Dana Holding Corporation 2014年12月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万ドル) |
2014年12月期 | 2013年12月期 | 増減率 (%) | 要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 6,617 | 6,769 | (2.2) | - 減収は外国通貨安が主因。 |
修正EBITDA | 746 | 745 | 0.1 | - |
地域別売上高 | ||||
北米 | 3,126 | 2,958 | 5.7 | 1) |
欧州 | 1,978 | 1,994 | (0.8) | |
南米 | 771 | 983 | (21.6) | |
アジア・太平洋 | 742 | 834 | (11.0) |
要因
1)
<北米>
-2014年12月期の売上高は前年比5.7%増。小型車と中大型商用車の生産拡大が寄与。
<欧州>
-2014年12月期の売上高 は前年比ほぼ横ばい。主力のオフハイウェイ向けは軟調に推移したが、小型車の増産効果がこれを補った。
<南米>
-2014年12月期の売上高は前年比21.6%減。ブラジルレアル安、アルゼンチンペソ安、ベネズエラによるボリバル通貨の切り下げが主因。外国通貨安の影響を除くと、売上高は約4%の減収。
<アジア・太平洋>
-2014年12月期の売上高は前年比11.0%減。インドルピー、タイバーツ、豪州ドル、日本円などの外国通貨安が響いた。
ベネズエラ事業の売却
-2015年1月にベネズエラ子会社 C.A. Danavenを現地の独立系企業 Manufacturing and Logistics Solutions Ltd. (MLS) に売却。C.A. DanavenはValenciaとGuacaraに生産工場を持ち、約540名の従業員を抱えていた。売上規模は2014年12月期ベースで110百万ドル。C.A. Danavenの事業はMLSが引き継ぎ、DanaはTier 2 としてMLSにアクスル部品を供給する。受注
カーメーカー/ブランド | モデル | エンジン/モーター | 搭載部品 |
GM | Cadillac 「CTS」 | HFV6 3.0L / HFV6 3.6L LY7 | 「Victor Reinz」 シリンダーヘッドガスケット、エキゾーストガスケット、セカンダリーガスケット、インテークマニホールドガスケット、ヒートシールド、バルブシール |
Gen IV 6.0L LSA | ヒートシールド、エキゾーストマニホールドガスケット | ||
Chevrolet 「Corvette Stingray」 | 「Victor Reinz」 エキゾーストガスケット、セカンダリーガスケット、ヒートシールド、「Long」 トランスミッションオイルクーラー、デフオイルクーラー、エンジンオイルクーラー | ||
Chevrolet 「Silverado」 | 「Victor Reinz」 ヒートシールド。ヘビーデューティバージョン向けに 「Long」 トランスミッションオイルクーラー | ||
Chrysler | Ram 「1500」 2014年モデル | EcoDiesel | 「Spicer」 リアドライブシャフト、「Victor Reinz」 エキゾーストガスケット、「Long」 アクティブウォームアップシステム |
ホンダ | 「Accord」 2014年モデル | 「Victor Reinz」 シリンダーヘッドカバーモジュール | |
Audi | 3.0L TFSI スーパーチャージャーDOHC V型6気筒 | 「Victor Reinz」 シリンダーヘッドガスケット、セカンダリーガスケット | |
Chrysler | Ram | 3.0L ターボディーゼルDOHC V型6気筒 | 「Victor Reinz」 エキゾーストガスケット、「Long」 アクティブウォームアップ |
Fiat | 83kW電気モーター | 「Long」 バッテリー冷却器 | |
GM | Chevrolet | 6.2L OHV V型8気筒 | 「Long」 エンジンオイルクーラー、「Victor Reinz」 セカンダリーガスケット、エキゾーストガスケット、ヒートシールド |
ホンダ | 3.5L SOHC V型6気筒 | 「Victor Reinz」 シリンダーヘッドカバーモジュール | |
Volkswagen | 1.8L ターボチャージャー DOHC 直列4気筒 | 「Long」 エンジンオイルクーラー |
受賞
-Hino Trucksより 「Excellence in Quality Improvement Award」 を受賞。同社は米国のオハイオ州Limaおよびインドのカルナータカ州Jodalliの組立工場から、ドライブシャフトを日野に納入している。これらの製品は、日野の中型トラックやトヨタのピックアップトラック 「Tundra」 などに採用されているという。(2014年6月17日付プレスリリースより)
-ブラジルのSorocaba工場がトヨタより 「Quality Excellence Performance Award」 を受賞。また、同社のコロンビアのBogota工場は、GMより 「Supplier of the Year」 をパワートレイン・シャシー部門で受賞している。ブラジル工場の受賞は、トヨタ 「Hilux」 のピックアップトラックおよびSUV向けに納入したリアアクスル部品が評価されたもの。一方のコロンビア工場は、GM向けのドライブシャフト、アクスル、モジュールの納入のほか、優れたカスタマーサービスなどが評価された。(2014年6月3日付プレスリリースより)
2015年12月期の見通し
-売上高 6,400 - 6,500百万ドル 、修正EBITDA 740-760百万ドル。開発動向
研究開発費 |
(単位:百万ドル) |
2014年12月期 | 2013年12月期 | 2012年12月期 | |
全社 | 176 | 165 | 161 |
売上高に占める割合 (%) | 2.7 | 2.4 | 2.2 |
研究開発拠点
-テクニカル&エンジニアリングセンター: 8拠点 (独立組織)-その他テクニカル&エンジニアリングセンター: 7拠点 (工場内)
-インドのPuneに技術センターを開所。面積は8,000平方メートル。240名超の技術者が勤務し、インドや周辺諸国の乗用車・商用車・オフハイウェイ車メーカー向けにエンジニアリングサービスを提供する。新センターでは、同社の全製品に関する設計・有限要素解析・試験を1カ所で行うことが可能になるという。製品開発に向けた電子制御実験室、試験エリア、材料開発ラボ、試作品開発室、NVHなどの性能分析室も備える。インドにおける主な納入先は、Ashok Leyland、Caterpillar India、Deere、 Force Motors、Ford India、General Motors India、Mahindra & Mahindra、Mahindra Trucks and Buses、TAFE、Tata Motors、VE Commercial Vehicleなど。輸出先には、Caterpillar、Ford、Land Rover、日産、Renault、Still、トヨタが含まれる。(2014年1月28日付プレスリリースより)
新技術・新製品
アルミ製冷却技術-EV・HV向けに新たなアルミ製冷却技術を発表。同社の 「Long」 ブランドのバッテリー冷却プレートにアルミを採用している。この冷却プレートは、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ (IGBT) スイッチを冷却するもの。このIGBT冷却プレートの生産は、カナダのオンタリオ州CambridgeにあるDanaの工場で、2015年はじめに開始される予定。(2014年11月3日付プレスリリースより)
ステアアクスル
-ステアアクスル 「Spicer E-Series」 の新製品を追加。高性能・高耐久性を持ち、最大35ポンドの軽量化を実現した。2015年上期に発売予定で、アクスルの総重量が10,000~13,200ポンドのオンハイウェイ車、配達車両、バス向けのシャシー部品に採用されるという。(2014年3月27日付プレスリリースより)
-ステアアクスル 「Spicer D-Series」 の新製品ラインを開発。エアディスクブレーキによる重量の増加を抑えて、制動力を向上させるとともにメンテナンスを軽減する。アクスルの総重量が10,000~14,600ポンドの車両向けとなる。統合エアディスクブレーキ用ナックルを用いることで、Sカム式ドラムブレーキアクスルシステムの重量を増やすことなくエアディスクブレーキを設定することが可能になるという。(2014年3月27日付プレスリリースより)
シリンダーガスケット
-次世代シリンダーヘッドガスケット 「Victocor 500」 をMid-America Trucking Show (MATS) で展示。燃焼シールの安定性と半径方向強度を強化するため、従来のヘッドガスケットに比べて3倍の厚さのスチールコア層を採用している。(2014年3月27日付プレスリリースより)
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万ドル) |
2014年12月期 | 2013年12月期 | 2012年12月期 | |
小型車 | 129 | 82 | 47 |
商用車 | 38 | 40 | 30 |
オフハイウェイ | 23 | 33 | 22 |
パワーテクノロジー | 30 | 33 | 24 |
消去他 | 14 | 21 | 41 |
合計 | 234 | 209 | 164 |
海外投資
<中国>-中国江蘇省の無錫 (Wuxi) 工場において、Victor Reinzのメタル積層 (MLS) シリンダーヘッドガスケット、エキゾーストガスケット、トランスミッションバルブボディセパレータープレートの生産を開始。12,000平方メートルのテクニカルセンターでは、エンジニアリングから生産までを一貫して行い、無錫拠点におけるVictor Reinzのシーリング製品の開発・生産を可能にする。主要顧客の中国拠点のほか、アジア太平洋地域の顧客にも即時にサービスを提供していく。(2014年5月20日付プレスリリースより)