Johnson Matthey Plc 2018年3月期の動向

業績

(単位:百万ポンド)
2018年
3月期
2017年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 14,122 12,031 17.4 1)
営業利益 359 493 (27.2) 2)
部門別売上高
排気コントロールテクノロジー 2,454 2,224 10.3 3)
貴金属製品 956 919 4.0 4)
新規事業 312 308 1.3 5)


要因
1) 全社売上高
-2018年3月期の売上高は、前年比17.4%増の14,122百万ポンド。売上増は貴金属の価格の高騰によるもの。

2) 営業利益
-2018年3月期の営業利益は、前年比27.2%減の359百万ポンド。減益は、主要な減損および事業再編費用90百万ポンドと2018年2月の訴訟の和解費用50百万ポンド計上によるもの。

3) クリーンエアー

-2018年3月期のクリーンエアー事業の売上高は、前年比10.3%増の2,454百万ポンド。

<ライトビークル用触媒事業ユニット>
-ライトビークル用触媒事業ユニットの売上高は、前年比4.3%増の1,564百万ポンド。欧州売上高は横ばい、北米およびアジア地域では車両生産台数の増加分を超える伸びを示した。

<大型ディーゼル触媒事業ユニット>
-大型ディーゼル触媒事業ユニットの売上高は、前年比24.0%増の846百万ポンド。クラス8トラック市場が堅調で、欧州で受注を獲得。アジア地域における生産増も売上増に寄与。

4) 天然資源
-2018年3月期の天然資源セクターの売上高は、前年比4.0%増の956百万ポンドとなった。

<先端ガラステクノロジー>
-先端ガラステクノロジー事業の2018年3月期売上は、2016年末までに積み上がった在庫の調整により前年比3.5%増の82百万ポンド。

3) 新規事業
-新規事業の売上高は、前年比1.3%増の312百万ポンドとなった。

<代替パワートレイン (Alternative Powertrain)>
-代替パワートレイン事業の売上高は、前年比2.5%減の156百万ポンド。燃料電池の売上が伸長したが、リチウムリン酸鉄電池材料の売上減が一部相殺。

事業売却

-Cumminsに自動車用バッテリー事業を売却。電気自動車(EV)とハイブリッド車用の高電圧バッテリー事業を専門とする同社子会社を売却した。また、両社は大型トラック向け高エネルギー電池材料の共同開発についても合意している。(2018年1月31日付プレスリリースより)

2019年3月期の見通し

-同社の2019年3月期の業績は、1桁台の増加を予想。

研究開発費

(単位:百万ポンド)
  2018年3月期 2017年3月期 2016年3月期
全社 193 201 188

 

研究開発費内訳 (%)
部門 2018年3月期
クリーンエアー 41
天然資源 21
ヘルス事業 13
新規事業 9
本社研究 16
合計 100

研究開発体制

-研究開発部門の従業員はおよそ1,450名。

研究開発人員割合 (%)
部門 2018年3月期
クリーンエアー 41
天然資源 22
ヘルス事業 6
新規事業 11
本社研究 20
合計 100

研究開発拠点

-排気コントロールテクノロジー部門は以下8カ国にR&Dセンターを保有:

  • ブラジル
  • 中国
  • ドイツ
  • 日本
  • 韓国
  • スウェーデン
  • 英国
  • 米国


-燃料電池事業ユニットの研究開発は、英国のSonning Common拠点にて行なわれている。

製品開発

高エネルギーバッテリー向けeLNOカソード材料
-2017年9月、同社は自動車用バッテリーへの投資を発表するとともに、高エネルギーバッテリー向けのカソード材料リチウムニッケルオキサイド (eLNO) への開発投資を行うと発表した。同社は、9カ所の拠点で開発を進めるという。eLNOによりエネルギー密度の向上が可能で、EV向けとして性能およびコストの向上が期待できるという。

設備投資額

(単位:百万ポンド)
  2018年3月期 2017年3月期
クリーンエアー 71 89
天然資源 49 53
ヘルス事業 40 57
新規事業 18 26
コーポレート 39 40
合計 217 265

 

-2018年以降バッテリー材料技術に200百万ポンドを出資すると発表した。電気自動車の普及率が10%上昇した場合、300億ドル超の市場規模になると見込まれる。(2017年9月20日付プレスリリースより)

-2019年3月期の設備投資は、約390百万ポンド。以下の主要な投資を計画:

  • ポーランドおよび中国のクリーンエアー工場への投資
  • eLNO高密度バッテリー材料の試作および量産工場への投資

海外投資

<ポーランド>
-クリーンエアー事業のポーランドにおける新工場の建設を完了。自動車用触媒、特に欧州のディーゼル乗用車の需要増に対応する。

<ドイツ>
-2018年3月期、同社はドイツにおいて白金族金属触媒への投資を継続。