Leoni 2007年度の動向

ハイライト

業績
(単位:
百万ユーロ)
2007年度 2006年度 増減率(%) 要因
グループ
売上高 2,366.8 2,108.2 12.3% -
EBIT 129.6 130.2 (0.8%)
ワイヤー・ケーブル部門
売上高 1,154.0 668.6 19.5% -
EBIT 67.6 42.0 7.1%
ワイヤーシステムズ部門
売上高 954.2 879.4 3.4% -製品納入先の一部のモデルの年間生産台数が、2007年度の予算に比べ減少したにもかかわらず、当部門からの売上高は3%程度増加して986百万ユ ーロ。 Mercedes-Benz AクラスおよびBクラス、GM Astra および Zafira モデル、FordのLand Rover ラインナップ、BMW の1シリーズおよび3シリーズ並びにX5向けワイヤーシステムおよびケーブルハーネスからの売上が大きく寄与。
-現在、車両に搭載される電装品が増加する傾向にあり、それに伴ってワイヤーシステムがさらに複雑化していることが、さらなる成長の基盤となった。
EBIT 61.8 61.4 (7.2%) 計画に織り込み済みであるが、新プロジェクトにおける生産立ち上げ前の費用が発生したため、収益は低下。 しかし、厳格な原価管理と販売増により、この減益の影響は予想より小さなものとなった。 利息・税金控除前利益(EBIT)は56.7百万ユーロ(2006年度は61. 1百万ユーロ)。 この結果にはドイツ国内外の各種施設に関するリストラ費用(580百万ユーロ)を織り込み済み。


量産の開始

-2007年度、各種新プロジェクトにおいて量産が開始された。新型Smart、Audi R8 スポーツカーおよび中国の自動車メーカー、SAIC の Roewe 750モデル向けワイヤーシステムの供給を開始。
電子パワートレイン用のケーブルハーネスの納入先であるGMのChevrolet Tahoe および GMC Yukon ハイブリッド車に製品を供給すると同時に、注目のハイブリッド市場にも進出。
商用車セクターでは、エンジンメーカー、Cumminsに製品の供給を開始。これにより、商用車セグメントにおいて、アジアを含む世界市場でのプレゼンスを強化した。


受注
-2007年度も前年度の好調を維持し、主要プロジェクトにおいて受注を獲得。 これらプロジェクトの受注は、2008年度~2009年度の生産量に大いに寄与することが見込まれる。これらの受注に関連して、Audi、BMW、General Motors、Mercedes-Benzなどの顧客をはじめ、各商用車メーカーからの売上は2010~2011年度にピークに達する。2007年度の新規受注の総額は約10億ユーロ。
特に注目されるプロジェクトは、現在GMに対して準備を進めているプロジェクトで、 コンパクトカーカテゴリーの世界的新プラットフォーム用のワイヤーシステムの開発および生産をGMから受託。


アジアにおいて加速する活動
-2007年度もアジア市場において活動を強化。
-ワイヤーシステム部門は中国で3拠点を運営。
-エンジンメーカーのCumminsや多数の現地メーカーに加え、将来、中国にあるMercedes-BenzおよびGMの拠点に製品を供給する。 また、好調な需要を受け、上海に建設された生産拠点の生産能力 を現在、2006年度の2倍に増強中。
-韓国では、2007年2月にソウルに開設されたエンジニアリングセンターの活動も活発化。
-GMの世界的プロジェクトの一環として、韓国の提携先であるDaekyeungと共同でケーブルハーネスを開発中。 この新拠点は、韓国メーカーへの納入拡大の足がかりとしての役割を果たす。


新部品事業 部門
-2007年度は、製品ラインの拡充を図る戦略において、電気・電子システム部品に関する活動をさらに強化した。
昨年度、 同事業部門は、BMWやGMなどの顧客や商用車メーカーから初めて受注。
2007年8月、コンポーネント事業部門を設立。 センサーおよびスイッチ分野に進出することで、取扱製品の拡大を図る。
2007年、特許取得済みのLEONI SensoFiber(R)ピンチガードおよびFlamecon(R)テクノロジーの開発契約を新規顧客と締結した。


企業買収
-フランス最大の部品サプライヤー、Valeoのワイヤーシステム事業を買収。 Valeo Connective Systems (VCS)の買収契約は2007年10月16日に調印され、2008年1月2日に発効した。VCS は、社名をLEMONI Wiring Systems Franceに変更し、本拠をベルサイユ近郊のMontignyle-Bretonneuxに置く。同社は自動車用ワイヤーシステムと関連部品の開発、生産、流通を行い、自動車部品サプライヤー数社並びにPSA、Renault-Nissan、FiatおよびSeatに製品を納入する。
2007年度のVCSの売上高は553.5百万ユーロ。従業員数は12,120名。12の生産拠点を保有し、その大部分がチュニジアおよびモロッコに配置されている。

-2008年1月末、アジア市場におけるダイナミックな成長を目的として、LEONI Bordnetz-System GmbHは、韓国のワイヤーシステムメーカーであり、現在の合弁先企業であるDaekyeungの株式の50%を取得する契約に調印した。 その後、最大5年以内にDaekyeungの発行済み株式を 取得する合意がなされた。 同社は韓国の大手ベンダーで、この買収により、特装車メーカーのVolvo Construction Equipment並びに、GMと大宇の合弁会社であるGM DAT、SsanYong Motorsなどの主要自動車メーカーとの直接取引が可能になる。 Daekyengは韓国釜山に本拠を置き、中国に2つの生産工場を保有する。従業員数は1,900名。


ロシアでの事業拡大
-急成長 を遂げているロシア市場への参入を目的として、ワイヤーシステム部門はLEONI Wiring Systems Franceの現地提携先企業と合弁企業設立の準備を進めている。 これに関連して、現在新生産拠点の建設が進められており、早ければ2008年の第2四半期に操業を開始し、現地のRenault-Nissanに製品を供給する。


部門別業績見通し
-2008年度のワイヤーシステム部門の売上高は大幅に増加して約16億ユーロに達する見込み。 このうち、LEONI Wiring Systems France (LWS France) の約6億ユーロが寄与する。 LWS Franceは、Fiat、PeugeotおよびRenaultなどで2008年度に開始される各種量産に関与する。
-その他、Audi、BMW、Mercedes-Benz、GMの新モデルに対する主要プロジェクトは予定どおりに開始される。 現在の見込みでは、2009年度の売上高は、上記およびその他の製品投入によってさらに増加すると予測する。
-2008年度、中国、メキシコ、チュニジア、ウクライナの生産拠点の能力増強を含め、ワイヤーシステム部門で大規模な設備投資を実施する予定。 また、メキシコに新規工場も建設 する。 LWS France の生産拠点(特にモロッコおよびチュニジアの生産拠点)でも、新規受注に対処するため、大規模な拡張工事が必要となる。
-ロシアにおける事業拡大に伴い、追加支出の予算を編成。

開発動向

研究開発費
(単位:百万ユーロ) 2007年度 2006年度 2005年度
合計 55.9 47.2 41.9

-Kitzingenにおけるワイヤーグシステム部門の本部以外に、全世界に開発拠点を保有する。 2007年度の第1四半期には、エンジニアリングセンターをソウル(韓国)に新設。 また、米国、英国、スロバキア、チュニジア、中国にも開発センターを保有。
-Intedis合弁会社は、複雑なワイヤーシステム構造の設計およびシミュレーションでワイヤーシステム部門をサポートする。 将来的には、モロッコのサブオフィスと共に最近買収したフランスのR&Dセンターもコンピテンスセンターの国際ネットワークにおいて重要な役割を果たす。


製品開発
Flamecon®
-2007年11月以降、新設された技術&技術革新(Technology & Innovation)部門がワイヤーシステム部門の基礎研究を担当し、 特に、Flamecon(R)プロジェクトを継続して実施。 これには、マスク剤や化学物質を使用しない電導性のコーティング加工が必要で、多種多様な用途に新しいソリューションを提供する。 2008年度に、外部の提携先と共同で初の量産を行うプロジェクト準備が進行中。 このプロジェクトの製品の量産は2009年度に開始される予定。この製品のその他の応用分野として、ソーラー産業や自動車業界向けの3次元電子部品などがある。 さらに、フレキシブルプリント回路の低コスト生産に向けてFlamencon(R)を使用する研究 にも着手した。

PinchGuard®
-現在進行しているもう1つの開発プロジェクトとして、PinchGuard(R)がある。 PinchGuardは、自動車 のウインドウ、ドア、およびテールゲート用の特許取得済みの挟み込み防止システムで、光ファイバーをベースとした非常に高感度のオプトエレクトロニックセンサー によって機能する。 このプロジェクトは2007年に開始され、業界からの関心も高まっている。 この製品の実用化は2009年までに実現される見込み。
多数の新規受注に伴って、基礎研究以外に、特定用途に対する開発も大幅に増加した。 これらの開発では、主に特製のケーブルハーネス、配線システムおよび関連部品の設計および開発を伴う。

SAE 2007 World Congress情報
<展示ハイライト>

今回注目すべき点は?
-ワイヤハーネス(乗用車およびトラック用)
-BEC: バス・エレクトリカル・センター(Bus Electrical Centers )(バス)
-スマートボックス(Smart box)
-成形射出ハーネス/ケーブル
-グロメット
-コネクター(大型トラック用)

のモデルに搭載されているか?
欧州-Europe: GM, DaimlerChrysler, Ford, BMW, Mercedes
-米国: GM, DaimlerChrysler

どこで生産されているか?
-ドイツ、メキシコ

設備投資

設備投資
(単位:百万ユーロ) 2007年度 2006年度
ワイヤーシステムズ部門 37.7 79.3
全社 93.7 194.8


海外投資

-2007年度は、新規受注および既受注分の対応に対する投資を中心に実施。これに伴い、ウクライナ並びに中国、メキシコ、チュニジアの生産拠点の能力増強を図るとともに、開発業務を強化。 さらに、南米に生産を移転した Mercedes-Benz Cクラススポーツクーペ向けの部品を供給するため、ブラジルに新生産拠点を設立。 この能力増強に関する投資が2007年度の設備投資額の大部分を占めた。主に無形資産並びに有形資産に投資され、これによりワイヤーシステム部門の投資額は前年度の33.1百万ユーロから増加して37.7百万ユーロとなった。