GKN Plc 2010年12月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万ポンド) |
2010年 12月期 |
2009年 12月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 5,084 | 4,223 | 20.4 |
- |
営業総利益 | 411 | 156 | 163.5 |
- |
売上高-ドライブライン部門 | 2,433 | 1,803 |
34.9 |
1) |
売上高-粉末冶金部門 | 759 | 512 | 48.2 |
2) |
要因
1) ドライブライン部門
-同社のグローバル基盤、新規受注、政府の補助政策が徐々に終了したことで需要がより正常のセグメントへ戻ったこと、また、同社が欧州高級車向けで強みを持つことが寄与。
2)粉末冶金部門
-自動車業界の回復と、新規プログラムが生産に入ったことが寄与。
受注
-ドライブライン部門の受注は2010年度も好調に推移。プロペラシャフト、AWDカップリング、電子デフロッキング、オープンデフなどの受注が相次いだ。また、ハイブリッド車向けの製品も北米、日本、欧州にて複数受注した。
<受注例>
プロペラシャフト
-Audi A8 2010年モデル用ダイレクトトルクフロー(DTF)プロペラシャフト
-ボルボ、メルセデス、日産向けプロペラシャフト
AWDカップリング、コントロール、ディスコネクト
-BMW Mini Countryman ALL4 クロスオーバー、Dacia Duster 用電磁制御デバイス
-日本カーメーカー用次世代高効率電磁制御デバイス
フェイススプライン技術及びツインボールCVJ
-BMW 7シリーズにはすでに搭載済み。新型の5、6シリーズに2011年末に搭載予定。
eドライブシステム
-Peugeot 3008 ハイブリッド4 (2011年立ち上げ)用 "eアクスル"
-北京汽車のEV(デモカー)用 "eトランスミッション"
開発動向
研究開発体制
ドライブライン部門は、ドイツ、北米、日本に3つのR&D拠点を保有。また、14のアプリケーションセンターを保有。製品開発
-Countertrack (TM) 等速ジョイント高効率及び燃料消費の低減
SX8 47標準タイプは2013年に立ち上げ予定
-フェイススプライン ハブ接続
軽量、接続時の緩みを除去
BMW 7シリーズに搭載済み。また、新型BMW 5シリーズ、6シリーズにも2011年末に搭載予定。
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万ポンド) |
2010年12月期 | 2009年12月期 | |
自動車部品事業 | 73 | 73 |
粉末冶金事業 | 27 | 10 |
中国、インド、北米の需要に対応するために現在行っているドライブシャフトの生産能力増強工事により、今後4年間で約60%の増強となる計画。
海外投資
<中国>-中国・吉林省長春(Changchun)市で新工場の建設に着手する。2011年より等速ドライブシャフトを年間100万本生産し、中国国内市場に供給する。その後、生産能力を年間300万本に引き上げる計画。なお、長春の新拠点はGKNにとって、中国で12番目の生産拠点となる。(2010年4月28日付プレスリリースより)
-吉凱恩扭矩技術系統(上海)有限公司(GKN Driveline Torque Technology (Shanghai) Co., Ltd.)でのデファレンシャルの年産能力を2010年中に60万個超に引き上げると発表した。この拠点では2010年7月から四輪駆動車用パワーテイクオフユニット(PTU)の生産を開始する予定。また、「Shanghai Technical Center」の機能を拡充する計画も明らかにした。同センターでは現在、中国自動車メーカーの小型車(国内仕様車)向けに供給する新型ドライブラインシステムを開発中。(2010年4月28日付プレスリリースより)
<トルコ>
トルコでサイドシャフトの生産を開始したと発表。現地に生産拠点を持つトヨタ、ホンダや欧州自動車メーカーへの供給、サービス体制の強化をねらい新たに生産進出したもので、投資額は700万トルコリラ(290万ポンド) 以上。順次、従業員数を250人に増員し、年産200万個の生産体制を確立する計画。新工場は、ルノーやフィアットの合弁拠点などがあるトルコ自動車産業の中心地、ブルサの近隣に建設した。規模は敷地面積が3万8千平方メートル、建屋が3千平方メートル。(2010年7月27日付日刊自動車新聞より)
<インド>
-Puneで取得した工場用地では2012年から生産を開始する予定。
-2011年第4四半期より、Oragadam の精密鍛造工場の稼動を開始予定。