Leoni AG 2011年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ)
  2011年
12月期
2010年
12月期
増減率(%) 要因
全社
売上高 3,701.5 2,955.7 25.2 -
EBIT 237.1 130.7 81.4 -
ワイヤリングシステム部門
売上高 2,023.8 1,634.2 23.8 1)
EBIT 146.2 74.3 96.8 -
ワイヤー・ケーブル部門
売上高 1,677.7 1,321.5 27.0 2)
EBIT 90.9 56.3 61.5 -

 

要因

1)
ワイヤリングシステム部門

-2011年12月期の売上高は、前年比24%の増加。中国およびロシアの堅調な成長が要因。

-中国の2011年12月期の売上高は、前年比59%増加し、165.2百万ユーロ。

-ロシアの2011年12月期の売上高は、前年比約100%増加し、38.7百万ユーロ。

-米国においても売上は堅調に成長。商用車市場で力強く成長していること、また同社顧客のドイツ系自動車メーカーが躍進していることが要因。

2)
ワイヤーケーブル部門
-2011年12月期の売上高は、前年比27%の増加。自動車用標準ケーブルおよび特殊ケーブルが欧州、北米、アジアにおいて堅調に推移したことが要因。

企業買収

-韓国のワイヤーシステムメーカーDaekyeung T&G Co., Ltd.の株式残り50%を取得し、2012年1月1日付で完全子会社化すると発表した。Daekyeungは、韓国の釜山(Busan)に本社を置き、従業員約3,500名を抱える。中国山東省の蓬莱(Penglai)市、威海(Weihai)市に加え、新たに済寧(Jining)市に生産拠点を設置。済寧工場では2011年はじめから、まずGMの「Global Compact Platform」向けに生産を開始している。またLeoniは今後、既に取得している韓国の安山(Ansan)開発センターの拡張も行う予定。Daekyeungの2012年度の年間売上は、130-140百万ユーロの見込み。なお、Leoniは2008年6月にDaekyeungの株式50%を取得。両社は、2007年よりケーブルハーネスの共同開発を行っている。Leoniは韓国において、ワイヤー・ハーネスシステムをGM、双竜自動車(Saangyong)、Volvoなどに納入している。(2011年9月5日付プレスリリースより)

受注

ワイヤリングシステム部門
<乗用車>
-ワイヤリングシステム等の新規受注を獲得。対象モデルは、Mercedes 「B-Class」、BMW 「1 Series」、Citroen 「DS5」、日産 「X-Trail」、Cheverolet 「Malibu」、Opel 「Astra Touring」、同「Zafira」。

-GMより、「Volt」用電力分配器およびヒューズボックスを受注。

-Fiatより、Fiat・Chryslerの次世代エンジン用ケーブルハーネスを受注。

-PSAより、最新の排気技術を搭載したエンジン用のケーブルハーネスを受注。

-ドイツの高級自動車メーカーのコンパクトカー新プラットフォームに同社のワイヤリングシステムが搭載。

<商用車>
-欧州の有力メーカーから、グローバル市場向けの新型トラック用のケーブルハーネスを受注。

-欧州の商用車業界より、Euro-6およびEPA10(米国)排気基準適応の低公害トラック向けエンジン用ケーブルハーネスを受注。

-ドイツの有力トラックメーカーより、新モデル向けエンジン用ケーブルハーネスを受注。

-mia electricの電動マイクロバス「mia」向けに、高圧(HV)対応ワイヤリングシステムの生産を開始する。2011年第2四半期より供給する予定。ドイツを本拠とするmia electricは、フランスのCerizay工場で「mia」を生産している。2011年6月の生産開始から同年末までに、ドイツ・フランス市場において5,000台の供給を目指す。同社はGMのハイブリッド車Chevrolet 「Tahoe」、Cadillac 「Escalade」、Daimler「Mercedes-Benz B class」の燃料電池車に納入している。さらに最近、電気自動車Chevrolet 「Volt」向けに大電流対応部品の受注を獲得した。(2011年3月17日付プレスリリースより)

2012年12月期の見通し

全社
-2012年12月期の売上高は、3,800-4,000百万ユーロと予測。韓国子会社Daekyeungの売上(130百万ユーロ)が寄与すると見込む。同EBITは230-280百万ユーロと予測。

ワイヤリングシステム部門
-2012年12月期の売上高は、2,200-2,300百万ユーロ、同EBITは140-165百万ユーロと予測。Daekyeungの子会社や新規受注が寄与すると見込む。

-2012年においても堅調な成長が見込まれるアジア、特にインドおよび韓国に注力していく。

ワイヤーケーブル部門
-2012年12月期の売上高は、1,600-1,700百万ユーロ、同EBITは90-115百万ユーロと予想。

開発動向

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
  2011年12月期 2010年12月期 2009年12月期
合計 84.1 75.9 71.1

研究人員

(2011年12月31日現在)
  2011年12月期 2010年12月期 2009年12月期
合計 1,042 1,116 1,008

研究開発拠点

ワイヤリングシステム部門
-中国、ドイツ、フランス、英国、韓国、米国で実施。

ワイヤーケーブル部門
-主にドイツで実施。

製品開発

-自動車用バッテリーを接続する円形アルミ母線を開発した。このアルミ母線は、従来の銅ケーブルに比べて40-60%の軽量化を実現。同社は現在、欧州自動車メーカーからの初の量産受注に向けて、試作品の開発を行っている。2013年発売モデルへの搭載を目標とする。(2011年8月2日付プレスリリースより)

-銅・マグネシウム合金、銅・銀合金、銅・スズ合金等の代替材料を使用したケーブルを、ワイヤーシステム、ワイヤー・ケーブル部門が共同開発。従来型の銅製ケーブルに比べて、弾力性能を劣化させず、接続部分の0.13平方ミリメートル薄肉化を実現。

設備投資

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
  2011年12月期 2010年12月期 2009年12月期
ワイヤリングシステム部門 76.3 57.5 41.6
ワイヤー・ケーブル部門 53.7 43.4 37.1
全社 137.4 103.1 81.8

ワイヤリングシステム部門
<中国>
-中国の山東省済寧(Jining)市に新工場を開設したと発表。中国市場向けにワイヤーシステムを生産する。総投資額は約23百万ユーロで、工場面積は25,000平方メートル超。量産開始時に従業員約1,600名を雇用し、中期的には3,000名まで増員する見込み。また、同社は様々なモデル向けに受注を獲得しており、同拠点においては2011年中に、GM向けに3件の供給を開始する予定。なお、同社のWiring Systems部門は現在、12拠点を対象とした投資プロジェクトを計画している。まずはエジプトに2拠点、ウクライナとロシアに1拠点ずつ設立する。さらに、ブラジル、メキシコ、モロッコ、チュニジア、セルビアなどにも新工場を建設する予定。これらの拠点が完成すれば、同部門は30を超える生産拠点を保有することになる。(2011年11月4日付プレスリリースより)

<インド>
-2010年12月、インドのPune近郊に初のワイヤーシステム工場を設立した。ここからTata Cummins Ltd向けにディーゼルエンジン用ハーネスの供給を開始している。Tata CumminsはインドのTata Motorsと米国のCummins Engine Companyの合弁会社。工場面積は現在約1,300平方メートルだが、今後6,000平方メートル以上に拡大が可能。なお、従業員数は2011年末までに約240名に達する予定。(2011年1月12日付プレスリリースより)

ワイヤーケーブル部門
-主に、利益率が高い製品の製造能力増強に投資。特殊ケーブル用のラインを中国とメキシコに新設。