Visteon 2007年度の動向

ハイライト

業績

(単位:
百万ドル
2007
年度
2006
年度
増減率(%)
備考
売上高        

全社

11,266 11,253 0.1 (1)
クライメート部品部門 3,370 3,123 7.9 (2)
エレクトロニクス部品部門 3,528 3,408 3.5 (3)
内装部品部門 3,130 3,004 4.2 (4)
その他 1,349 1,819 (25.8) (5)

全社 (1)
為替差益により569百万ドル増加。これは主に2007年度のユーロ、韓国・ウォン、ブラジルレアル、およびイギリスポンドの上昇による。 シャシー事業の売却、イリノイ州シカゴの工場閉鎖およびインドChennaiの子会社売却を含め、事業売却および工場閉鎖により、売上高は全体で675百万ドル減少。 北米の売上高は434万ドルに減少。これは主に、北米のFordおよび日産の生産の減少とエレクトロニクス製品を中心とした納入先の調達行動による。アジア地域の売上高は537百万ドル増加。Hyundai/Kiaおよび新規納入先からの売上269百万ドルが寄与。

クライメート部品部門 (2) 
アジア地域の売上は237百万ドル増加。主に新規事業からの売上と、生産の増加が寄与。 欧州地域におけるクライメート部品部門の売上は、Fordの車両生産台数が増加したことにより68百万ドル増加した。 北米の売上高は121百万ドル減少。Ford North Americaの生産量が減少したことと、不利な製品構成が新規事業による売上増を部分的に相殺したことが要因。

エレクトロニクス部品部門 (3)
2007年度の売上高は、欧州における売上増(171百万ドル)と、Fordの車両生産台数の増加により増加したが、Ford North Americanの減産および過去の納入先の調達行動に関連した不利な製品構成による売上減(197百万ドル)よって部分的に相殺。

内装部品部門
(4)
アジア地域における売上高は、Hyundai/Kiaによる指定調達が増加したことにより300百万ドル増加したが、この売上増はシカゴの工場閉鎖に 伴う生産量減少の影響並びに、Fordおよび日産の生産台数減少による北米における売上減(297百万ドル)によって部分的に相殺された。

その他 (5)
売上減の主な要因として、2007年度の事業売却活動が挙げられる。この事業売却にはシャシー事業売却による35百万ドルの売上減とインド Chennai の事業売却による390百万ドルの売上減が含まれる。 売上高は、車両生産台数の減少と不利な製品構成に関連してすべての地域で売上が減少したことが原因で83百万ドル減少。

受注
-2007年10月, Visteonは、Boston Acoustics社と連携し、Chrysler向けにDolbyのサラウンド音響技術「DolbyR Pro LogicR II」を提供する。提供する「Dolby Pro Logic II」は、「Chrysler 300」および「Dodge Charger」の2008年モデルに搭載される。

リストラクチュアリング
2007年度のアクション
閉鎖
Chicago
Chesapeake
Connersville
売却
Dueren→Special Situations Venture Partners II L.P. (SSVP II)
Wuelfrath→Special Situations Venture Partners II L.P. (SSVP II)
Prazka→Special Situations Venture Partners II L.P. (SSVP II)
Chennai→Adyar River Ltd.

2008年度の整理対象の生産拠点
Bedford
Concordia
Bellignat
Swansea→Linamar

売却
- Plastic Omniumは、同社自動車関連製品部門(Plasstic Omnium Auto Exteriors)とYanfeng Visteonとの間で2007年3月1日付けで締結された事業合併合意に基づき、中国政府当局に新会社Yanfeng Plastic Omnium Automotive Exterior Systems Co (YFPO)設立の認可申請をしていたが、このたび中国政府から正式認可が下りたと発表した。 Plastic Omniumは、YFPOの株式49.95%を取得、米Visteonと中国「上海汽車」(SAIC)との合弁会社であるYanfeng Visteonの外装部品事業部門の統合を図る。YFPOは、2007年下旬に操業を開始する見通しで、上海(安亭)および重慶のトリム工場から複数顧客向けに製品を供給する。2工場を合わせた総従業員数は500名程度となる予定。

2008年の展望
-2008年~2010年までの新規およびリプレースプログラムの受注額は生産中止および取り消されたプログラムを差し引くと約725百万ドルと見込まれる。

 

開発動向

研究開発費用

単位: 百万ドル 2007年度 2006年度 2005年度 2004年度 2003年度

合計

510 594 804 896 913

製品開発
R744 クライメートシステム
先行モデルのR134aに比べ、燃費を最大で25%向上し、冷暖房システム使用時におけるCO2の排出量を最大で1kmあたり7g削減する。この最新システムでは、周囲温度摂氏25度の環境下で、従来のシステムと同等の冷却性能を保持しつつ、車の燃料消費量を100kmあたりおよそ0.3リットル削減することができる。同社は、部品設計における標準化、小型化により、スペースを取らず、かつコスト効率の高いシステムを開発した。また、同システム専用の付属品として、「VisCO2nnect」と呼ばれる剛性に優れた製品を新たに設計した。同社特許のVisCO2nnectは、従来型の金属製シールの付属品とは異なり、圧力を最適レベルに保持する性能に加え、組み立てや修理も容易にできる利便性も兼ね備えた設計となっている。

設備投資

設備投資費用
単位: 百万米ドル

2007年度

2006年度

2005年度

2004年度

合計 376 373 585 827

海外投資
- 2007年6月、クライスラー・グループを含む北米自動車メーカーの需要に対応すべく、ミズーリ州・Eurekaで、新たな生産/組立工場の建設に着手した。新工場は2008年夏に稼動見込みで、2009年上旬には200名程を雇用する予定。同社は、2007年6月20日、セントルイス市から南西約20マイルに位置するEureka Commercial Park内の工場建設地内で起工式を執り行った。同工場では、当初、クライスラー・グループのSt. Louis North組立工場に、ドアパネル、コンソール、及びコックピットを供給する。