BorgWarner 2009年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ドル)
  2009年
12月期
2008年
12月期
増減率
(%)
要因
全社

売上高

3,961.8 5,263.9 (24.7) -
エンジン部門
売上高 2,883.2 3,861.5 (25.3) -主に世界で自動車の生産が縮小したことやエンジン製品の需要が低下したこと。
EBIT 219.8 394.9 (44.3) -
ドライブトレイン部門
売上高 1,093.5 1,426.4 (23.3) -トルクトランスファー製品を搭載した小型トラックやスポーツ多目的車(SUV)の生産が世界的に縮小したことやトランスミッション製品の売上が低迷したこと。
EBIT (13.5) (4.9) - -

企業買収

-2009年9月、ドイツの裁判所はBorgWarner Germany GmbHがBERU AGの少数株主からBERU株を1株73.39ユーロで買い上げることを承認。これによりBERUの完全子会社化の手続きが完了したことにな る。(2009年9月30日プレスリリースより)

-2009年12月、BERU AGは完全子会社化に伴い、社名を「BorgWarner BERU Systems GmbH」に変更。(2009年12月14日付プレスリリースより)

合弁事業

-2009年1月、中国のChina Automobile Development United Investment Co., Ltd. (CDUI)と合弁会社を設立すると発表。新会社の名称は「BorgWarner United Transmission Systems Co., Ltd.」で、中国の大連(Dalian)に本社を置く。同社の出資比率は66%。2011年からデュアルクラッチトランスミッション 「DualTronic(R)」の生産を開始する予定。CDUIは中国の主要自動車メーカー12社が共同運営している。出資しているのは、第一汽車 (FAW)、上海汽車(SAIC)、東風汽車(Dongfeng)、奇瑞汽車(Chery)、長安汽車(ChangAn)、華晨汽車 (Brilliance)、広州汽車(Guangzhou)、長豊汽車(Changfeng)、江淮汽車(JAC)、吉利汽車(Geely)、中順汽車 (Polarsun)、長城汽車(Great Wall Motor)。(2009年1月14日付プレスリリースより)

海外事業

<ポーランド>
-ポーランドのRzeszowに新工場を開設。
>>>詳細は、設備投資へ

展望

-手動変速機(MT)以上の燃費効率と自動変速機(AT)同様のイージードライブ性を併せ持つ変速機構「DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッショ ン)」の主要構成ユニットのグローバル供給を活発化する。DCTの採用はこれまで欧州や日本の上級モデルにとどまっていたが、2011年から2012年に かけて北米、中国メーカーの搭載開始に合わせてユニットの現地供給を開始、事業展開のエリアを広げる。また、中国では2009年に研究開発センターを、 2011年末には合弁生産をそれぞれ開始、アジア向けの需要開拓を強化する。これらによって2014年には2009年計画の約5倍となる250万分の販売 を目指す。(2009年4月24日付日刊自動車新聞より)

-2010年から2012年にかけて、パワートレイン事業で18億米ドルの新規売上が見込まれると発表。内訳は80%がエンジン部品、20%がドライブト レイン部品。また、この18億米ドルのうち、ディーゼルエンジンおよびガソリン直噴(GDI)エンジン用ターボチャージャーの割合が35%、デュアルク ラッチが13%と予測している。地域別の構成では、欧州が50%、アジアが30%、北米が20%になる見通し。なお、アジアでの新規売上のうち、半分以上 は中国が占めると同社は見ている。(2009年11月9日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万ドル)
  2009年12月期 2008年12月期 2007年12月期
合計 155.2 205.7 210.8
売上に対する比率 3.9% 3.9% 4.0%

-各事業部門はR&D組織を設置。
-研究開発を行っている従業員数はエンジニア、機械工、技術者を含め全社で約700名。

製品開発

EGR(排ガス再循環)バルブ
-BorgWarner Turbo Systemsは、ブラシレスモーターで作動するEGR(排ガス再循環)バルブを開発したと発表。電子式バタフライバルブを持つ。バルブ開閉時の反応性に 優れ、より精密な制御が可能なことから、次世代排ガス規制向けの大量EGR、クールドEGRシステムに対応する。モーター部がブラシレス構造のため耐久性 に優れるほか、ガス流量を正確に制御するためにフィードバック制御を行う。米国イリノイ州で生産し2010年に商用車エンジン向けに供給を開始する予 定。(2009年1月15日付日刊自動車新聞より)

バタフライ式EGRバルブ
-バタフライ式EGRバルブの新製品を開発。商用車のディーゼルエンジンに2010年から搭載される予定。同社のバルブはEGRクーラーおよびバイパスバ ルブとの一体化が容易に行えるという。また、商用車に加えてディーゼル乗用車でも使用が可能。(2009年6月15日付プレスリリースより)

ターボチャージャー
-Fiat Powertrain Technologies の1.8L直噴ガソリンエンジン向けにターボチャージャーを開発。この新型エンジンは欧州の排ガス規制「Euro5」に適合し、Lancia 「Delta」とAlfa Romeo「159」に搭載されている。(2009年7月23日付プレスリリースより)

技術提携

-米国のEtatechから、ガソリン点火に関する技術導入を行うと発表。高周波点火技術により、通常の内燃エンジンに比べて、リーン燃焼エンジンは大幅 な燃費向上と排出ガス削減が可能となる。第三者検査機関のテストによると、エネルギー効率は40%向上、 NOx排出は80%減、CO2排出は50%減という結果が出ている。同社はこの新技術を生かし、現行スパークプラグに置き換わるパワートレイン用部品を数 年以内に商品化する計画。(2009年6月2日付プレスリリースより)

設備投資

設備投資額

(単位:百万ドル)
  2009年12月期 2008年12月期 2007年12月期
合計 172.0 369.7 293.9
売上に対する比率 4.3% 7.0% 5.5%

海外投資

<ポーランド>
-ポーランドのRzeszowに新工場を開設した。年間最大50万基のディーゼルおよびガソリンエンジン用ターボチャージャーを生産する。主な納入先は、 同国内で1.3Lディーゼルエンジンを製造するFiat Powertrainなど。(2009年7月15日付プレスリリースより)