住友ゴム工業 2007年度の動向

ハイライト

業績
(単位:百万円) 2007年度 2006年度 増減率(%) 要因
全社
売上高 567,306 534,086 6.2 -原材料価格の高騰に対応するため、総原価低減活動をさらに徹底。販売価格の適正化にも取り組み、また独自の技術を駆使した高付加価値商品を市場へ投入したほか、拡大を続ける海外市場においても積極的な拡販施策を実施。
営業利益 45,126 36,789 22.7
タイヤ事業
売上高 478,482 430,886 11.1 -海外市場で販売が順調に推移したことや為替が円安で推移したことにより、売上高は前期を上回った。
営業利益 35,892 26,381 36.1 -原材料価格の高騰による減益は大きかったものの、為替の円安に加えて高付加価値商品へのシフトや原価低減活動の強化を進めた結果、増益。


受注

-新工法"太陽"で製造したダンロップブランドの高性能タイヤ"SP SPORT MAXX A1 A/S"の、トヨタ"レクサス"への新車装着が決定。"太陽"はタイヤの高精度と高性能を追求した同社独自の新工法で、騒音、振動、運転性を向上、優れた乗心地、燃費性能を実現し、高級車が求める様々な要求に対応する。 この工法によるタイヤ生産本数は、2007年には500万本を上回る予定。(2007年3月9日付プレスリリースより)

-ダンロップブランドで新たに開発したランフラットタイヤが、2007年12月に発売された日産自動車の「NISSAN GT―R」に採用された。今回採用されたのは、ダンロップの「SP SPORT600 DSST CTT」。(2007年12月20日付日刊自動車新聞より)

開発動向

研究開発体制
-2003年設立のSRI研究開発にて、研究開発業務を行う。
-グッドイヤーとの世界的提携に基づく技術交流を実施。テーマ別にプロジェクトチームを編成し、共同調査研究を行っている。


研究開発費

(単位:百万円) 2007年度 2006年度 2005年度
研究開発費総額 18,223 17,291 16,259

タイヤ事業

15,105 14,215 13,157
タイヤ事業が占める割合 82.9% 82.2% 80.9%


新製品開発

-石油外天然資源の比率を97%に高めた新型エコタイヤ「エナセイブ97」を東京モーターショーで発表した。現行モデルの「同ES801」は天然資源比率が70%だが、老化防止剤など一部の添加剤を除き化石資源への依存度を大幅に抑えた。2008年3月から4サイズを順次発売する。ES801で初採用した改質天然ゴム(ENR)技術をさらに進化させ、これまでのトレッド部だけでなくサイドウォールやインナーライナーなども天然ゴム化した。サイドウオール用に高耐久性ENR、インナーライナーに気密性ENRを開発した。また燃費性能を高めるため、「方向性・新パターン」を採用。同社量販タイヤであるデジタイヤ・エコに比べ転がり抵抗を35%改善した。(2007年10月26日付日刊自動車新聞より)

設備投資

設備投資額
(単位:百万円) 2007年度 2006年度 2005年度
設備投資総額 53,205 45,308 40,415
タイヤ事業 49,796 42,253 37,041
タイヤ事業が占める割合 93.6% 93.3% 91.7%

-タイヤ事業においては、タイヤ増産のための設備改善及び生産設備の合理化・省人化等を中心とする設備投資を実施。主要な設備としては、名古屋工場・白河工場・泉大津工場及び宮崎工場の自動車タイヤ製造設備など。

-2008年半ばにも、主力工場の一つである名古屋工場(愛知県豊田市)に高効率生産システム「太陽」を本格導入する。生産するのは乗用車用ラジアルタイヤで、1日当たり約1千本、初年度30万本強の生産を見込む。乗用車用タイヤは高性能・高品質化のニーズが高まるとともに、多品種・少量生産の度合いも強まっている。太陽の導入でこうしたニーズに対応する。太陽は同社が7年前に開発したタイヤの新工法で、幅数センチメートルのゴムテープを高速で回転する金型に巻きつけ、トレッドやサイドウオールなど各部を継ぎ目なく成形するジョイントレス工法が特徴。設置スペースの削減、初期投資の抑制、生産時間の短縮などが図れるほか、ジョイントレス工法によるユニフォーミティ(真円性)の向上で品質も大幅に改善する。(2007年6月12日付日刊自動車新聞より)

-神戸本社内に研究開発(R&D)センターを増設する。設立するのは「新技研センター」で、竣工は2008年10月。業容拡大に伴い既存の技研センターが手狭になっていることから、新棟を建設し従来設備と合わせ研究開発を加速する。新技研センターは、地上6階建てで、総工費は55億円。建築面積は2600平方メートル、延べ床面積は1万平方メートル。また、白河工場(福島県白河市)内に新設する製造研究所には総工費12億円を投じる。地上3階建ての建屋を09年2月に竣工させる。建築面積は2100平方メートル、延べ床面積は3700平方メートル。タイヤ製造の技術に関する研修施設で、国内外からの作業員を受け入れ、グローバルでの生産品質の向上に結びつける。(2007年8月21日付日刊自動車新聞より)


海外投資

-アジアではインドネシア、中国に次ぐ3番目のタイヤ生産拠点となる「スミトモ・ラバー(タイランド)」(SRT)の開所式を行った。SRTは2005年5月、同社の全額出資でラヨン県アマタシティ工業団地に設立、工場建設に着手した。敷地面積は58万平方メートルで、乗用車用およびSUV用タイヤを生産する第1工場が昨年末に稼働。乗用車用の量販ラジアルタイヤを生産する第2工場もこのほど竣工したのを機に、開所式を行った。(2007年3月12日付日刊自動車新聞より)


設備の新設計画(自動車事業関連)
会社名
事業所
(所在地)
設備の内容 投資予定
総額
(百万円)
着手年月 完了予定
年月
完成後の
増加能力
住友ゴム工業
名古屋工場
(愛知県豊田市)
自動車タイヤ
製造設備
9,440 2007年1月 2008年12月 -
住友ゴム工業
白河工場
(福島県白河市)
自動車タイヤ
製造設備
9,169 2007年1月 2008年12月 -
住友ゴム工業
泉大津工場
(大阪府泉大津市)
自動車タイヤ
製造設備
3,973 2007年1月 2008年12月 生産能力9%増加
住友ゴム工業
宮崎工場
(宮崎県都城市)
自動車タイヤ
製造設備
8,763 2007年1月 2008年12月 生産能力1%増加
住友橡膠(常熟)有限公司 [Sumirubber (Changshu) Co., Ltd.]
(中国 江蘇省)
自動車タイヤ
製造設備
18,124 2007年1月 2008年12月 生産能力119%増加
SumitomoRubber
(Thailand)
(タイ ラヨーン県)
自動車タイヤ
製造設備
32,274 2007年1月 2008年12月 生産能力2483%増加