GRAMMER AG 2011年12月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万ユーロ) |
2011年 12月期 |
2010年 12月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 1,093.5 | 929.7 | 17.6 | 1) |
EBIT | 49.4 | 32.9 | 50.2 | - |
自動車部品部門 | ||||
売上高 | 680.3 | 610.2 | 11.5 | 2) |
EBIT | 26.9 | 21.4 | 25.7 | - |
シートシステム部門 | ||||
売上高 | 438.0 | 341.9 | 28.1 | 3) |
EBIT | 30.6 | 17.6 | 73.9 | - |
要因
1) 全社
-2011年12月期の売上高は、前年比17.6%増加の1,093.5百万ユーロとなり、過去最大の売上を記録。
-全ての地域で売上が増加。特に欧州は、前年比21.7%の増加と伸張した。上半期のシートシステム部門が堅調に推移したこと、自動車部品部門において、高級車の需要およびドイツの自動車メーカーの輸出が旺盛であったことが寄与。
2) 自動車部品部門
-全ての四半期において、売上が二桁成長を達成。高級車の需要およびドイツの自動車メーカーの輸出が旺盛であったことが寄与。
-全ての地域で売上が増加。欧州は、新規受注が売上を押し上げ、製造設備のキャパシティが限界に達するほど需要が旺盛であった。
-中国市場および同社の顧客が堅調な伸びを見せたことも、売上増加に寄与した。
3) シートシステム部門
-オフロード車およびトラック市場で、受注が増加したことが寄与し、2011年の売上は前年比28.1%増と力強い成長を達成。
-トラック市場においては、南米地域、特にブラジル市場の売上の伸びが顕著であった。また、経済成長に伴い、欧州と中東が大きく伸びた。
企業買収
-同社は、VADO (van doorne's) Financieringsmaatschappij N.V.およびDACO N.V.より、ベルギーのEiA Electronics N.Vの株式100%を取得したと発表。買収金額は、10.5百万ユーロ。EiA Electronicsは、商用車用エレクトロニクス部品の開発・販売を行っている。2010年の売上は約20百万ユーロ。EiA Electronicsの製品には、ディスプレイ、コンソール、コントローラー、通信モジュール、センサーなどが含まれる。今後Grammerは、同社のシート製品にEiAのエレクトロニクス製品を統合していく考え。(2011年7月26日付プレスリリースより)工場閉鎖
-2011年8月、世界規模で生産体制の最適化を図っており、その一環としてドイツAmberg近郊のImmenstetten工場を閉鎖。受注
-サスペンション構造のシート「MSG 115」が、2011年9月末に生産開始したDaimler 「Mercedes-Benz Actros」に標準搭載されると発表。「MSG 115」は、前後のアイソレーターによって水平振動・衝撃を最適に吸収するとともに、9ステップ式アジャスタブルショックアブソーバーがサスペンションの快適性を向上させる。なお、「MSG 115」向けの金属部品は、同社のドイツ・Haselmuehl工場で生産されている。シートカバーとアームレストを生産しているのは南欧の複数拠点。最終組立は、チェコ・Tachov工場で行われている。(2011年12月7日付プレスリリースより)-2011年第4四半期に、合弁事業のパートナーであるMagna Seatingと共同で、PaccarからKenworth 「T700」およびPeterblit 「587」向けのGT700シートを受注。
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万ユーロ) |
2011年12月期 | 2010年12月期 | 2009年12月期 | |
合計 | 37.7 | 32.4 | 32.2 |
R&D拠点
-中国、トルコ、ブラジル、米国にR&Dセンターを保有。-2011年、同社はR&Dセンターの新設を計画中。同センターでは、新製品の開発、ハイブリッド等の新素材の研究だけでなく、レーザー溶接やガス射出成形等の製造工程の開発も実施予定。
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万ユーロ) |
2011年12月期 | 2010年12月期 | 2009年12月期 | |
全社 | 37.6 | 38.1 | 32.7 |
自動車部品部門 | 14.8 | 22.0 | 22.4 |
シートシステム部門 | 22.1 | 15.8 | 9.5 |
設備投資
<自動車部品部門>-2011年の設備投資額は、14.8百万ユーロ(32.7%減)と前年比で大きく減少。主に、顧客のプロジェクト用の新規生産設備と、長春市(中国)、メキシコおよびSchmolln(ドイツ)の生産能力の拡張に投じられ、自動化および低コスト生産地域の製造工程の最適化・効率化に使用された。
-統合型センターコンソールの生産では、受注を獲得していることもあり、大規模な投資が行われた。同製品は同社の将来の成長に重要な役割を担う。
-生産拠点各所にリーン生産技術を採用し、生産能力の強化を推進。
<シートシステム部門>
-2011年の設備投資額は、前年比39.9%の増加。チェコおよびドイツにトラック用シート「MSG 115」に関する投資を実施。また、南米地域の需要増加に対応するため、ブラジルの製造拠点拡張に投資。
<2012年見通し>
-2012年の設備投資額は、今期(2011年12月期)とほぼ同程度なる見通し。成長のドライバーであるNAFTA地域およびアジア市場に対して、投資を強化。また欧州地域においても、センターコンソールの生産、トラック用シートの大規模受注への対応、また研究開発キャパシティの最適化に投資予定。
国内投資
-シート用金属部品の生産拠点であるAmberg近郊のHaselmuhl工場において、金属部品の競争力向上のため、新しい加工技術および製造システムに対する5百万ユーロ以上の投資を実施。海外投資
<チェコ>-「MSG 115」トラックシートの最終組立および流通機能を付加するため、Tachov工場を拡張。