The Goodyear Tire & Rubber Company 2018年12月期の動向
業績 |
(単位:百万ドル) |
2018年 12月期 |
2017年 12月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 15,475 | 15,377 | 0.6 | 1) |
営業利益 | 1,274 | 1,556 | (18.1) | 2) |
要因
1) 売上高
-2018年12月期の売上高は前年比0.6%増の15,475百万ドル。価格上昇および製品構成により売上高は増加となったものの、主に米州における為替の影響により一部相殺された。
2) 営業利益
-2018年12月期の営業利益は前年比18.1%減の1,274百万ドル。原材料価格の増加、その他タイヤ関連製品の収益減、販売費及び一般管理費の増加、米州を中心とする為替の悪影響および販売価格の減少などによる。一部は加工費の減少により相殺された。
企業動向
-米ミシガン大が主導する官民研究機関「Mシティ」の研究に参画すると発表した。同社は、Mシティの試験施設で電気自動車や自動運転車をテストすることで、次世代車向けのタイヤや、タイヤに関わるセンサーの開発を加速する。Mシティには、実際の市街地や郊外の道路環境を再現した走行実験施設がある。自動車メーカーや部品メーカー、半導体メーカー、保険会社などが自動運転やデータの収集、高度道路交通システムなどの技術開発を目的に60社が参画している。グッドイヤーは参画企業の中で唯一のタイヤメーカーとなる。同社は、自動運転車やライドシェアサービスなどを見据えた研究開発に注力しており、Mシティへの参画を決めた。(2018年6月13日付日刊自動車新聞より)
受注
-日本グッドイヤーは、高性能タイヤ「Eagle F1 Asymmetric SUV」が、2018年秋に発売予定のMercedes-Benz新型G-Classの「Mercedes-AMG G63」に採用されたと発表した。「Eagle F1 Asymmetric SUV」は、SUVの車体重量を考慮して設計されたグッドイヤーの高性能タイヤ。「アクティブコーナーグリップテクノロジー」を採用し、SUVを運転する楽しさをサポートする。装着サイズは295/40R22 112W。(2018年10月23日付 プレスリリースより)
受賞
ー優れた部品サプライヤーとして、スバルの米子会社 (Subaru of Indiana Automotive, SIA)から「優秀賞(Excellent Performance Award)」を受賞したと発表した。GoodyearがSIAとの協力において卓越した成果を上げたことが評価された。Goodyearは、2005年からSIAに新車装着用タイヤを供給。スバル「Tribeca」や、「Legacy」3車種に採用されている。(2018年5月24日付 プレスリリースより)
ー社会および環境に対し、大きな役割を果たしたHonda North Americaの新車装着用タイヤ (OE) サプライヤーに贈られる「Supplier Sustainability Award」を受賞したと発表した。Honda North Americaの500以上ある北米OEサプライヤーの中で、同賞を受賞したのはGoodyearのみ。Goodyearは、Honda North Americaに30年以上にわたりタイヤを供給。最近では、Honda「Accord」やAcura「RDX」「TLX」に採用されている。(2018年5月9日付 プレスリリースより)
研究開発費 |
(単位:百万ドル) |
2018年12月期 | 2017年12月期 | 2016年12月期 | |
全社 | 424 | 406 | 388 |
研究開発拠点
-イノベーションセンターを2カ所 (米国Ohio州Akron、ルクセンブルグColmar-Berg)、研究開発センターを3カ所 (米国Ohio州Hebron、ドイツHanau、中国大連市普蘭店区)、タイヤ性能試験場を7カ所保有している。
製品開発
ー2018年のジュネーブ国際モーターショーで、「Electric Drive Technology」(電気駆動技術)を搭載したタイヤ「EfficientGrip Performance」を披露した。EV市場に向けた同試作タイヤは、2019年までの導入が目標。同社は、よりクリーンでより便利な都市型モビリティをサポートするコンセプトタイヤ「Oxygene(オキシジェン)」も発表した。このタイヤは、サイドウォール内で苔を生息させるユニークな構造が特徴。さらに、同社はインテリジェントタイヤのプロトタイプも出展。タイヤ、センサー、クラウドベースのアルゴリズムを含む完全なタイヤ情報システムで、フリート・オペレーターはモバイルアプリを使ってタイヤ情報をリアルタイムで共有できるようになるという。(2018年3月9日付プレスリリースより)
特許
-2018年12月末時点で、米国で約1,800件、米国以外で3,400件の特許を保有。さらに米国で約400件、米国以外で1,200件の特許を申請中。
設備投資額 |
(単位:百万ドル) |
2018年12月期 | 2017年12月期 | 2016年12月期 | |
米州タイヤ | 406 | 525 | 618 |
欧州/中東/アフリカタイヤ | 180 | 159 | 191 |
アジア太平洋タイヤ | 188 | 164 | 137 |
その他 | 37 | 33 | 50 |
合計 | 811 | 881 | 996 |
-2018年12月期の設備投資は、主に米国、中国、インドおよびタイの工場の拡張・改修に充てられた。
海外投資
<スロベニア>
-EMEA地域でのプレミアムタイヤの需要増に対応するため、スロベニア工場を拡張すると発表した。94百万ユーロを投じて年間生産能力を約25%(180万本)増強する計画で、5,400平方メートルの最新のタイヤ製造施設などを増築するという。同工場では、EMEA市場向けのAセグメント車用の17-19インチのタイヤ製造に注力する。同社はSava工場で主に生産に携わる約160名の新規雇用を見込む。2019年1月から建設を開始し、2021年にフル稼働となる予定。(2018年12月18日付プレスリリースより)