日本ピストンリング (株) 2011年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万円) |
2011年 3月期 |
2010年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 47,411 | 39,035 | 21.5 |
- |
営業利益 | 4,195 | (610) | - |
- |
経常利益 | 3,298 | (1,163) | - |
- |
当期純利益 | 1,666 | (2,787) | - |
- |
自動車関連製品事業 | ||||
売上高 | 41,768 | 34,605 | 20.7 |
国内自動車生産の回復に加え、海外向け受注が堅調に推移。 |
営業利益 | 3,736 | (806) | - |
- |
事業再編
-米国子会社を2011年1月1日付で再編すると発表した。米国の連結子会社であるNPR USホールディングスが、傘下のNPRオブアメリカ(NOA)とNPRマニュファクチャリングケンタッキー(NMKY)、NPRマニュファクチャリングミ シガン(NMMI)を吸収合併し、存続会社の商号をNPRオブアメリカに変更する。連結子会社間の合併により顧客サービスの強化と経営の効率性を図るのが 目的。ピストンリングとバルブシートの製造および内燃機関用部品の販売を行う。(2010年11月30日付日刊自動車新聞より)-100%出資子会社の日ピス島根(島根県大田市)の全株式を日東工業(大阪市中央区)へ譲渡すると発表した。譲渡日は3月31日を予定している。日ピス島根はカムシャフトやタペット、シリンダーライナーなどの鋳造部品を生産しており内燃機関用部品製造に関する鋳造技術を有する。日本ピストンリングは日東工業から一部内燃機関用部品を購入しており、日ピス島根からもカムシャフトやシリンダーライナなどを購入している。日本ピストンリングは事業譲渡後も購入を 続ける方針。(2011年2月26日付日刊自動車新聞より)
>>>次年度業績予想(売上、営業利益等)
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2011年3月期 | 2010年3月期 | 2009年3月期 | |
全社 | 1,280 | 1,290 | 1,508 |
自動車関連製品事業 | 1,229 | 1,238 | 1,448 |
研究開発活動
1.次世代溶射ボア用ピストンリング-これまでの欧州顧客等との十数年に及ぶ溶射ボア向ピストンリングの開発、量産実績を通して培われた技術ナレッジを背景として、現在、次世代溶射ボア技術向け製品の最適化開発を推進中。
2.耐久性にすぐれたディーゼルエンジン用ピストンリング
-ディーゼルエンジンの排ガス規制対応に対する顧客要求に対し、耐スカッフ性、耐摩耗性に優れたPVD(物理的蒸着皮膜)表面処理ピストンリングの量産拡大を推進した。更に、Euro-VI、US10等の排ガス規制及び重量車燃費規制に対しては、ナノ単位で皮膜特性を調整しながら積層成膜することで耐摩耗性を向上させた新開発のPVD付きTOPリングや、低張力でも高い潤滑油調整機能を持つ新形状のOILリングを開発し、クリーンな排ガスと低燃費が両立できるピストンリングセットの量産納入を開始した。
3. バルブシート
-ガソリンエンジンでは低燃費化(λ=1領域拡大)対応材、ディーゼルエンジンでは排気ガス規制対応材、また昨今増えつつあるマルチフューエル(ガソリン、エタノール、ガス)対応材の開発にいち早く着手し、国内外の自動車メーカーへ量産納入を開始した。また近年、急速に拡大している新興国市場向けに価格競争力を向上した製品を開発中であり、この市場におけるシェア拡大への取り組み強化を図っている。
4.組立式焼結カムシャフト
-直噴エンジンのみならず、ディーゼルエンジン(特に商用トラック)においても量産採用が拡大している。
5.MIM製品
-同社のコア技術である材料技術と焼結技術を活かしたMIM工法により、低コスト化と優れた軟磁性特性を両立させた製品を開発し、燃料噴射制御装置(インジェクタ)部品の量産拡大を図っている。
6.新規焼結製品
-アルミ製エンジンブロックの高機能化ニーズに対応し、従来の鋳鉄製強化材の課題を解決。高密着性を実現した鉄基焼結合金材の量産採用拡大に成功した。今後、軽量化、低コスト化を進め、更なる展開拡大を狙っている。
7.シリンダーライナー
-ポスト・ポスト新長期排ガス規制対応ディーゼルエンジン用ライナの量産化開発を推進中。また、2015年の重量車燃費規制に対応するため、同社固有のトライボロジー技術に基づく、燃費低減技術を開発中。
開発計画
-エンジン以外のパワートレーン対応技術や自動車以外の顧客拡大を視野に入れた新規領域の構築に向けた研究開発への取り組みを強化する。2030年に非エンジン部品事業での売上構成比30%の実現を目指す長期ビジョンを構築、具体的な活動に乗り出す。 BRICsを始めとした新興国向けの自動車需要が伸びていることなどにより、世界の自動車市場は当面はエンジン車を中心に構成されていくと見られている。 ただ、ピストンリングやバルブシートなど同社の中核部品で培った技術を水平展開し、業容を広げていくことで、経営基盤をより一層固めていくことを目指す。 電気自動車(EV)を始めとした電動パワートレーン領域では、パワー半導体やモーター分野関連の新製品投入に向けた研究開発を進める。また、自動車以外では医療機器や産業機器用製品の投入を視野に入れた取り組みを進めていく考え。(2010年6月24日付日刊自動車新聞より)技術供与契約
(2011年3月31日現在)
相手会社名 | 国名 | 契約年月 | 内容 | 契約期間 |
株式会社瑞進カム [Seoin Cam Co., Ltd.] |
韓国 | 2000年07月01日 | 焼結カムシャフトの製造法 | 量産開始後7年 (以降年次更新可) |
Henan Zhongyuan Engine Fitting Co. ,Ltd. | 中国 | 2005年09月02日 | シリンダーライナの製造法 | 製品供給終了迄 |
儀征双環活取塞環有限今司 [Yizheng Shuang Huan Piston Ring Co., Ltd.] |
中国 | 2005年12月27日 | ピストンリングの製造法 | 7年 |
IP Rings Ltd. | インド | 2003年12月01日 | 組合せオイルリングの製造法 | 8年 |
2008年02月21日 | スチールリングの製造法 |
5年 |
||
2008年04月01日 | クロームメッキリングの製造法 | 5年 | ||
2008年12月22日 | スチールリングの製造法 | 6年 | ||
2010年03月01日 | 窒化リングの製造法 | 5年 | ||
2010年04月01日 | オイルリングの製造法 | 5年 |
設備投資
設備投資費 |
(単位:百万円) |
2011年3月期 | 2010年3月期 | 2009年3月期 | |
全社 | 1,642 | 1,519 | 4,262 |
自動車関連製品事業 | 1,466 | 1,404 | 4,032 |
-自動車関連製品事業は、維持更新を主たる目的として設備投資を実施。
設備の新設
(2011年3月31日現在)
会社名 | 所在地 | 設備内容 | 投資予定 総額 (百万円) |
着工 年月 |
完了 年月 |
完成後の 能力 |
NPR of America, Inc. (Kentucky事業所) |
米国 ケンタッキー州 |
工場新設 | 5,500 | 2006年 05月 |
2011年 06月 |
1,800万本/年 |