AB SKF 2014年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万スウェーデンクローナ)
  2014年
12月期
2013年
12月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 70,975 63,597 11.6 1)
営業利益 7,801 3,693 111.2 -
自動車部門
売上高 18,331 17,370 5.5 2)
営業利益 505 715 (29.4) -

要因
1) 全社売上高
-2014年12月期の売上高は、前年比11.6%増の70,975百万スウェーデンクローナ。主な増収要因は、販売量の増加が3.3%、価格・製品ミックスの改善が0.6%、為替効果が4.0%。

2) 自動車部門
-2014年12月期の売上高は、前年比5.5%増の18,331百万スウェーデンクローナ。為替効果が3.5%の増収要因となった。

BeyondZero ポートフォリオ戦略

-省エネやCO2削減など顧客の環境対策に貢献する製品・サービスに注力。

-BeyondZero ポートフォリオ製品・サービスの売り上げは2011年の2,500百万スウェーデンクローナから2016年には10,000百万スウェーデンクローナまで拡大する計画。

-2014年のBeyondZero ポートフォリオ製品・サービスの売り上げは前年比65.3%増の5,493百万スウェーデンクローナ (ただし、風力発電などの再生エネルギー事業の寄与が大きい)。

-BeyondZero ポートフォリオ製品・サービスの主な対象製品 (自動車関連) は以下の通り。
  • 潤滑剤 (Low friction grease)
  • ローターポジショニングベアリング (Rotor positioning bearing)
  • ローターポジショニングセンサーベアリングユニット (Rotor positioning sensor-bearing units)
  • 低摩擦エンジンシール (Low friction engine seal)
  • 軽量ハブベアリングユニット (Low weight hub bearing units)
  • eDriveボールベアリング(eDrive ball bearings)
  • 低摩擦ハブベアリングユニット (Low friction hub bearing units)
  • 高圧バルブステムシール (High pressure valve stem seal)
  • ハブベアリングユニットシール (Hub bearing unit seal)
  • ターボチャージャーボールベアリングユニット (Turbocharger ball bearing units)
  • テーパーローラ―ベアリング (Energy Efficient tapered roller bearings for trucks)
  • バスドアアクチュエーター (Bus door actuators)

受注

-2014年の主な受注
OEM モデル 製品
マツダ 「Mazda2」 低摩擦ハブベアリングユニット
Daimler Mercedes-Benz 「GLA」 フロントおよびリアホイール用ホイールハブベアリングユニット
Mercedes-Benz 「SLS AMG Coupe Electric Drive」 「eDrive」 ボールベアリング
Volvo 「XC90」 (Scalable Product Architecture (SPA) プラットフォーム)
ホイールハブベアリングユニット
VW 「e-up!」 テーパーローラーベアリング、「eDrive」 ボールベアリング
吉利汽車 (Geely) 「GC6」、「Emgrand EC8」、「Gleagle GX7」 6速AT用ボンデッドピストンシール
現代 「i30」、「Sonata」、「i40」、「Grandeur」、「Santa Fe」 MacPhersonサスペンション用ベアリングユニット (MSBU)
起亜 「cee'd 」、「Forte」、「Soul」、「K5」、「K7」、「Sorento」 MacPhersonサスペンション用ベアリングユニット (MSBU)
Tesla 「Model S」、「Model X」 ホイールハブベアリングユニット

受賞

-2014年の主な受賞 (OEMより)
OEM 受賞国 受賞名
GM
米国、ブラジル、アルゼンチン、ドイツ 2014 Supplier Quality Excellence Award
韓国 Supplier of the Year
Nissan China 中国 Excellent Supplier Certification of Appreciation 2013
日野 Excellent Quality Supplier
吉利汽車 (Geely) 中国 Excellent Supplier Award
Volvo Volvo Cars Quality Excellence (VQE) Award
Fiat-Chrysler アルゼンチン Qualitas Award

開発動向

研究開発費

(単位:百万スウェーデンクローナ)
  2014年12月期 2013年12月期 2012年12月期
全社 2,078 1,840 1,607

研究開発拠点

-中国 上海市、インド Bengaluruにグローバルテクニカルセンターを保有。米シカゴ、スウェーデンGothenburg、オランダNieuwegeinに新たにグローバルテクニカルセンターを開設予定。

特許

-2014年、488件の先願特許を申請。(2013年は468件)

新テクニカルセンター

-米国イリノイ州のシカゴ都市圏に、面積12,100平方メートルのグローバル技術センター「Global Technical Center Americas (GTCA)」を建設すると発表。4年以内に完了が見込まれる第1フェーズでは、約80名の技術者の雇用を含めて約30百万ドル (200 百万スウェーデンクローナ) を投じる予定。最終的に同センターでは、最大200名が勤務するとみられる。2014年秋に建設が開始され、2015年末までに操業開始となる見込み。同センターの設立は、主要顧客の近くに技術センターを設置することで、SKFの5分野 (ベアリング、シール、メカトロニクス、潤滑システム、サービス) 全てを活用しながら、マーケット特有の製品開発のサポートを目指す同社の戦略強化につながるとみられる。(2014年8月11日付プレスリリースより)

-スウェーデンのGothenburgとオランダのNieuwegeinに、それぞれ技術センター「Global Technical Centre」を開設すると発表。この2つのセンターは、同社の「Global Technical Centre Europe (GTCE)」に含まれ、製品開発・エンジニアリング体制の強化に向けた同社の技術戦略の一環となる。Gothenburgセンターは開発の中核拠点であるManufacturing Development Centre (MDC) と、NieuwegeinセンターはEngineering & Research Centre (ERC) とそれぞれ連携する予定。ERCでは、ベアリング、潤滑システム、トライボロジー技術などに関する最先端の研究を行っている。フル稼働時には、Nieuwegein拠点には100名超、Gothenburg拠点には約50名のエンジニアが勤務する見込み。(2014年1月20日付プレスリリースより)

製品開発

ベアリングユニット 「Motor Encoder Sensor Bearing Unit」
-EV・HV向けにモーターエンコーダー用のセンサーを搭載したベアリングユニット「SKF MESBU:Motor Encoder Sensor Bearing Unit」を発表。ベアリングとセンサーを1つの小型ユニットに統合する技術は業界初となる。スターター・オルタネーターをベースとしたスタート/ストップ機能などEVやHVの操作性能および精度を向上させる製品として設計・開発された。(2014年11月21日付プレスリリースより)

ハブベアリングユニット用潤滑剤
-ハブベアリングユニット用の潤滑剤を新開発。標準的な製品に比べて9%の摩擦低減を実現する。新欧州ドライビングサイクル (NEDC) において、この潤滑剤を使用したハブベアリング4個を搭載した車両は、1kmあたり0.15gのCO2削減が可能になるという。(2014年4月25日付プレスリリースより)

ギアベアリングユニット
-トラックエンジン向け。より大きな荷重に対応、エンジンのダウンサイズ化を可能にする。

低ノイズプリロードステアリングコラムベアリング
-現行の性能を維持しながらノイズを大幅に削減。

設備投資

設備投資額

(単位:百万スウェーデンクローナ)
  2014年12月期 2013年12月期 2012年12月期
全社 1,852 1,746 1,968
-自動車部門 636 634 1,012

海外投資

<中国>
-中国の上海市嘉定 (Jiading) 区に「SKF Campus」を開設。面積は45,207平方メートルで、総投資額は約700百万スウェーデンクローナ (77.2百万ユーロ)。キャンパス内には、新たに自動車用ベアリング工場を建設したほか、「Global Technical Centre」、「SKF Solution Factory」、「SKF College China」などを設置。「Global Technical Centre」は、同社の技術センターのグローバルネットワークを構成し、国内外向けの開発に注力する。(2014年6月10日付プレスリリースより)

<インドネシア>
-インドネシアのジャカルタ工場に深溝玉軸受 (Deep groove ball bearings) からホイールハブベアリングユニットに生産を容易に切り替えられるフレキシブルラインを導入。