Mando Corporation [(株) 万都] 2014年12月期の動向

業績 (連結)

(単位:百万ウォン)
2014年12月期* 2013年12月期 備考
売上高 1,721,436 5,633,845 -
営業利益 79,261 313,046 -
当期純利益 47,893 177,695 -

*2014年9月1日付の会社分割により、2014年9月1日から12月31日までの4カ月間を対象とする。

見通し
-2018年までに中国市場で売上高220億元 (約3兆5,999億ウォン) を目指し、現在の110億元 (約1兆7,999億ウォン) から2倍に拡大する計画を発表した。売上高ベースで納入先比率は現代・起亜自動車が70%、現地メーカーが30%となっているが、今後は顧客の多角化を推進し、現地メーカーの比率を高めていく考え。(2014年6月26日付プレスリリースより)

会社分割

-臨時株主総会を開催し、会社分割により持株会社体制に移行する計画が承認されたと発表した。(株) 漢拏ホールディングス [Halla Holdings Corp.] を持株会社として子会社管理や投資事業を行う一方、万都は自動車部品事業に専念する。分割は2014年9月1日を予定している。(2014年7月28日付プレスリリースより)

受注

<Volkswagen>
-Volkswagenからフロントブレーキキャリパーを受注した。契約期間は2017年から2026年までで、年間200万台分を納入する。受注総額は1兆ウォンに達する見込み。同社のブレーキキャリパーは欧州、中国、インド、ブラジルで生産される車両に使用される。(2014年12月18日付プレスリリースより)

<現代自動車>
-ショックアブソーバーを現代自動車の準大型セダン「Aslan」に供給すると発表した。同社はこの製品を「ハイブリッドショックアブソーバー」と名付けており、乗り心地と走行安定性の向上を実現している。なお、万都はこの製品を現代自動車 「Genesis」、「Grandeur」、起亜自動車 「K7」にも納入している。(2014年10月28日付プレスリリースより)

<吉利汽車>
-中国の吉利汽車 (Geely Automobile) にブレーキおよびサスペンションを供給する契約を締結した。契約期間は2016年末から10年間で、総額6,300億ウォンの売上増に貢献する見込み。吉利汽車がスウェーデンのVolvo Carsを買収後、両社がはじめて共同開発するプラットフォームに万都の部品が採用されたもの。このプラットフォームは吉利汽車の自主ブランドに加えて、中国と欧州で生産されるVolvoブランドの車両に使用される予定。(2014年8月1日付プレスリリースより)

事業提携

-中国の長城汽車(Great Wall Motor)との間で戦略的提携契約を締結した。この契約に基づき万都は、長城汽車による新車開発の初期段階からプロジェクトに参加し、部品の共同開発を行うことになる。今回のパートナーシップにより、万都にとって部品供給拡大の基盤が構築されるとともに、長城汽車にとってシャシー部品の品質安定化につながるものと見込まれる。(2014年6月30日付プレスリリースより)

拠点関連

<ドイツ>
-同社とBrose (ドイツ) の合弁会社Mando-Brose Corporationは、現代自動車のインド工場で生産される小型乗用車 「i20」 向けステアリングモーターの量産を開始した。Mando-Broseは万都とBroseの折半出資により2011年1月に設立。韓国の仁川 (Incheon) 工場で生産を行っている。(2014年6月9日付プレスリリースより)

<ブラジル>
-同社とKYB (日本) のブラジル合弁会社KYB-Mando do Brasil Fabricante de Autopecas S.A. (KMB) は、2013年12月に現代自動車の現地工場向けにショックアブソーバーの量産を開始した。現在KMBはトヨタ、Renault、日産、PSA等にもサスペンション部品を納入している。また、2015年末にはGMへの供給を開始する予定。(2014年1月28日付プレスリリースより)

受賞・認証

-Fiat Chrysler Automobilesから2014年「Supplier of the Year」を受賞した。同社がFiatに供給しているブレーキ製品が評価されたもの。万都が欧州自動車メーカーから「Supplier of the Year」を受賞するのは今回が初めてとなる。(2014年12月3日付プレスリリースより)

-Chryslerから「Supplier of the Year」を受賞した。ステアリングシステム関連部品の品質やコストなどが評価されたもの。万都は2003年からChryslerに部品の納入を開始。同賞を受賞するのは2011年に引き続き2度目となる。(2014年6月24日付プレスリリースより)

-横滑り防止装置 (ESC) および電動パワーステアリングシステム (EPS) についてISO26262認証を取得した。ISO26262は車載電子制御部品の機能安全に関する国際規格。同社は本認証取得に向けて、2011年より専門チームを組織し注力してきた。(2014年6月16日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発体制

<韓国>
-京畿道 城南 (Sungnam) 市(Mando Global R&D Center)

<海外R&Dセンター>
-米国 ミシガン州デトロイト
-中国 北京
-インド ハリアナ州
-ドイツ フランクフルト

<冬季テストセンター>
-米国 ミシガン州スーセントマリー
-中国 黒龍江省黒河 (Heihe)
-スウェーデン アリエプローグ
-ニュージーランド ワナカ

-中国の北京市で「Mando R&D Center China」(MRC) の竣工式を開催した。このMRCは同社が2003年6月に設立した「Mando Beijing R&D Center」を拡張移転したもので、敷地面積13,000平方メートル、延床面積50,000平方メートル規模。約260人の研究開発スタッフが勤務し、中国国内の完成車メーカーに納入する全製品の性能に関する研究を行う。また、MRC内には178,000平方メートル規模の走行テストコースも設置され、中国の環境や市場要求に適合する製品開発にも注力する。また、黒竜江省の黒河 (Heihe) 市に位置する冬季テストコースとも連携し、製品の品質強化を目指していく。(2014年6月26日付プレスリリースより)

-ドイツのAmtzellにR&Dセンター「Halla DAS Lab Europe (HDLE)」を開設した。同社は2013年11月、運転者支援システム (DAS) などの研究開発を行うDSP-Weuffen GmbHを子会社化しており、このDSP-Weuffenの社名を変更したもの。新拠点HDLEではDAS用センサーの技術開発に注力する。(2014年5月23日付プレスリリースより)

研究開発費

(単位:百万ウォン)
2013年12月期 2012年12月期 2012年12月期
金額 208,244 189,163 151,845
対売上高比率 3.7% 3.7% 3.33%

研究開発活動

-車両用前方衝突防止レーダーセンサーの国産化開発に成功したと発表した。このセンサーは、2014年12月に発売される車両のスマートクルーズコントロールシステムに採用される予定。(2014年11月4日付プレスリリースより)

-自動運転車向けの技術開発を進めている。現在同社は韓国自動車メーカーと共同で、渋滞時運転支援システム (TJA: Traffic Jam Assist)、クロストラフィック支援システム (CTA: Cross Traffic Assist)、遠隔駐車支援システム (Remote SPAS: Smart Parking Assist System) などを開発中。なお、同社はすでに自動運転車の基本となる緊急ブレーキシステム (AEB: Autonomous Emergency Braking) を量産しており、この製品は現代自動車の大型乗用車「Genesis」に採用されている。(2014年11月1日付プレスリリースより)

-アクティブブレーキキャリパー (ARC: Active Retraction Caliper) の開発に成功したと発表した。このARCは車両の種類や走行条件にかかわらず、非制動時にブレーキパッドとブレーキディスクの間に発生する摩擦を最小化し、燃費向上を実現する。また同社は、ハイブリッド車用回生ブレーキシステムの開発を進行中。同システムに重要な役割を果たすアクティブ電子制御ブレーキ (AHB: Active Hydraulic Boost) は開発が完了し、量産段階に入っている。また、ハイブリッド車用エンジン出力補助システム (BSG: Belt driven Starter Generator) については、韓国自動車メーカーと共同で先行開発を進めている。(2014年10月22日付プレスリリースより)

設備投資

設備投資額 (2014年12月期)

(単位:百万ウォン)
事業部門 内容 金額*
ブレーキ BIR組立ライン増設等 3,810
MGH80ライン改造等 12,279
その他 7,358
ブレーキ計 23,947
ステアリング コラム式電動パワーステアリング ライン改造等 2,492
その他 6,502
ステアリング計 8,994
サスペンション S/ABS Curlingタイプ ライン増設等 1,551
その他 1,989
サスペンション計 3,540
その他 17,001
合計 53,481
*2014年9月1日付の会社分割により、2014年9月1日から12月31日までの4カ月間を対象とする。

海外投資

<米国>
-米国ジョージア州Hogansvilleで新工場の竣工式を開催した。同工場は万都にとって米国2番目の生産拠点となり、敷地面積577,000平方メートル、建物面積41,000平方メートル規模。年間60万台分の横滑り防止装置 (ESC) を生産し、米国内の現代・起亜自動車やGMに納入する。また、2014年9月からはラック式電動パワーステアリングシステム (R-EPS) を年間17万台生産し、GM向けに供給する予定。万都は2018年までに同工場におけるR-EPSの生産能力を年間100万台まで増加させる計画という。(2014年7月17日付プレスリリースより)

<中国>
-中国子会社の万都(瀋陽)汽車零部件有限公司[Mando (Shenyang) Automotive Parts Co., Ltd.]で工場の竣工式を開催した。この工場は敷地面積66,000平方メートル、建物面積26,000平方メートルの規模で、年間120万台分のブレーキ部品を生産する能力を持つ。2014年7月からは、上海GMの瀋陽工場で生産する新型「Chevrolet Cruze」向けに年間50万台分のブレーキ部品を納入する予定。また、同社は今後3年以内に、ステアリング部品やサスペンション部品を生産する瀋陽第2工場を建設する計画。同社は今回の新拠点設立を契機として、東北三省(遼寧省・吉林省・黒竜江省)の市場攻略を目指す。(2014年6月30日付プレスリリースより)

<ポーランド>
-ポーランド子会社のMando Corporation Poland Sp. z o. o. (MCP) において工場の竣工式を開催した。このポーランド工場では2012年9月よりサスペンションを生産し、現代自動車のチェコ工場、起亜自動車のスロバキア工場などに納入してきた。今回の工場増設により、2014年8月からはFiat、2015年5月からはVolkswagenにブレーキキャリパーを供給する。同部品の年間生産能力は現在76万台分だが、2014年中に120万台分まで引き上げる計画。(2014年5月23日付プレスリリースより)