Woodbridge Foam Corporation 2014年12月期までの動向

技術提携

-2012年、同社傘下のTrimTech Interior Soft Trim Solutionsは、カナダの自動車メカニズムメーカーMultimaticとの間で、自動車用トリム製品の設計、エンジニアリング、試作品製造、生産に向けたグローバル提携を発表した。TrimTech Solutionsは、ヘッドレスト、アームレスト、ボルスター、クロージャーパネルなどを生産している。今回の提携の結果、TrimTech Solutionsは新たにヘッドレストメカニズム「HeadSmart」を発売。この技術には、反転式折り畳みシート、アクティブヘッドレストシステム、オートマチックおよびマニュアル作動部品など全ての設計機能が含まれている。(2012年10月23日付プレスリリースより)

-2012年、日本の発泡プラスチックメーカーJSPに対して、同社の「StructureLite」に関する技術供与を行うと発表。これによりJSPは、日本において発泡ポリプロピレン (EPP) 製シートフレームの生産・販売を行う。このシートフレーム技術は、従来のスチールプレス部品やワイヤーフレームを代替し、シートシステムを最大35%軽量化する。なおJSPはこれまで、北米における生産向けに「StructureLite」技術を供与されていた。(2012年1月9日付プレスリリースより)

製品開発

低排出型の成形フォーム
-2014年、低排出型の成形フォーム「TrimVisible LE」を発表。極めて厳しい揮発性有機化合物 (VOC) 排出基準の試験をクリアするもので、独立した認定試験所で行ったテストによると、シートのクッション性を維持しながらVOCを最大80%低減するという。(2014年1月17日付プレスリリースより)

軽量複合材料ボード
-2014年、軽量複合材料ボード「StrataLiner 3D」を開発した。自動車用ヘッドライナーのほか、荷室フロア、デッキリッド、パッケージトレイなどさまざまな内装部品に使用されるもの。このポリウレタン製の複合材料ボードは、補強層をラミネート加工することでポリウレタン基板を形成したもの。剛性に優れ、競合材料を使用する場合に比べて最大35%の軽量化を実現した。(2014年1月15日付プレスリリースより)

ポリウレタン製ラミネートカバーストックフレキシブルフォーム

-2013年11月、ポリウレタン製のラミネートカバーストックフレキシブルフォーム「StrataPlush HD」を開発。従来の「StrataPlush」の特性を備えるほか、まだらになりにくく、高硬度で厚さ2mmまで薄くできる。このラミネートフォームは、ヘッドライナー、シート、ヘッドレスト、アームレストなどさまざまな自動車用内装部品に使用される。(2013年11月15日付プレスリリースより)

トリレンジイソシアネート (TDI) 高弾性フォーム
-2013年9月、自動車用シート向けに低密度のトリレンジイソシアネート (TDI) 高弾性フォームを開発したと発表。このフォームは、さまざまな密度範囲を持つメチレンジフェニルジイソシアネート (MDI) フォームの振動応答に対応できる。この新たな手法とプロセスによって、TDIシートフォームは、大幅に質量を低減しながら、高弾性・低ヒステリシス化・高耐久性を可能にした。さらにこのフォームは、揮発性有機化合物 (VOC) の排出が極めて低くなることから、キャビン内の空気の質を高め、フロントガラスの曇りを抑えるなどの利点も持つという。(2013年9月17日付プレスリリースより)

設計を共通化できるシート用フォーム
-2013年6月、セダンやコンパクトカーなど車両特性が異なっても設計を共通化できるシート用フォーム (発泡材) を開発。振動吸収特性を高める独自の手法を改良し、重量を引き下げた。設計を共通化できる技術は以前もあったが、重量が重く採用には至っていなかった。シートはフレームの共通化が進んでいるがクッション機能を担うフォームも共通化できれば、シート単体として現状からさらに2割近いコストダウンも期待できるとしている。新フォームは軽量で振動吸収特性が高いことから、シートメーカーは車種ごとにシートフォームの設計を最適化する作業が削減できる。車種間でシートフォームを共通化できれば、設計、製造に関するコストの削減につながる。乗り心地が向上することから自動車メーカーはサスペンションの最適化作業を簡略化できるという。(2013年6月20日付日刊自動車新聞より)

難燃フォーム
-2012年6月、難燃性基準UL-94に対応する新型の難燃フォーム「WhisperTech V0」を開発したと発表。フード下のさまざまな防音・断熱製品に使用される。NVH製品の難燃性を大幅に向上させるもので、金属や工業用繊維などを使う材料に比べて吸音特性・透過損失特性を改善する。この難燃フォームは、エンジンと接する成形部品へ幅広く使用が可能。マニホールド、バルブ、カムカバー、燃料レール、エアインテーク、ポンプなどに用いるカバーや防音材が対象となる。さらに、組み立てやすさ向上のため、ファスナーや取り付けブラケットとも一体化できる。(2012年6月13日付プレスリリースより)

内装ソフトトリム
-2012年2月、ソフトトリム製品シリーズ「TrimTech」を開発したと発表。同シリーズでは、2層ハードネスヘッドレスト「ComfortZ」、新トリム技術となる「DecoSkin」、薄厚形状部品用の「TrimLine」、精密で複雑な形状用の「TrimStyle」をラインナップする。

ポリウレタン複合材料ボード
-2012年1月、ポリウレタン複合材料ボード「StrataTrim」を開発。同技術は、荷室の床、デッキリッド、トレイ、サンシェード、シートバック等に適用が可能で、システムコストを抑え、設計の柔軟性や部品表面の品質、音響性能等を向上し、従来比最高50%の軽量化を実現する。強度を向上するオプションとして、ガラス繊維の選択が可能な他、低コストの設計ツールが提供されるとともに、リードタイムの短縮、試作の高速化、少量生産の低コスト化等が可能になるとしている。

シートクッション材料
-2012年1月、新型シートクッション材料「ComfortSense」を開発したと発表。上部補助パッドの追加コストをかけずに、表面のソフトさを向上させたもの。クラスAの表面処理技術により、アクティブ・標準のどちらのシートシステムでも最適な通気を実現する。(2012年1月16日付プレスリリースより)

海外投資

<ブラジル>
-2014年、ブラジルのサンパウロ州にあるCapivariに新工場を開設すると発表。新工場は、同社にとってブラジル6番目の拠点となり、成形ポリウレタン製品、高性能の自動車用シートクッション、ヘッドレストやアームレストなどの内装部品を生産する予定。同地域には自動車メーカー2社が新工場を設立すると発表しており、同社にとっては追い風になると見ている。(2014年11月10日付プレスリリースより)

<ドイツ>
-2014年、Formed Plastics部門がドイツで粒子フォームの新拠点を開設すると発表。同社は現在、合弁会社とともに米国、カナダ、メキシコ、フランスに粒子フォームの生産拠点を保有している。(2014年1月16日付プレスリリースより)

<米国>
-2013年、Formed Plastics部門が米国テネシー州のChattanoogaにフォーム工場を開設したと発表。同部門は、Tier 1サプライヤーとして発泡ポリプロピレン (EPP)、多孔質発泡ポリプロピレン (PEPP)、発泡ポリエチレン (EPE)、発泡ポリスチレン (EPS) などの素材からカーゴストレージ、シートフレーム、乗員安全製品、吸音製品などを生産している。新工場は、カナダのKitchener拠点、メキシコのLeon拠点、フランスのTrilport拠点を補完する役割を持つ。(2013年5月21日付プレスリリースより)

各種データ

-2015年5月29日現在、8,000名超の従業員を有する。*同社ウェブサイトによる