Federal-Mogul Holdings LLC 2017年12月期の動向

財務概要
-2016年12月期、2015年12月期、2014年12月期の売上はそれぞれ7,434百万ドル、7,419百万ドル、7,317百万ドルであった。



事業再編

社名変更
-2017年2月14日付で、Federal-Mogul Holdings CorporationからFederal-Mogul Holdings LLCに社名変更。NASDAQグローバル株式市場で上場廃止し非上場会社となった。



買収

-同社は、英国に拠点を置くクリーンテクノロジー開発のControlled Power Technologies(CPT)の買収が完了したと発表した。CPTは会社名を「Federal-Mogul Controlled Power」に変更する。買収に伴い、同社はEVおよびハイブリッド車用パワートレインの開発・生産を強化する。英国Essex州Laindonに本拠を置き、Coventryにも拠点を持つCPTは、スタート/ストップ用モータージェネレーター、マイルドハイブリッド製品、排気駆動電動化技術、内燃エンジン用電動コンプレッサー、燃料電池用コンプレッサー等の開発に特化した企業。(2017年11月16日付プレスリリースより)



受注

-同社は2017年度国際エンジン10基全てに同社製品が採用されたと発表した。採用部品はピストン、ピストンリング、シリンダーライナー、バルブシート・ガイド、エンジンバルブ、エンジンベアリング、スパークプラグ、シール、ガスケット、ヒートシールド、システム保護部品。受賞エンジンは下記。

 ・Ferrari 488 GTB/Spider : 3.9-liter biturbo V8
・Ford Fiesta, B-Max, Focus, C-Max, Grand C-Max, Mondeo, EcoSport : 999cc 3シリンダーターボ
 ・Peugeot 208, 308, 2008, 3008, 5008 : Citroen C3, C3 Picasso, C4, C4 Cactus, C4 Picasso/Grand
Picasso, DS3, DS4 : 1.2-liter 3シリンダーターボ
 ・BMW i8 : 1.5-liter 3シリンダー電気ガソリンハイブリッド
 ・Porsche 718 Boxer, 718 Cayman : 2.0-liter ターボチャージ boxer-four
・Audi RS3, TT RS : 2.5-liter 5シリンダーターボ
・Porsche 911 Carrera, 911 Carrera 4, 911 Carrera S, 911 Carrera 4S, Carrera GTS : 3.0-liter ツイン
  ターボチャージ flat-six
・Ferrari F12, F12 tdf : 6.3-liter V12
・Tesla Model S, Model X : フル電動パワートレイン
 ・ホンダ NSX : 3.5-liter 電気ガソリンハイブリッド V6

(2017年7月27日付プレスリリースより)

-同社は「Ward's 10 Best Engines 2017」に選出されたエンジン10基全てに同社製品が採用されたと発表した。 採用部品はピストン、ピストンリング、シリンダーライナー、バルブシート・ガイド、エンジンバルブ、エンジンベアリング、スパークプラグ、シール、ガスケット、ヒートシールド、システム保護部品。受賞エンジンは下記。

・BMW M240i : 3.0L ターボチャ―ジDOHC I6
 ・Chevrolet Volt : デュアル電動モーター付き1.5-Liter I4
 ・Chrysler Pacifica : デュアル電動モーター付き3.6-liter V6
 ・Ford Focus RS : 2.3-liter ターボチャージ I4
 ・ホンダ アコードハイブリッド : 2.0-liter I4
 ・現代 Elantra Eco : 1.4-liter ターボチャージ DOHC I4
 ・トヨタ インフィニティー Q50 : 3.0-liter ツインターボ DOHC V6
 ・マツダ CX-9 : 2.5-liter ターボチャージ DOHC I4
 ・Mercedes-Benz C300 : 2.0-liter ターボチャージ DOHC I4
・Volvo V60 Pollestar : 2.0-liter ターボチャージ/スーパーチャージ DOHC I4

( 2017年1月11日付プレスリリースより)



研究開発拠点

-同社はパワートレイン事業部、モーター部品事業部でそれぞれで約14、13の研究開発拠点を保有。



製品開発

-同社パワートレイン事業部は、ライトビークル用4気筒向け新型バルブローテーター「Rotocap」をIAA Frankfurt 2017に出展すると発表した。「Rotocap」は、バルブトレインの潤滑の減少と、エンジンのダウンスピードによって生じる問題を補うために必要な強化バルブの回転制御を提供する。また、通常バルブスプリングのねじれやその他共振によって生じる抑制されない回転を排除し、開閉時にバルブへ転送される。この小型ローテーターは20-25mmの範囲の外径で使用可能で、シリンダーヘッドに簡単に装着できる。(2017年8月22日付プレスリリースより)

-同社は、独フランクフルトで開催される2017年国際モーターショー (IAA)で、熱伝導性を向上させた素材を用いたバルブシート・ガイドを出展すると発表した。新たな高熱伝導 (HTC) 素材とサーマルインターフェースマテリアル (TIM) は、バルブヘッドの温度を最大で70度下げることができる。これにより、燃焼室の最も暑い部分の温度と圧縮工程の最終段階におけるガス温度が下がり、耐ノック性の向上やより最適な燃焼につながるという。(2017年8月10付プレスリリースより)

-同社は、クランクシャフトベアリング向けに新たに開発されたポリマーコーティング剤「IROX 2」を施したポリマーベアリングを初公開すると発表した。「IROX 2」は、アルミニウムのベアリング表面と比べ、摩擦の低減や耐摩耗性の向上を実現。従来の「IROX」より焼付性能に優れるため、希釈したオイルで非常に滑らかに仕上げられたクランクシャフトにも適用できる。同剤でコーティングされたベアリングは、軽量-重量級トラックのエンジン、特に、ハイブリッドやスタート/ストップへの使用に適しているという。(2017年7月18付プレスリリースより)



国内投資

-同社モーター部品事業部は、868万ドル超を投じて米ケンタッキー州Glasgowの拠点を拡張すると発表した。今回の投資は既存の建屋の15,000平方フィートの拡張や、新設備の導入などに充てられる。Glasgow工場では現在、ドラムブレーキ摩擦製品および商用車向けアフターマーケット製品を生産している。拡張によって年間150万個のエアディスクパッドの製造が可能になるという。同社モーター部品は同社の中の2事業部門のうちの1つで、ミシガン州Southfieldに本拠を構える。(2017年12月12日付 Kentucky Cabinet for Economic Developmentニュースリリースより)



国外投資

<中国>
-2017年10月27日、同社のシール工場「南昌輝門密封件系統有限公司[Federal-Mogul Sealing System Nanchang Co., Ltd.]」が移転し、生産を開始した。新工場移転先は南昌経済技術開発区で、面積は旧工場の3倍となった。新工場は国内カーメーカーの高性能パワートレイン用シールに対する需要拡大に対応し、エンジンの燃費向上と排ガス低減に貢献する。新たに導入した生産ラインはMicroTorq低摩擦動力オイルシール生産ライン。MicroTorq低摩擦動力オイルシールは摩耗を80%低減させることができる。新工場は多層金属、金属ゴム混合のシリンダーヘッドガスケット、エキゾースト ガスケット、Nimbus断熱カバー、Unipistonトランスミッション一体型密封ピストンなどガスケット、シールを全面的に供給する。(2017年10月30日付け各種リリースより)

<ロシア>
-同社は、同社のPowertrain事業部が、ロシア・タタルスタン共和国Naberezhnye Chelnyにある工場を拡張し、シリンダーライナー鋳造工場を開設したと発表した。同工場は、ロシアの大型トラックメーカーKAMAZとの合弁で2009年に設立された。鋳造工場の新設により、シリンダーライナーの鋳造から加工まで、社内で一貫して行えるようになるという。工場拡張に伴い、溶解炉、自動遠心鋳造機、自動前処理装置も新たに導入された。(2017年6月27付プレスリリースより)