Osram AG 2013年9月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ)
2013年
9月期
2012年
9月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 5,288.7 5,399.8 (2.1) 1)
EBITDA 413.6 392.9 5.3 -
部門別売上高
特殊照明 (Specialty Lighting) 1,455.8 1,404.5 3.7 2)
光半導体 (Opto Semiconductors) 1,018.0 899.1 13.2 3)

要因
1) 全社
-2013年9月期の売上高は、前年比2.1%減の5,288.7百万ユーロ。主に三菱電機、東芝との合弁会社の株式売却、為替差損が売上高を押し下げた。

2) 特殊照明
-2013年9月期の売上高は、前年比3.7%増の1,455.8百万ユーロ。自動車産業向けの次世代半導体照明、高圧放電ランプの需要増加が寄与。

3) 光半導体
-2013年9月期の売上高は、前年比13.2%増の1,018.0百万ユーロとなり、同部門で初の売上高1,000百万ユーロ超えとなった。主に、赤外線関連部品およびLEDの売上が伸長。

事業展望

-2013年9月末現在、全社売上高の29%がLED事業によるもので、前年比で4%ポイント増加。同社は2017年までに同比率を50%以上に引き上げる方針。

事業再編

Valeo Sylvaniaの売却
-同社はValeoと、折半出資による北米の合弁会社Valeo Sylvaniaの全株式を、2014年第1四半期にValeoに売却することで合意。両社はまた、自動車用ランプ事業に関しても、戦略的供給契約により提携関係を強化することで合意している。(2013年6月18日付プレスリリースより)

リストラクチュアリング
-ランプ市場から半導体ベースの製品へ主力事業をシフトするための再編計画を発表。既に2012年はじめから包括的な再編プログラムを開始しているが、2012年は世界で約1,900名の人員を削減しており、ドイツ拠点の従業員はそのうち300名。さらに、工場の売却に伴う4,700名の追加削減を2014年までに行なう予定。このプログラム全体を通じて、2015年までに累積総額約10億ユーロが削減される見込み。

受賞

-Continental AGより2012年「Supplier of the Year」を受賞。同社のインターフェース、電圧レギュレーター、アナログIC等が評価された。

開発動向

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
  2013年9月期 2012年9月期
全社 341.2 339.5

-2013年9月期の研究開発費は全社売上高の6.5%に相当。その内、約62%が次世代半導体照明事業に投下された。

-2013年9月末時点、世界の36カ所で2,500名が研究開発に従事。

製品開発

有機EL (OLED) テールランプ
-2013年、International Symposium on Automotive Lighting (ISAL) において有機EL (OLED) テールランプを発表。2012年に発表されたコンセプトモデルと比べて、今回発表されたモデルはリアランプおよびブレーキランプに関する欧州安全基準に準拠する。さらに、様々な配光パターンに応じて光源の部分的な点灯・消灯を制御することが可能。2016年中に上市される見通し。

先進フロントライティングシステム用LED
-2013年、International Symposium on Automotive Lighting (ISAL) において、先進フロントライティングシステム用LEDを発表。同LEDは、5つのチップで構成されており、走行状況や周辺の車両状況に応じてチップの点灯・消灯を個別に制御することができる。

マルチチップLED
-Osram Opto Semiconductorsは、新型マルチチップLED 「RGB MultiLED」を開発したと発表。スピードメーターやタコメーターなどの計器類、ディスプレイのほか、スイッチやアンビエントランプのバックライトとして使用が可能。最大波長は447ナノメートルと非常に広い色域の青色と高輝度が特徴。赤・緑・青の3色のLEDチップを使用することで実現した。(2013年8月6日付プレスリリースより)

室内照明用LED
-Osram Opto Semiconductors製LEDの「Topled」および「Mini Topled」の次世代製品を発表。標準パッケージを維持しながら新しい高輝度白色LEDを採用したこの製品は、バス、電車、飛行機、自動車などの室内照明に適しているという。耐久性、ESDノイズ耐性、腐食安定性を備えるほか、車載部品の品質規格「AEC Q101」にも対応。(2013年3月27日付プレスリリースより)

赤外線チップ
-赤外線チップの試作品が、電力変換効率72%および外部量子効率67%を記録したと発表。このチップの波長は850ナノメートルで、特に監視システムなどの赤外線照明に適している。また、プリクラッシュセンサーやナイトビジョンシステム用の照明光源など、自動車向けの安全製品にも使用できる可能性がある。なお、同社は2013年はじめから半ばにかけてこの新型チップの量産を開始する計画。(2012年12月5日付プレスリリースより)

サブコンパクトカー用LED
-Osram Opto Semiconductorsは、サブコンパクトカーに搭載する新型LED製品「Oslon LX」を発売する。わずか3x3平方ミリメートルと小型で、主に日中走行用ライトやフォグランプに使用。複数のLEDを組み合わせることで、ロービームおよびハイビームランプにも適用できる。(2012年10月25日付プレスリリースより)

小型高出力LED
-Osram Opto Semiconductorsは、自動車市場向けの小型高出力LED「Oslon Compact」の試作品を発表。この小型LEDは、全ての自動車用前照灯向けに初期設定の光源として使用できる。光源はヘッドランプ内のどの位置にも取り付けが可能で、これにより個々の車両に応じて独自の外観をカスタマイズできる。(2012年10月2日付プレスリリースより)

設備投資

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
  2013年9月期 2012年9月期
全社 207.4 187.2
-特殊照明 37.8 43.0
-光半導体 62.8 62.4

国内投資

-ハロゲンランプやLEDなど将来性のある事業における生産能力を拡大する計画を発表。2011年度はドイツで従業員200名を増員。各拠点の動向、計画は以下の通り:
  • 直近1年間でEichstatt拠点に新たにハロゲンの生産ラインを設置するため、2本目の生産ラインを建設中。
  • Augsburg拠点についても未来構想を策定。LEDを利用した製品の生産や蛍光ランプの生産拡大に向けた中核拠点 (center of excellence) と位置付ける。
  • 中国江蘇省のLED組立工場に今後数年間で数億万ユーロを投じる計画。
(2012年11月30日付プレスリリースより)

-ドイツ Eichstattにおいてハロゲン生産ラインの起工式を行ったと発表。2013年夏よりハロゲンランプ用のバーナーを生産する。投資総額は10百万ユーロ超。Eichstatt拠点は1962年から操業を行っており、汎用ハロゲンランプ、自動車ライト用ハロゲンランプ、映画館で使用するキセノンショートアークランプなど年間約250百万個のランプを生産している。(2012年10月30日付プレスリリースより)

海外投資

<中国>
-2014年に中国無錫市においてLED組立工場を開設予定。