AB SKF 2018年12月期の動向

業績

(単位:百万スウェーデンクローナ)
  2018年12月期 2017年12月期 増減率(%) 要因
全社
売上高 85,713 77,938 10.0 1)
営業利益 11,049 8,592 28.6 2)
-自動車部門
-売上高 25,120 24,063 4.4 3)
-営業利益 1,619 1,332 21.5 -

要因

1) 全社売上高
-2018年12月期の売上高は、組織変更で0.6%減少したものの、前年比10.0%増の85,713百万クローナ。南米を除く全地域で売上が増加した分が7.1%、為替差益で3.5%を引き上げた。

2) 全社営業利益
-2018年12月期の営業利益は、前年比28.6%増の11,049百万スウェーデンクローナ。リニア・アクチュエーター事業事業の売却、売上高と生産量の増加、販売価格と顧客構成の改善により、利益が増加した。

3) 自動車部門売上高
-2018年12月期の売上高は、前年比4.4%増の 25,120百万スウェーデンクローナ。ころ軸受市場が大きく成長したことから、売上高が増加した。

BeyondZero ポートフォリオ戦略

-環境負荷軽減を目的とした”BeyondZeroポートフォリオ戦略”を推進。

-同社とそのサプライヤーの事業活動からの負荷低減と、環境性能の高い技術・サービスの提供の2つのアプローチを考えている。例として、以下の製品が挙げられる。

  • シールドエネルギー効率深溝玉軸受 (Sealed Energy Efficient (E2) deep groove ball bearings)
  • トラック・トレーラー・バス用タイヤ空気圧モニタリングシステム (Tyre pressure monitoring systems for trucks, trailers and buses)
  • モーターエンコーダーセンサー軸受ユニット (Motor encoder sensor-bearing units)
  • ローターポジショニング軸受 (Rotor positioning bearing)
  • ローターポジショニングセンサー軸受ユニット (Rotor positioning sensor-bearing units)
  • 低摩擦エンジンシール (Low friction engine seal)
  • 軽量ハブ軸受ユニット (Low weight hub bearing units)
  • eDriveボール軸受 (eDrive ball bearings)
  • 低摩擦ハブ軸受ユニット (Low friction hub bearing units)
  • 高圧バルブステムシール (High pressure valve stem seal)
  • 低摩擦ドライブラインソリューション (Low friction driveline solutions)
  • 低摩擦 X-トラッカー (Low friction X-Trackers)
  • ハブ軸受ユニットシール (Hub bearing unit seal)
  • ターボチャージャーボール軸受ユニット (Turbocharger ball bearing units)
  • トラック用テーパーローラ―軸受 (Energy Efficient (E2) tapered roller bearings for trucks)
  • バスドアアクチュエーター (Bus door actuators)
  • 電気自動車用ソリューション (Solutions to fully electric vehicles)
  • 潤滑剤 (Low friction grease)

事業再編

-同社は、リニア・アクチュエーター事業部門のTritonへの売却が完了したと発表した。売却価格は、企業価値ベースの27.5億スウェーデンクローナ。同社は、2018年第4四半期に売却益12億スウェーデンクローナを計上する見通し。(2018123日付 プレスリリースより)

-同社は、リニア・アクチュエーター事業部門をTritonに売却することで合意したと発表した。売却額は27.5億スウェーデンクローナで、取引は2018年末に完了する予定。売却は、コアビジネス事業に集中し、回転軸関連の提供価値向上を目指すSKFの取り組みの一環。同社はこれまでに、ほかの売却も含め、合計で約67億クローナを手にしている。リニア・アクチュエーター事業部門の2017年の売上は20億クローナで、従業員は1,200人。(2018731日付プレスリリースより)

最近の動向

-同社とDaimlerは、ドイツのNuremberg-Fuerth地方裁判所で、欧州委員会が自動車用ベアリングに関する欧州競争規則違反を決定したことによる損害賠償請求に関する和解契約を締結したと発表した。この和解は損害賠償責任の承認ではなく、同社とDaimlerが長年の取引関係を継続するために行われたものだという。(20181130日付プレスリリースより)



受賞

-同社は、トラックおよびトレーラー用ホイールエンドシール「Scotseal X-Treme」が「2018 Automotive News PACE Award」を受賞したと発表した。「Scotseal X-Treme」は、ドライブアクスル、ステアリングアクスル、トレーラーアクスル用の「Scotseal」シリーズの新製品。最も厳しい運行条件下においても、信頼性と長寿命を自動車サービスやトラック・トレーラーメーカーに提供するという。(2018418日付プレスリリースより)

研究開発費

(単位:百万スウェーデンクローナ)
  2018年12月期 2017年12月期 2016年12月期
全社 2,591 2,395 2,246
売上に占める割合 (%) 3.0 3.1 3.1



研究開発拠点

-グローバルテクニカルセンター2拠点(中国、インド)に加えて、テクニカルセンター15拠点を保有。



研究開発活動

-同社は、2018123-6日にドイツBerlinで開催されるCTIシンポジウムに出展すると発表した。同社の技術者らが、高速電動モーターを中心に、電気自動車 (EV) やハイブリッド車向けベアリング設計、潤滑油、シミュレーション、試験の開発やソリューションについて紹介するという。同社は、「次世代技術を使用したトルクベクトリング機構付き超小型高速電動アクスル」と題したシンポジウムも開催する。(2018123日付 プレスリリースより)

特許

-2018年、202件の先願特許を申請。



設備投資額

(単位:百万スウェーデンクローナ)
  2018年12月期 2017年12月期 2016年12月期
全社 2,831 2,408 2,209
-自動車部門 551 632 520



海外投資

<フランス、ドイツ>
-同社は、150百万スウェーデンクローナを投じてドイツSchweinfurtの大型ベアリング用ローラー工場とフランスSt Cyrの深溝玉軸受組立工場の生産を自動化すると発表した。両工場とも2020年上半期に拡張完了予定。同社は回転シャフト事業に注力し、運転資金削減を目指すという。(20181129日付プレスリリースより)

<中国>
-同社は、200百万スウェーデンクローナを投じてテーパーローラーベアリング製造を中国常山の新工場に移管すると発表した。生産移管に伴い、寧波、上海、常山の既存の3拠点は閉鎖する。新工場は2019年第1四半期にフル稼働予定。(20181122日付プレスリリースより)