日本特殊陶業 2007年度の動向

ハイライト

業績 (単位:百万円)

2008年
3月期
2007年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 345,584 344,891 0.2 -
営業利益 35,039 52,401 (33.1) -
経常利益 34,938 53,855 (35.1) -
当期純利益 22,144 34,072 (35.0) -
自動車関連事業
売上高 209,393 185,601 12.8 -自動車の保有台数が増加する新興市場の需要に牽引され、日米での停滞を補って新車組付用、補修用市場共に好調に推移。特に東欧・ロシア及びアジア地域における補修用市場への出荷は、昨年に引き続き伸長。また、欧州を中心としたディーゼル車の生産台数の増加をはじめ、世界的な環境対策、低燃費化の流れを受けて、グロープラグ・高着火性スパークプラグ・排気ガス制御用各種センサが好調な出荷となった。
営業利益 36,110 33,199 8.8


国内動向
-同社の関連会社で自動車用酸素センサーを製造するセラミックセンサ(愛知県小牧市)の発行済株式の50%を日本ガイシから取得し、28日付で完全子会社化すると発表した。製造から販売までの一貫した体制を構築し、センサー事業の効率化を目指す。取得金額は113億円。日本特殊陶業では、中長期の経営方針として「世界ナンバー・ワンの製品をさらに強くする」ことを掲げており、この中でセンサービジネスを積極的に拡大していく方針を打ち出している。今回のセラミックセンサの完全子会社化もその一環。自動車用酸素センサー事業のさらなる強化を目指す。(2007年9月27日付日刊自動車新聞より)


海外動向

-2007年4月11日、中国でのスパークプラグ及び自動車用酸素センサー事業を強化するため、北京に「北京駐在員事務所」を開設した。北京駐在員事務所は、各メーカーの技術・ビジネス動向の情報収集を始め、特許やイミテーション問題についての現地政府機関との折衝などが主な目的。(2007年4月12日付日刊自動車新聞より)

開発動向

研究開発費 (単位:百万円)
  2008年3月期 2007年3月期 2006年3月期
全体 17,444 16,253 14,691
既存製品の改良、応用研究等に
関する費用等を除いた研究開発費
2,972 2,841 2,844
自動車関連事業 1,652 1,629 1,587

-本社機構である総合研究所及び各事業部技術部が研究開発活動の主体。国内外の学会・協会への参画、大学・国立研究機関との共同研究等も実施。


開発
-発電スタック(積層部)を従来の約2分の1の厚み(高さ)に薄型化する固体酸化物形燃料電池(SOFC)のコンパクト化技術を確立した。セラミックスを中心とした材料複合技術や自動車用センサー、電子回路を応用した制御システムの開発によって従来比約2倍で世界最高水準となる発電出力密度を確保、実現につなげた。こうした利点を生かし、第一段階のターゲットとして、家庭用を中心に普及が見込まれる出力700?数キロワット級の小型コージェネレーションへの採用を目指す。また、車載用補助電源(APU)は、ドライバー休憩時のカーエアコン使用に伴う排ガス、CO2の発生削減が課題となっている北米の大型トラックなどをターゲットに商品化を進める。(2007年10月12日付日刊自動車新聞より)

-燃料電池配管のような高湿度環境のもとでも水素検知を行うことができる「MEMS熱伝導式水素センサー」の開発に成功したと発表した。今回開発したセンサーは、触媒被毒の可能性がないため、燃料電池のガス管を含めた広範な用途に適用が可能としており、今後は用途開拓を進め、2015年以降にも量産化が見込まれている燃料電池車への展開も図っていく。同社は、このセンサーについて、カナダのバンクーバーで29日から開催される「水素・燃料電池国際会議2007」で発表する予定。(2007年4月21日付日刊自動車新聞より)

設備投資

設備投資額 (単位:百万円)
単位:百万円 2008年3月期 2007年3月期 2006年3月期
全体 63,231 29,271 26,919
自動車関連事業 24,840 17,667 18,534


国内事業
-岐阜県可児市に工場を建設するための土地を取得すると発表した。同社は自動車関連事業、半導体事業での堅調な成長が続く中で、生産能力の増強を進めてきたものの、所有する敷地は全て使用しており、将来の事業規模拡大に備えた、工場建設用地の取得が課題となっていた。今回、同社の拠点やグループ会社が展開する地域に近いことや将来の土地開発計画があり、拡張性があること、工業専用地域であることのほか、労働力確保に条件が良いことなどから、可児市二野工業団地の土地購入を決めた。購入する土地は合計11.5ヘクタールで、購入価格は約41億円。(2007年6月18日付プレスリリースより)


海外事業
<米国>
-米国拠点の工場内にスパークプラグの生産ラインを新設すると発表した。新ラインでは2008年夏に年間2千万個のペースで生産を開始、既存の工場と合わせて、現状で同4千万個の生産規模を同6千万個に引き上げる。同社は子会社の米国特殊陶業(ウエストバージニア州)で自動車部品事業を展開している。ウエストバージニア工場で酸素センサー、アーバイン工場(カリフォルニア州)ではスパークプラグを生産しているが、米国内でのスパークプラグの需要増に対応し、自動車メーカーが集中する地区に近いウエストバージニア工場で新たにスパークプラグを生産することにした。(2007年5月8日付日刊自動車新聞より)


自動車関連事業の設備の新設等(2008年3月時点)
名称/ 事業所名
(所在地)
設備の内容 投資予定総額
(百万円)
着手 完了
予定
完成後の
増加能力
本社工場
(愛知県名古屋市)
スパークプラグ生産設備 1,879 2007.12 2009.03 注1
研究設備 412 2008.04 2009.03 -
小牧工場
(愛知県小牧市)
プラグ、センサ関連製品生産設備 2,819 2007.07 2009.03 注1
研究設備 1,576 2007.07 2009.03 -
鹿児島宮之城工場
(鹿児島県薩摩郡)
スパークプラグ絶縁体生産工場及び設備 6,806 2007.05 2008.06 注2
スパークプラグ生産設備 1,146 2007.12 2009.03 注1
セラミックセンサ(株)
(愛知県小牧市)
酸素センサ生産設備 (貸与) 936 2007.07 2009.03 注1
連結子会社
NGK Spark Plugs (U.S.A.), lnc.
(米国)
工場増設及びスパークプラグ生産設備 1,700 2007.04 2008.06 注3
Ceramica e Velas de Ignicao NGK do Brasil Ltda
(ブラジル)
スパークプラグ
生産設備
1,720 2008.01 2008.12 注1

NGK Spark Plug(Shanghai)Co.,Ltd.
(中国)

プラグ、センサ生産設備 777 2008.01 2008.12
注1: 生産工程の一部増加、更新及び合理化のための設備投資であり、増加能力を算定することが困難なため具体的な完成後の増加能力は記載していない。
注2: スパークプラグ絶縁体の生産能力は60百万個/年増加する予定。
注3: スパークプラグの完成品組立能力は20百万個/年増加する予定。