ブラジルの子会社が新工場を建設し、現有工場から移転すると発表した。建屋面積を3倍以上に拡大するとともに、人員も約60人から約100人に増員する。トヨタ自動車の現地工場から新型小型車用の部品を新規に受注しており、新工場への移転を機に現地事業の拡大を目指す。同社の現地子会社は2001年に全額出資で設立したTRBR・インダストリア・イ・コメルシオ(サンパウロ州ピンダモニャンガバ市)。スイッチ類などをトヨタの現地工場に納入していた。新工場は同州サンタバーバラ・ドゥ・オエステ市に約3,500万レアル(約18億円)を投資して建設し、11年7月に稼働開始の予定。敷地面積は約4万4千平方メートルで、建屋面積は約8,100平方メートル。(2010年7月21日付日刊自動車新聞より)

-同社は国内にあるスイッチ製品の生産体制を再編すると発表した。西枇杷島工場(愛知県清須市)を閉鎖し、6月から段階的に本社工場(同大口町)に移管する。西枇杷島工場の従業員300人は本社工場に異動する。移管は2011年11月までに完了させる。移管後の跡地利用は未定。西枇杷島工場は、1948年に操業を開始した同社創業の地。ウインカーやワイパーを作動させるレバーコンビネーションスイッチの組み立てを主力としてきた。生産規模は年間で約200億円だった。(2010年4月22日付日刊自動車新聞より)