Autoliv, Inc. 2014年12月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万ドル) |
2014年 12月期 |
2013年 12月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 9,240 | 8,803 | 5.0 | -為替効果を除けば、実質成長率は6%。 |
営業利益 | 723 | 761 | (5.0) | -反トラスト集団訴訟に関する費用の影響。 |
製品群別売上高 | ||||
エアバッグおよび関連製品 *1 | 5,951 | 5,686 | 4.7 | -ステアリングホイール、サイドエアバッグ、ニーエアバッグ、セーフティエレクトロニクスの販売増。 |
シートベルトおよび関連製品 | 2,800 | 2,773 | 1.0 | -欧州および北米におけるシートベルトの販売増。(一部、アジアで販売減) |
アクティブセーフティ | 489 | 345 | 41.7 | -全ての製品で需要が増加。特にMercedes-BenzがCPA (衝突防止アシスト) を多くのプラットフォームに採用したことで、レーダー関連部品の売上が伸長。 -ビジョンシステム (BMW向け)、ナイトビジョンシステム (BMW、Mercedes-Benz向け) も奏功。 |
*1:ステアリングホイール、パッシブセーフティエレクトロニクスおよびインフレーターの売上を含む。
主な受注
ホンダ向け交換用エアバッグインフレーターを供給へ-ホンダが現在米国で行っているリコールへの対応をサポートするため、交換用エアバッグインフレーターを供給すると発表。ホンダが必要とするインフレーターの増加に対応するもので、正式に合意に至った。これにより、同社は複数の既存工場でインフレーターの生産能力を拡大する予定。供給は約6カ月後から開始する見込み。 (2014年12月3日付プレスリリースより)
-その他、2014年の主な受注:
Maker / Model | Parts Supplied |
Chrysler 200C | 運転席エアバッグ、サイドエアバッグ、カーテンエアバッグ、プリテンショナー付きシートベルト、レーダーシステム |
上汽通用五菱 「宝駿 (Baojun) 730」 | エアバッグ付きステアリングホイール、助手席用エアバッグ、セーフティエレクトロニクス、プリテンショナー付きシートベルト |
スバル 「Legacy」、「Outback」 | サイドエアバッグ、カーテンエアバッグ |
Land Rover 「Discovery Sport」 | エアバッグ付きステアリングホイール、助手席用エアバッグ、カーテンエアバッグ、サイドエアバッグ、助手席用エアバッグ、プリテンショナー付きシートベルト、セーフティエレクトロニクス |
現代 「Sonata」 | ステアリングホイール、プリテンショナー付きシートベルト |
Ford 「F-Series」 | サイドエアバッグ、カーテンエアバッグ、セーフティエレクトロニクス |
Volkswagen 「Passat」 | エアバッグ付きステアリングホイール、助手席用エアバッグ、サイドエアバッグ、プリテンショナー付きアクティブシートベルト |
マツダ 「Mazda 3/Axela」 | エアバッグ付きステアリングホイール、サイドエアバッグ、カーテンエアバッグ、セーフティエレクトロニクス |
起亜 「Sorento」 | 運転席エアバッグ、助手席用エアバッグ、カーテンエアバッグ、サイドエアバッグ、セーフティエレクトロニクス、プリテンショナー付きシートベルト |
事業再編
-さらなる効率的な企業運営に向け、新たな事業体制を発表。段階的に導入され、最終的にはパッシブセーフティ (Passive Safety) とエレクトロニクス (Electronics) の2つの事業部門が設置される。パッシブセーフティ部門には、エアバッグやシートベルトなどパッシブセーフティ関連製品を扱う全ての地域の事業が含まれる。一方のエレクトロニクス部門は、アクティブセーフティ関連製品を扱うこととなる。両部門とも2014年9月1日付で設置される予定。なお、2015年1月1日付でパッシブセーフティ関連のエレクトロニクス製品は、パッシブセーフティ部門からエレクトロニクス部門へ移される計画。(2014年8月13日付プレスリリースより)受賞
-環境配慮型のエアバッグインフレーターが、「2014 Automotive News PACE Award」を受賞。また、同社とVolvo Carsは、Volvo 「V40」および「XC40」向けの歩行者保護エアバッグが評価され、「Innovation Partnership Award」も受賞している。(2014年4月8日付プレスリリースより)-Autoliv Chinaは、上汽通用五菱汽車 (SGMW) より、2013年「Excellent Supplier Award」を受賞。同社がSGMWから受賞するのは、2011年の「Best Quality Award」、2012年の「Best Platform Award」に続いて3年連続となる。(2014年1月16日付プレスリリースより)
2015年12月期の見通し
-同社は、2015年12月期の売上増加率は前年比約6%増と予測。アクティブセーフティシステムの売上に関して、2019年までに1,000百万ドルを目指すとしている。開発動向
研究開発費 |
(単位:百万ドル) |
2014年 12月期 |
2013年 12月期 |
2012年 12月期 |
|
研究開発費 (Net) | 536 | 489 | 455 |
売上高に占める割合 (%) | 5.8 | 5.6 | 5.5 |
-総研究開発費 (Gross) の2%を超えるプロジェクトはなし。
研究開発体制
-2014年12月時点で、約5,500人 (全従業員数の約9%) のエンジニアが研究、製品開発、アプリケーションエンジニアリングに従事。研究開発拠点
-スウェーデンBorasにおいて、同社が出資する世界初の交通安全技術のための本格的なテストコースを開設。このテスト施設「AstaZero」のパートナーには、同社の他にVolvo、Volvo Car Corporation、Scaniaやスウェーデンの複数の機関が含まれる。この施設は、さまざまな交通環境を備えており、あらゆる交通状況に対応するための先進安全システムや機能をテストできるなどの特徴を持つ。(2014年8月21日付プレスリリースより)-以下9カ国に18のテクニカルセンターを保有:
- 中国
- フランス
- ドイツ
- インド
- 日本
- ルーマニア
- 韓国
- スウェーデン
- 米国
特許
-2014年12月時点、自動車安全およびその他支援技術に関する6,600件におよぶ広範な特許を保有。設備投資
設備投資額 |
(単位:百万ドル) |
2014年 12月期 |
2013年 12月期 |
2012年 12月期 |
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合計 | 453 | 379 | 360 |
売上高に占める割合 (%) | 4.9 | 4.3 | 4.4 |
-同社は、2015年の設備投資額を売上高の5%-6%相当と見込む。
海外投資
<中国>-2014年下半期に、長城汽車の本社所在地である河北省保定 (Baoding) にエアバッグ工場を建設すると発表。主に「長城哈弗 (Haval)」 SUVと「長城C30」コンパクトセダン向けエアバッグを生産する。現在、長城汽車はエアバッグの生産をAutoliv長春工場に委託しているが、将来的にはこれを保定工場に移す計画。Autolivは現在、中国に生産拠点10か所でエアバッグおよびアクティブセーフティシステムを生産しており、従業員数は7,000名を雇用している。(2014年2月25日付け各種リリースより)