Strattec Security Corp. 2006年度の動向

ハイライト

業績

単位:百万ドル 2006年度 2005年度 増減率(%) 要因
売上高 181.2 190.3 (4.8) 要因1参照
純利益 12.5 15.0 (16.7) 要因2参照

要因1:
-大口顧客に対する売上が対前年で減少。
-DaimlerChrysler向けの売上高は、2005年度の51.5百万ドルから2006年度は58.6百万ドルへ大幅に増加。搭載部品の増と、生産台数増による。
-米国三菱製造向けの売上は、2005年度の4.5百万ドルから2006年度は5.4百万ドルに増加。生産台数増と、搭載部品の増による。
-Ford向けの売上は、2005年度の32.0百万ドルから2006年度は27.3百万ドルに減少。当初より計画された価格の引き下げ、打ち切りモデル及び幾つかのFordのモデルの生産量の減少による。
-GM向けの売上は、2005年度の43.2百万ドルから2006年度は32.9百万ドルに減少。価格値下げ、打ち切りモデル及び幾つかのGMのモデルの生産量の減少による。
-Delphi向け売上高は、2005年度の29.6百万ドルから2006年度は26.7百万ドルに減少。当初より計画された価格の引き下げ、生産量の減少、及び部品点数の減少による。

要因 2:
-主に生産ボリュームの減、原料(真鍮、亜鉛)のコスト高、及びメキシコペソの米ドルとの為替レートがメキシコの事業を圧迫したことが原因となり収益減。
-亜鉛のポンドあたり平均価格は、2005年度の$0.54から2006年度には$1.01に上昇、2006年度亜鉛の使用量は約9.1百万ポンドであり、約4.3百万ドルのコストアップ。真鍮はポンドあたり$1.94から$2.81に上昇、1.5百万ポンドの使用量で、約1.3百万ドルのコストアップ。
-メキシコの2006年度のインフレ率は約3%で、約53万ドルの費用増。メキシコペソと米ドルとの為替レートは1ドル約11.20ペソから約10.80ペソのドル安。これによりメキシコ事業で約77万ドルのコスト増。

アライアンス
-2005年7月、ドイツのWITTE-Velbertとのアライアンス契約を更新、2000年に調印されたオリジナルの5年契約に比べ相互の努力の範囲をひろげ、かつ弾力性のあるものとなった。
-2006年2月、このアライアンスにミシガン州Grand RapidsにあるADAC Plastics Inc.が加盟することを発表。ADACは、ドアハンドル関連の技術を持っており、WITTEのコア製品の一つであるドアハンドル関連を北米側でサポートする。またこれらの部品について固有の塗装技術を持っている。
- このアライアンスの拡大により、同社はフルレンジのアクセスコントロール関連製品をグローバルなベースで顧客企業に提供することができるようになった。このアライアンスは、VASTアライアンスと名付けられ、その合弁会社は、Vehicle Access Systems Technology LLC(VAST LLC)と改称(WITTEと同社が各40%、ADACが20%)。(尚、WITTEはWITTE Automotiveに、ADACはADAC Automotiveにそれぞれ改称) アライアンスは共通のグラフィックイメージを採用、各社はロゴマークとカラーを共用し、アライアンス自体のロゴも各社の紙媒体及び電子媒体に用いられている。中国及びブラジルの合弁事業でもVASTのロゴ及びイメージは使われており、グローバルに使用されるブランドとなっている。

 

開発動向

(各年6月期決算)

単位:百万ドル 2005年度 2005年度 2004年度 2003年度 2002年度
R&D費用 2.2 2.0 1.6 2.4 2.2

製品開発プロセス
-エンジニアリング部門を製品タイプごとに分類。
-ロック及びキー、ラッチ、ドライバーコントロール/イグニションロックハウジング、電気部品の4つの製品グループで構成。
-各グループは、エンジニアリングマネージャーに加え、特定のアプリケーションの設計開発に関する特殊技能を持つエンジニアで構成。
-R&D事業は先進開発グループの開発スタッフを中心に行われる
-現在注力しているプロジェクトは、電子及び機械式アクセス制御製品、関連するアクセス・セキュリティー制御部品のモジュール化、コストを削減するための新しい生産工程

<技術開発状況>

プロジェクト

特徴、利点

VAM (Vehilce Access Module:車両アクセスモジュール)

-ドアーの開閉、施錠・開錠を含む全てのアクセス機能を統合したASSY

-組み立て部品点数の低減
-車両への組付け作業時間の短縮
-組み立てを容易にするスナップ式の取り付け接合
-組立作業の安全性向上
-オフラインでの試験・調整が可能
-市場クレーム費の低減
-アクセスシステム全般のセキュリティーを大幅に向上
-ドアー構造における幅広い公差に対応
-モジュール式及び従来型ドアー構造に対応

 

パッシブ式ドアーエントリーラッチ

-ピボットシフトラッチ技術を採用して新しく設計されたドアーラッチ。安全性、簡便性、設計自由度に優れる。

-特許申請中のロック機構により、部品や煩雑さを追加することなく統合パッシブ式エントリーを実現
-1つのパワーアクチュエーターを集中ロック及びパッシブエントリー機能に使用
-ドアーハンドルが操作されているときでも、ロック状態を機械的に変更可能
-通常型ラッチが持つ全ての標準的な機械的及び電気的機能を搭載

安全性の向上
-電動で開放するためには、機械的及び電気的の両方の入力が必要。
-電気的な不具合のみでは、ドアーが不意に開かない構造

オプション機能
-電動チャイルドロック(機械式オーバーライド機能付き)
-通常の機械式車内側ハンドルによる開錠の無効化
-車内側ハンドルによる開錠の無効化。車速感応式
-セット・アンド・スラムロック(ドアーを開けた状態でロックをかけてからドアーを閉じても、ロックされた状態を保つ)機能
-ノン・スラムロック(上記の状態でドアーを閉じてもロックされない機能)、集中ロック・アラームシステムの作動及び解除
-統合ドアーアジャー(かみ合わせ)検知機能
-LIN回路通信によるオンボードラッチ制御電子機器

パワーステアリングコラムロック

-電気的に制御・駆動するロック機構。機械的なリンケージ無しでステアリングコラムを固定、開放する。

 

-最小限の可動部品による単純で軽量な構造(特許申請中)
-耐久性を確保するため単一指向性の強固なウォームドライブを使用
-短い開錠反応時間
-ワイヤーハーネスの煩雑さを削減し、確実な送信を行い、診断能力を統合するために、LIN回路インターフェスによる低電圧式オンボード電子制御機器を装備
-システムの信頼性を向上するためにホール効果センサーを採用
-多様な取り付け製品に対応するための調整が容易
-防盗セキュリティー取り付けピンを付属

 

統合キー

-リモートキーレスエントリー用フォブ(リモコン)及びキーブレード(鍵の差し込む部分)を一体化したASSY


-ブレードとフォブを一体化して便利性を向上
-耐久性の高い構造
-複数のボタンを装備
-車両ブランドイメージを形成
-低コスト

オプション機能
-RFID式イモビライザー
-固定式と格納式のキーブレードを設定

 

高度な安全性を提供するフリーホイールロック

-遠隔操作製品に使用可能な内蔵型ASSY
-統合型保護筐体及びフリーホイール機能により、保護されていない車両製品においてもロックの誤用を防ぐ

-特許申請中のフリーホイール機構により、強制的な回転妨害を防ぐ
-ケーブル駆動機構によりラッチの遠隔操作が可能
-完全に密閉された構造により、現行のThatcham要求に適合
-統合シャッター機能により対候性を強化
-ユニバーサル(自在)取り付けが可能

オプション機能
-非フリーホイールモード時に作動する統合スイッチASSY
-あらゆるラッチアクチュエーター機構に対応するための多様なケーブル及び取り付け具を設定
-シートメタルを貫通するアクチュエーターケーブル用グロメットを設定