日立電線 (株) 2011年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2011年
3月期
2010年
3月期
増減率(%) 要因
全社
売上高 419,279 372,450 12.6 -
営業利益 788 (6,381) - -
経常利益 (1,765) (4,939) - -
当期純利益 (12,993) (9,110) - -
電機・産業システム
売上高 344,695 281,269 22.5 自動車用部品は、第3四半期はエコカー補助金制度終了に伴い国内向けが若干減少し、第4四半期は震災の影響による生産調整があったが、震災の影響を除くと需要は持ち直している。また、海外子会社が年間を通して堅調に推移したことから、前年度を大きく上回った。
営業利益 1,962 (2,266) - -

海外事業

2011年1月1日付で北米地域の連結子会社ヒタチケーブル・インディアナとヒタチケーブル・フロリダを合併させると発表した。合わせて称号をヒタチケー ブル・オートモーティブ・プロダクツ・USAに変更する。北米自動車部品事業の再編にともない、部品製造・販売会社を米国1社、メキシコ1社に集約するのが狙い。資材調達、管理コストの削減、技術開発・マーケティングなどの面でのシナジー効果を創出する。合併後の従業員数は約500人。2012年3月期の売上高は1億3800万ドル(約117億円)を予想する。(2010年11月25日付日刊自動車新聞より)

>>>次年度業績予想(売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2011年3月期 2010年3月期 2009年3月期
全社 9,034 9,612 11,078
電機・産業システム 2,632 - -
電線・ケーブル  - 1,404 1,500
高機能材料  - 3,282 4,292

研究開発体制

-技術本部(技術研究所)と事業本部の開発部門で推進。
-(株)日立製作所をはじめとする日立グループの研究開発機関と密接な連携・協力関係を保つとともに、必要に応じ顧客及び政府の研究開発機関とも共同研究を推進。

研究開発活動

電機・産業システム部門
家庭でのEVの充電や充電インフラ機器へのニーズに応えるため、安全性と取り扱い性に優れたEV向け壁掛け充電器を開発し、2011年夏より販売開始する。本製品は充電ガン、充電ケーブル、制御器(Charge Circuit Interrupt Device : CCID)からなり、国際規格SAE J1772に準拠している。

次世代自動車には多くの場合、インバータで制御される永久磁石式同期モータが駆動モータとして使用されている。同社グループでは本用途にモータの小型化・高出力化を可能にする高強度耐熱自己潤滑エナメル線を開発し、多くの次世代自動車に採用されている。今般、モータのさらなる信頼性向上と小型化・高出力化のために、より高い占積率が期待できる平角線において、耐インバータサージ性と耐熱性、高機械強度を兼ね備えた特性を持つエナメル線「KMKED22A」を開発し、これを世界初の「耐インバータサージ性平角ポリアミドイミドエナメル線」として実用化した。

2011年1月、汎用銅材で高純度の銅と同等の特性を持った材料の開発に成功したと発表した。汎用銅にごく微量のチタンを添加して不純物を制御することで潜在特性を引き出せるようにした。さらに経済性に優れた連続鋳造圧延工法で製造できるようして、高い性能とコストを両立した。今回、「HiFC」と呼ばれる銅材を開発し た。電力や情報通信分野向けの電線や配線材などに適用できるとしている。(2011年1月24日付日刊自動車新聞より)

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2011年3月期 2010年3月期 2009年3月期
全社  10,153 13,862 30,382
電機・産業システム 5,004 - -
電線・ケーブル  - 5,603 10,087
高機能材料  - 5,815 15,535

電機・産業システム
-機器用電線、配線部品用製造設備及び巻専用製造設備の拡充を中心に投資。