Kongsberg Automotive ASA 2014年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ)
  2014年
12月期
2013年
12月期
増減率 (%) 要因
全体
売上高 979.1 990.9 (1.2) 1)
EBITDA 97.0 97.1 (0.1) -
事業部門別売上高
インテリア 304.5 299.0 1.8 -
ドライブライン 265.0 279.8 (5.3) 2)
フルイドトランスファー 193.5 189.0 2.4 -
ドライブコントロール 252.7 257.2 (1.7) 3)

要因
1) 全社
-2014年12月期の全社売上高は、前年比1.2%減。
2) ドライブライン部門
-ドライブライン部門売上高は前年比5.3%の減。いくつかの顧客プロジェクトが終息したことと、南欧の需要が減少したことなどが響いた。
3) ドライブコントロール部門
-ドライブコントロール部門売上高は前年比1.7%の減。南米需要が低調だったことと、マニュアルシフターから自動シフターへの移行が予想以上に進んだことに起因する。



新規受注

-自動マニュアルトランスミッション、シフトバイワイヤー、HEV/EV向け製品、北米市場向けカップリングおよびシートコンフォート部品など新技術に取り組み、新規受注として過去最高の282百万ユーロを獲得。 (内54百万ユーロはBRICsで獲得)



子会社化

-電動およびハイブリッドパワートレイン分野の強化に向けて、QRTECHとの合弁会社ePower Nordicを完全子会社化した。ePowerの製品は、パワーエレクトロニクス、電気モーターおよびバッテリー周辺部品のほか、車載充電器、コンバーター、インバーターを含む電力網への接続部品など。ePowerを含めると、Kongsbergの電子技術チームは75名となる。 (2014年4月8日付プレスリリースより)

-2014年12月期のePower製品の受注:

  • 欧州大手自動車メーカーよりプラグインハイブリッド車向けの車載充電器を初受注した。受注金額は10百万ユーロ。まずプラグインハイブリッドのシティバスに搭載される。2015年第4四半期に、スウェーデンのMullsjo工場で生産を開始する予定。
  • 大手高級乗用車メーカーの次世代プラグインハイブリッド車向けに、車載充電器を受注した。この製品は、欧州・北米・中国において2種類のブランドで販売されるCセグメントカーに搭載される予定。契約期間は8年間で、受注総額は40百万ユーロ。中国・江蘇省の無錫 (Wuxi) 工場で、2017年下期から生産を開始する予定。



生産縮小

ドライブコントロール部門
-ノルウェーのRollag工場における生産を縮小すると発表した。鍛造事業を外部へ委託し、内製工程を簡素化する。より柔軟な稼働を実現することで、3年後に別の拠点への移転が可能になる。同社は、鍛造事業の外部委託のほか、ノルウェーHvittingfoss工場とブラジル工場をRollag工場から独立させ、Rollag工場を機械加工・組立専門の拠点にする計画。現在、従業員87名を雇用しており、トラックキャビンやリアアクスル向けのスタビライザーを生産している。切断、鍛造、自動機械加工、焼入れ、ロボット溶接のほか、組み立てやパウダーコーティングなど複数のプロセスを行っている。 (2014年10月16日付プレスリリースより)



受注

-2014年12月期の主な受注案件 (2014年プレスリリースより)
納入先 製品 受注総額 備考
インテリア部門
ドイツの高級自動車メーカー2社、
BおよびCセグメント、CUV、SUVなど
19車種
空気圧シートコンフォートシステム 
(マッサージ機能を搭載した空圧式ランバーサポートおよびサイドサポート付き)
250百万ユーロ
(9年間)
-2017年第3四半期に生産開始予定。
大手北米シート・内装メーカー、
コンパクトカーおよび次世代のプラグインハイブリッドEV向け
リアセンターアームレスト 11.4百万ユーロ
(5年間)
-米国テネシー州Milan工場 で2015年第3四半期に生産開始予定。
ドライブライン部門
大手欧州自動車メーカー、
複数のブランドの次世代バンおよびMPV 向け
マニュアルシフターシステム 75百万ユーロ -スロバキアVrable工場で2018年第1四半期から2027年まで供給する計画。
大手北米自動車メーカー、
グローバルで販売されるCセグメントCUV向け
オートマチックトランスミッションシフター 122百万ユーロ
(6年間)
-メキシコのNuevo Laredo工場と中国江蘇省の無錫 (Wuxi) 工場で、2016年第1四半期に生産開始予定。
大手北米自動車メーカー、
グローバル展開するB・Cセグメント車向け
オートマチックトランスミッション用シフトケーブル 108百万ユーロ
(8年間)
-メキシコのNuevo Laredo工場および中国・江蘇省の無錫 (Wuxi) 工場で、2016年第3四半期に生産開始予定。
大手欧州自動車メーカー、
欧州で販売されるDセグメントカー向け
シフトバイワイヤータイプのオートマチックトランスミッションとマニュアルトランスミッション用ギアシフター 119百万ユーロ
(7年間)
2015年第4四半期に生産開始予定。
フルイドトランスファー部門
ブレーキ/フューエルラインの大手部品サプライヤー、
欧州および中国市場向け
高温用ホース 23百万ユーロ
(3年間)
-英国Normanton工場と米国オハイオ州Grand River工場で、2015年1月に生産開始予定。
世界大手自動車メーカー ブレーキブースターASSY部品 15百万ユーロ
(5年間)
-欧州・中国拠点で、2016年に生産開始予定。
ドライブコントロール部門
商用車メーカー 自動マニュアルトランスミッションシステム部品 110百万ユーロ
(5年間)
-北米および南米の複数の拠点で、2016年から2017年にかけて生産開始予定。
ブラジル (MAN, Iveco)、ロシア (Kamaz)、インド (Asia Motor Works, Ford)、中国 (東風汽車 (Dongfeng Motors)、
北汽福田汽車 (Beiqi Foton)、安徽江淮汽車 (JAC) 等)
自動トランスミッション用ギアシフター、スロットルペダル、クラッチアクチュエーションシステム、ケーブルギアシフトシステム 54百万ユーロ
(5年間)
-



受賞

-スウェーデンMullsjo工場がGMより2013-2014年 「Supplier Quality Excellence Award」 を受賞したと発表。同工場は、乗用車・大型車用ギアシフター、ヘッドレスト、クラッシュブラケット、燃料タンク、車載充電器などを生産している。 (2014年10月21日付プレスリリースより)



開発動向

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
  2014年12月期 2013年12月期 2012年12月期
全社 58.7 48.6 47.1
売上に占める割合 (%) 6.0 4.9 4.7



研究開発体制

-2014年の同社の研究開発費は、全社売上高の6.0%。約505名が研究開発に従事している。
-世界に5カ所の技術センターを有する (米国Novi、中国Wuxi、ドイツHallbergmoos、スウェーデンMullsjo、ノルウェーKongsberg)。



研究開発拠点

-スウェーデンのMullsjoにテクニカルセンターを新たに開設。30百万スウェーデンクローナ (約4.1百万ドル) を投じて建設された建物には、4,500平方メートルのオフィスおよび開発スペースが備えられ、さまざまな分野のスタッフが勤務する。また、欧州におけるドライブライン部門の3つの研究開発センターが統合されている。180~190名分のオフィススペースでは、現在165名が業務を開始している。購買、販売のほか、エンジニアリング、プログラミング、製造エンジニアリングなどあらゆる研究開発活動が1つの建物に集約された。 (2014年10月22日付プレスリリースより)

設備投資

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
  2014年12月期 2013年12月期 2012年12月期
インテリア 9.5 7.2 8.3
ドライブライン 9.2 6.0 8.2
フルイドトランスファー 7.4 6.0 5.3
ドライブコントロール 7.4 8.8 6.8
その他/調整 0.5 (0.1) 0.0
合計 34.0 27.9 28.6