日本特殊陶業 (株) 2012年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
2012年
3月期
2011年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 284,746 269,232 5.8 -
営業利益 24,478 28,770 (14.9) -
経常利益 23,740 27,379 (13.3) -
当期純利益 25,524 23,680 7.8 -
自動車関連事業
売上高 222,635 197,213 12.9 -日系自動車メーカー向けにおいて東日本大震災やタイの洪水の影響による生産調整を受けたが、北米および欧州自動車メーカー向けの出荷が堅調に推移。
-補修用市場においても、北米や新興国における販売が好調。
営業利益 30,703 31,943 (3.9)

新会社
-中国に自動車用酸素センサーの生産を手がける新会社を設立すると発表した。中国江蘇省常熟市に年間240万個の生産能力を持つ工場を新設し、2013年夏をめどに生産を開始する。中国に進出している日系、海外の自動車メーカーから現地供給体制の拡充を要請されていることを受け、新会社を設立することにした。新会社の名称や資本など詳細は今後検討していく。同社は、2006年に中国現地法人である上海特殊陶業を設立し、新車組み付け用の酸素センサーの生産を行ってきた。中国は自動車生産台数が増加しているとともに、環境や省燃費への対応が一層求められている。このため酸素センサーに対する需要も増加傾向にある。メーカーからの増産要望が数多くあり、新工場建設に関する検討を進めていた。(2011年5月9日付日刊自動車新聞より)


2013年3月期の見通し

(単位:百万円)
  2013年3月期
(予想)
2012年3月期
(実績)
増減
(%)
全社
売上高 278,700 284,746 (2.1)
営業利益 27,000 24,478 10.3
経常利益 28,300 23,740 19.2
当期純利益 21,400 25,524 (16.2)
自動車関連事業
売上高 2,172 2,226 (2.4)
営業利益 315 307 2.6

製品分野別戦略
-スパークプラグについて、高付加価値プラグの拡販により、OEM市場の収益力を強化。
-ディーゼルエンジン車市場での販路の拡大を通じて、グロープラグを自動車関連事業の第三の収益の柱へと成長させる。
-センサービジネスについて、システムメーカーとの協業により開発速度を早め、ガソリン車・ディーゼルエンジン車・二輪車の各市場でのシェア拡大を図る。

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2012年3月期 2011年3月期 2010年3月期
全社 16,036 15,763 13,907
既存製品の改良、応用研究等に
関する費用等を除いた研究開発費
3,542 3,152 2,468
自動車関連事業 773  828 843

研究開発体制

-活動の主体となるのは、本社機構である技術開発本部、新規事業推進本部および各事業部技術部。また、国内外の学会・協会への参画、大学・公的研究機関との共同研究等により最新技術を入手・導入している。
-テクニカルセンターは米国、欧州、ブラジル、韓国に展開。

研究開発活動

スパークプラグ
-耐高温性・耐高電圧性・高着火性を高めるとともにより一層の小型化・ワイドレンジ化を推進し、材料開発から製品設計、製造方法まで一貫して開発を実施。
-高出力エンジン向け小径ロングリーチプラグが一部の自動車メーカーに採用された。

ディーゼルエンジン用グロープラグ
-排気ガス規制に対応した昇温特性に優れ、高寿命を有するプラグやその温度をコントロールする制御システムを開発。

センサー
-高温、熱衝撃、振動、破水などの環境耐久性向上および省エネ、省資源タイプのセンサーの開発を推進。
-新しい排気ガス規制に必要となるOBD (車載の自己故障診断装置)用のセンサーやEGRシステムを制御するためのセンサー開発。
-3~5年後の客先・市場ニーズの調査および解析を行い、多数の技術開発に着手。

その他
-ガスエンジン用プラグの耐久性向上を目指した点火ユニットの開発製品化。
-自動車に搭載されたエンジン制御回路とのインターフェース機能を持つ全領域空燃比センサ用次世代ASIC (特定用途向けIC)を開発。

製品開発

グロー機能付き圧力センサー
-2012年3月期、同社はディーゼルエンジン向けに、新たに圧力センサーとグローヒーターを組み合わせたグロー機能付き圧力センサーを開発。これにより、排ガス低減や燃費向上につながる燃料噴射の詳細制御が可能となる。

スパークプラグ

-PSPE (Projected Square Platinum Electrode)に改良を加え、更に高着火性・高耐久性を追求したプレミアムRXプラグを開発。

グロープラグ
-従来比2倍の昇温性能である超急速型昇型セラミックヒータ素子を開発。

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2012年3月期 2011年3月期 2010年3月期
全社 14,004 8,767 10,977
自動車関連事業 11,854 6,365 7,325

-2013年3月期の設備投資額は、220億円を予定。その内、自動車関連事業は154億円。

国内投資

-酸素センサの中枢部品となるセンサ素子の生産能力を増強すると発表。まず、約22億円を投じて同社の小牧工場内に、延床面積約7,300平方メートルの原料工場を建設する。さらに、約30億円を投資して、100%子会社であるセラミックセンサ株式会社の延床面積を約2,100平方メートル拡張する計画。これにより、生産能力は約15%増加する。2013年5月から順次生産を開始する見込み。(2012年3月23日付プレスリリースより)

-約280億円を投じて岐阜県可児市にスパークプラグ用絶縁体の新工場を建設すると発表。2012年11月より着工し、2014年4月から操業を開始する。延床面積は約78,000平方メートル。月産能力は第1フェーズで1,350万本の見込み。(2012年1月12日付プレスリリースより)

重要な設備の新設

(2012年3月31日現在)
事業所名 投資予定額
(百万円)
設備等の主な内容・目的 備考
小牧工場
(愛知県小牧市)
2,200 酸素センサー生産工場および設備 2014年5月から順次生産を開始。
セラミックセンサ(株)
(愛知県小牧市)
3,000 酸素センサー生産工場および設備 2014年5月から順次生産を開始。
未定
(岐阜県可児市)
28,000 スパークプラグ生産工場および設備 2015年4月から段階的に生産を開始。

設備の新設

(2012年3月31日現在)
投資予定額
(百万円)
設備等の主な内容・目的
本社-自動車関連事業 11,593 増産および研究開発設備
国内連結子会社-自動車関連事業 983 更新および保全設備
海外連結子会社-自動車関連事業 2,860 更新および保全設備